どうぞ、おかまいなく

こだま。

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アンジェラとスティーヴンの婚約は、スティーヴンの有責で解消された。
奇しくも、アンジェラのポートレートが証拠となり、言い訳などはできない状況であった。
アンジェラには疵瑕はないとキチンと示すために、慰謝料が支払われ、両家が出資していた仕事には支障はなかったものの、それ以上に事業も特に発展はしなかった。
スミス男爵家側で資金の増額など過剰な補助や援助を控えたためだ。

故に、両家に地味に損害と醜聞を与えたスティーヴンは、嫡子から外され、弟のデイヴィスが伯爵家を継ぐことになった。
スティーヴンは、フォスター子爵家の領地運営の手伝いのため子爵領へ向かい、ラナと現地で強制的な婚姻となる。
そもそも、ラナがセヴル伯爵家に預けられていたのは、年頃の娘の行儀見習いの為である。
親類とはいえ伯爵令息を誑かし、婚約を壊した末の婚姻なら、もう行儀作法など必要はない。家業で領地からそうそう出てこられないから、社交も不要……つまり、遠回しに蟄居を言い渡されたのである。

ちなみに、フォスター子爵家の家業とは、養豚と養鶏だ。
特に、たまごは有名で『フォスター光』という銘柄の人気商品である。
美味しいたまごやお肉を皆様に提供することが、家業の本懐。下働きから出直せ……とは。
なんという美しい罰でしょうか!
早寝早起きで、汗水流して王都の皆様の美味しい食事と笑顔の為に、お二人の愛で頑張ってくださいませ。

アンジェラはイアンと婚約し、後に結婚。王都のタウンハウスで王宮騎士となった夫をささえ、毎日推し同士、幸せそうに暮らしている。

そして……イアンのファンクラブは、まだ、存在している。

 推しの幸せが、ファンの幸せ。

ファンクラブは法度を守り、皆様は静かに見守っている。





おわり




【クラリスside】

私の婚約も決まり、いよいよ、イアンお兄様のファンクラブの運営は厳しくなってきた。
お兄様は、見た目と違い純朴で天然系の性格だから、その辺の群がる女狐は合わない……。どうしたものかしら……。

唯一の悩み事の対策を、日々考えてモヤモヤとしながらも、アフタヌーンティーを楽しんでいたところへ、騒ぎが聞こえた。
1階のケーキのショーケースの前で、『婚約解消』だなんだと騒ぎ立てる女の声。
何事かと階段を降りてのぞきに行くと、アンジェラとステラに男女のカップルの女の方が絡んでいる。

あの男がアンジェラの婚約者なのね、まあ、堂々と浮気をして婚約解消を迫っているとか、厚顔無恥も甚だしい。
いっそ、婚約を解消してしまえば……。

「!」

いえ、この婚約、私が、解消させてしまいましょう。……私の、未来の為に。
飛んで火に入るおバカさん達。チャンスの神様は前髪しか無いのよ。振り返った時に後悔しても遅いから。(くすっ)

2階に戻ったクラリスは、ロイヤルミルクティーで喉を潤した後、ある人物へ電話をかけに行くのだった。

↑女子校のラスボスはこわい……。
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