あなたが選んだのは、私ではない私でした

LIN

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私はバネッサ

私はケリー

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私はケリー。ブラウン男爵家の次女で、10歳離れたお兄様と7歳離れたお姉様がいるの。

小さい頃はお祖父様とお祖母様を合わせた家族7人で住んでいたわ。


でも、お祖父様もお祖母様も大っ嫌い。いつもいつも、私に言うの。

「勉強しなさい」

「我儘を言ってはいけません」

この二人はいつも怒ってるし、きっと楽しい事なんて無いんだって思うの。
だって、言っている事がよくわからないもの。

なんで勉強しないといけないの?

私は大人になったらお嫁さんになって、お母様みたいに毎日お茶会に行くのよ?勉強なんて必要ないじゃない。それに、我儘なんて言っていないわ。欲しい物を欲しいって言って、何が悪いの?


お父様のこともお母様のことも、私は大好きなの。

いつも私を可愛いねって言ってくれるから。

「勉強なんてしなくていいよ。ケリーは可愛いから、そのままで良いんだよ」

「ケリーの我儘なところが可愛いのに、お義父様もお義母様も何もわかっていないわ。ケリーはやりたい事をすればいいのよ。お母様達はどんな事でも応援するわ!」

お祖父様達に叱られると、お父様達はそう言って慰めてくれるの。私は愛されているんだわ。


お兄様とお姉様は、よくわからないの。

お祖父様達みたいに叱ったり、お父様達みたいに私を褒めたりするの。だから私は、お兄様達の機嫌が悪い時は近付かないって決めているの。


今日もお祖父様達に叱られて泣いていたら、お父様が言ったの。

「隣街に行こうか?私は学者ではないし、家督を受け継いだらこの町を出ようと考えていたんだ」

「そうしましょう。ケリーをお義父様達と一緒の家には置いておけないわ。こんなに泣いてしまって、可哀そうに。ケリーには、いつでも笑っていて欲しいわ」

お母様もそう言って、家族でお引越しをすることになったの。

その時は、お引越しが何かよくわからなかったけど、お祖父様達と離れられる事はわかったから喜んだわ。


お引越しって、違う家に行く事だったの。

そこで会ったバネッサは、私程ではないけれど、可愛い女の子だったわ。歳も同じで、すぐに仲良くなったの。バネッサは優しくて、いつも私の言う事を聞いてくれるから、すぐに大好きになったの。

ある時のお茶会で、バネッサは凄く綺麗な髪飾りをしていたの。「私も欲しいわ!」そう言ったのに、バネッサはくれなかったの。

(欲しい欲しい!バネッサの髪飾りが欲しい!目の前にあるのに私の物じゃないなんて、そんなのおかしいわ!)

そう思っていたら、お父様が同じ物を買ってくれるって言ってくれたの。だからお父様って大好き。

その日の夜、何故かお父様達とお兄様達が言い合っていたわ。

次の日になって、お兄様達はお祖父様の家に帰って行ったの。あんな家に行きたがるなんて、変わってるわね。

でもお兄様達は最近お祖父様達に似てきて、ガミガミ煩かったから良かったわ。お父様とお母様がいれば充分だもの。


それにしても、バネッサはいつも素敵なものを持っているのね。新しい物を見る度に欲しくなっちゃうわ。

バネッサは私にくれないけど、何処で買ったかは教えてくれるの。それをお父様に言うと、お父様はすぐに同じ物を買って来てくれるわ。バネッサのことは大好きだったから、お揃いの物が嬉しかったの。


私は優しいお父様やお母様、バネッサが大好きっ。
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