真実の愛のお相手様と仲睦まじくお過ごしください

LIN

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第二章

迷子の女の子

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「大丈夫よ。私があなたのお母様を探してあげるわ」

マーガレットは人がごった返す街を見渡したが、何処に母親がいるかはわからなかった。

(どうしましょう?困ってしまったわ…)


「私がこの子の母親を探して来ますので、お嬢様は一度宿にお戻り下さい」

「でも…あなたはお母様のお顔を覚えているかしら…?」

「お任せください。仕事柄、一度見た者の顔は忘れませんので…」

ハリーはそう言って人混みの中に消えて行った。


「ハリーがあなたのお母様を見つけて来てくれるわ。それまで私と一緒にいましょう?」

「わーん…」

「あなたのお名前は何ていうのかしら?私はメグよ」

「グスッ……アニー。わーん…」

アニーはまた泣き出してしまった。

「アニーはねこさんはお好きかしら?いぬさんも、とりさんもいるのよ」

「グスッ……ねこさん?」

「そうよ。とても可愛いの。メグお姉ちゃんと一緒に見に行きましょう?」

「うん!行く!」

(アニーは猫が好きなのね。ハーヴがお出かけをしていないといいのだけれど…)

マーガレット達は泣き止んだアニーを連れて、すぐ近くにある宿に戻ったのだった。


「まぁ、その子はどうしたの?可愛らしい子ね」

「マーガレット様…まさか…ここでも人を連れ帰って来てしまわれたのですか…?」

スザンヌとセバスは、マーガレットが連れて帰って来たアニーを見て驚いていた。

「この子はアニーよ。お母様と逸れてしまったの。今ハリーが探してくれているわ」

(良かった…ケナード領に連れて帰るのかと思ってしまった…)

ホッと一安心するセバスだった。


「アニー、メグお姉ちゃんとねこさんに会いに行きましょう?」

「うん!」

マーガレット達は宿の裏庭に出て、ハーヴ達のいる場所に向かった。


― ニャー

「わぁ!かわいいねこさん!」

「この子はハーヴって言うのよ。いぬさんはスコッグ、とりさんはユースよ。とてもお利口さんなの」

「ハーブ!」

アニーは「よしよし」と言ってハーヴを撫でた。


「マーガレット様、スザンヌ様から頂きました。アニーと一緒に召し上がってください。今お茶の用意をしております」

オリビアがテーブルにお茶とクッキーを並べた。アニー用に冷たいお茶も置いてあった。

「まぁ、ありがとう。お母様にもお礼を言わないといけないわね」

マーガレットはアニーを見て、優しく言った。

「アニー、メグお姉ちゃんと一緒にクッキーを食べましょうね」

セバスがアニーを椅子に乗せて、オリビアがアニーの手を濡れた布巾で拭った。

座ったアニーの膝の上に、ハーヴがスタッと飛び乗って寛ぎだした。

「かわいいねー」

アニーは右手にクッキーを持ち、左手でハーヴを撫でていた。

(なんて可愛らしいの!ハーヴもじっとして、優しい子ね)

マーガレットの妹好きに拍車がかったのだった。


程なくして、ハリーがアニーの母を宿に連れて戻って来た。

「アニー!まったくもう、心配かけて」

「あ!おかーさん!」

「あら?クッキーを貰ったの?」

「うん!ハーブもここにいるの!」

「すみません。うちの子がご迷惑をおかけしました。それにこんなに良くして頂いて…本当にありがとうございます」

アニーの側まで走って来た母は、泣いていると思っていたアニーが楽しそうに笑っていることに驚き、マーガレットにお礼を言った。

「大丈夫よ。妹が出来たようで楽しかったもの。アニー、お母様のお迎えよ。良かったわね」

「メグおねーちゃん、ありがと!」

アニーは手を振って、お辞儀をした母と手を繋いで家に帰って行った。

(アニーはとても可愛らしい子だったわ。妹って良いものね)

マーガレットはアニーを見送った後、ハーヴの元に戻って来た。

「ハーヴ、ありがとう。あなたはとても優しい子ね」

マーガレットはハーヴを撫でながら言ったのだった。

― ニャー


アニーはマーガレットに優しくして貰った事が忘れられず、大きくなってから孤児院のシスターになった。

どんな子供にも優しく接し、人々から好かれるシスターだったという。

アニーのいる孤児院には、二匹の猫がいつも日向ぼっこをしていた。白い猫はメグ、黒い猫はハーブと呼ばれていたそうだ。
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