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第一章
ここでも真実の愛
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「クリスティーナ、君との婚約を破棄する!私は真実の愛を見つけてしまったのだ!」
夜会の会場全体に響き渡る大きな声を出して、男が言ったのだった。
(まぁ!こちらでも真実の愛があったのね。素敵だわ。二度も真実の愛を見ることができるなんて、なんて素晴らしいのでしょう!)
マーガレットはワクワクと目を輝かせて、ことの成り行きを見守った。
「フレデリック様、いえ、これからは王太子殿下とお呼び致しましょう。真実の愛なれば、否はございません。ただ、破棄ではなく、白紙に戻して頂きたいと存じます」
夜会中に突然「婚約破棄」と言い出したクラレンス王国の王太子フレデリックに、婚約者のクリスティーナが淡々と告げた。
「クリスティーナならばわかってくれると思っていたよ。そうだね、破棄ではなく白紙に戻そう。では、私の真実に愛する女性を皆に紹介しよう。ソフィア、おいで」
「は~い!」
王太子に呼ばれて出てきたソフィアを見て、マーガレットは驚いた。
(あのソフィア様はパレードの女性だわ。王太子殿下の真実の愛のお相手様だったのね)
ざわざわと騒がしくなる会場内。
真実の愛に歓喜するクラレンス王国の貴族達。そして、この国の王太子の突然の婚約白紙に唖然とする他国から訪れた要人達だった。
「真実の愛などと馬鹿な事を…あれはただの不貞ではないか…」
マーガレットは小さな声で呟いたギルバートを凝視した。
(真実の愛は尊いものだと思っていたのだけれど…シルベスタ帝国では違うのかしら?)
「皇太子殿下は、真実の愛を信じていらっしゃらないのですか…?」
「真実の愛は存在していると思うよ。だが、あれでは順番が違うと思わないかい?私がこの国の文化で、唯一受け入れられない事だろうね…」
「お国が違うと考え方も異なるのですね…」
ギルバートとコソコソと話をしていたマーガレットは、フレデリック達はどうなったのかと視線を戻した。
だが、婚約白紙の一件は終わった後だった。
マーガレットは遠目に、護衛騎士に連れられて会場から出て行くフレデリックとソフィアが見えた。
(きっと今から婚約の手続きをしに行くのね。皇太子殿下はああ仰っていたけれど、私は真実の愛は素敵なものだと思うわ。ソフィア様はお綺麗な女性ですもの。これから王太子殿下と幸せに過ごすのね…)
突然の王太子の婚約白紙に夜会は急遽取り止めになってしまったため、マーガレット達は宿屋に帰ることとなった。
ギロリと睨むビクトールを横目に、ギルバートがマーガレットに言った。
「マーガレット嬢、いつまで王都に滞在するんだい?ケナード領に帰る前に、もう一度君に会いたい」
「マーガレットは直ちにケナード領に帰りますので、皇太子殿下とお会いできる時間はございません!」
ビクトールがそう言い放ち、マーガレット達を連れて宿屋に帰って行った。
こうしてマーガレットの久しぶりの夜会が、呆気なく終わったのだった。
ケナード領に帰る馬車でマーガレットはずっと考えていた事に思い当たった。
(そうだわ!誰かに似ていると感じていたけれど、皇太子殿下は、髪の色こそ違うけれど、ギジルにそっくりなんだわ!平民のギジルが帝国の皇太子殿下に似ているだなんて、なんていう偶然なんでしょう!)
ギルバートの正体にも、彼の想いにも気が付かないマーガレットだった。
夜会の会場全体に響き渡る大きな声を出して、男が言ったのだった。
(まぁ!こちらでも真実の愛があったのね。素敵だわ。二度も真実の愛を見ることができるなんて、なんて素晴らしいのでしょう!)
マーガレットはワクワクと目を輝かせて、ことの成り行きを見守った。
「フレデリック様、いえ、これからは王太子殿下とお呼び致しましょう。真実の愛なれば、否はございません。ただ、破棄ではなく、白紙に戻して頂きたいと存じます」
夜会中に突然「婚約破棄」と言い出したクラレンス王国の王太子フレデリックに、婚約者のクリスティーナが淡々と告げた。
「クリスティーナならばわかってくれると思っていたよ。そうだね、破棄ではなく白紙に戻そう。では、私の真実に愛する女性を皆に紹介しよう。ソフィア、おいで」
「は~い!」
王太子に呼ばれて出てきたソフィアを見て、マーガレットは驚いた。
(あのソフィア様はパレードの女性だわ。王太子殿下の真実の愛のお相手様だったのね)
ざわざわと騒がしくなる会場内。
真実の愛に歓喜するクラレンス王国の貴族達。そして、この国の王太子の突然の婚約白紙に唖然とする他国から訪れた要人達だった。
「真実の愛などと馬鹿な事を…あれはただの不貞ではないか…」
マーガレットは小さな声で呟いたギルバートを凝視した。
(真実の愛は尊いものだと思っていたのだけれど…シルベスタ帝国では違うのかしら?)
「皇太子殿下は、真実の愛を信じていらっしゃらないのですか…?」
「真実の愛は存在していると思うよ。だが、あれでは順番が違うと思わないかい?私がこの国の文化で、唯一受け入れられない事だろうね…」
「お国が違うと考え方も異なるのですね…」
ギルバートとコソコソと話をしていたマーガレットは、フレデリック達はどうなったのかと視線を戻した。
だが、婚約白紙の一件は終わった後だった。
マーガレットは遠目に、護衛騎士に連れられて会場から出て行くフレデリックとソフィアが見えた。
(きっと今から婚約の手続きをしに行くのね。皇太子殿下はああ仰っていたけれど、私は真実の愛は素敵なものだと思うわ。ソフィア様はお綺麗な女性ですもの。これから王太子殿下と幸せに過ごすのね…)
突然の王太子の婚約白紙に夜会は急遽取り止めになってしまったため、マーガレット達は宿屋に帰ることとなった。
ギロリと睨むビクトールを横目に、ギルバートがマーガレットに言った。
「マーガレット嬢、いつまで王都に滞在するんだい?ケナード領に帰る前に、もう一度君に会いたい」
「マーガレットは直ちにケナード領に帰りますので、皇太子殿下とお会いできる時間はございません!」
ビクトールがそう言い放ち、マーガレット達を連れて宿屋に帰って行った。
こうしてマーガレットの久しぶりの夜会が、呆気なく終わったのだった。
ケナード領に帰る馬車でマーガレットはずっと考えていた事に思い当たった。
(そうだわ!誰かに似ていると感じていたけれど、皇太子殿下は、髪の色こそ違うけれど、ギジルにそっくりなんだわ!平民のギジルが帝国の皇太子殿下に似ているだなんて、なんていう偶然なんでしょう!)
ギルバートの正体にも、彼の想いにも気が付かないマーガレットだった。
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