どうぞ、おかまいなく

こだま。

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 スティーヴンとあれ以来、初めて顔を合わす。言葉が何も出てこない。ステラが気をきかせてくれて、良ければ一緒のテーブルでお茶をしないかと誘った言葉に被せるように、

「スティーヴン、どうしたの? 席がないの?」

と彼の後から公園で見た女がやって来た。

「あ、ああ......」

動揺したように私を見ながら返答をする彼に、彼女は視線をこちらへ移す。

「誰?」

そう聞かれ、少し躊躇いを見せながら、

「......僕の婚約者のアンジェラ・スミス男爵令嬢だよ」

と紹介をされた。

「こちらは、僕の親戚のラナ・フォスター子爵令嬢」

 紹介されてしまったので、一応、当たり障りのない挨拶をする。

「はじめまして。フォスター子爵令嬢。
アンジェラ・スミ......「貴女がアンジェラさん! お会いしたかったの」

名前を言い終わる前にガシッと両腕を掴まれた。

「え......?」

思わずじりっと後退る。それでも猛攻は続く。

「ラナね、ステュと幼馴染みなの。
ラナの方が少しお姉さんだけれど、ステュを兄のように慕っているの。
婚約したと聞いたときはショックで寝込んでしまったけれど、
家同士の政略のようなものでしょ?
愛がないならアンジェラさんから解消して欲しいの」

 何を言われているのか理解できない。スティーヴンの家は伯爵家なのだから、こちらから解消も出来ないし、少なくとも公園の出来事までは私には愛があったわ!
 それに、何だろう。年上というわりには妹キャラアピール激しいし 、ピンクのヒラヒラワンピースって、全くもって似合ってないわ。

「......」

 色々な意味で無言でいると、2階からステラと女子数名が降りてきた。
 店頭で話すのもどうかと、席を取りに行って、お茶をしているクラスメイトを発見したらしい。
 この店はうちの学校から近く、学生が帰りに寄ることが多いのだ。

「アンジェラ、ごめんなさいね。
ちょっと会話が聞こえてしまったの。
ここではなんだから、上でお話しましょう」

 眉目秀麗の秀才、クラリスが蠱惑的な笑みを浮かべ促す。
 私たちは、この妹キャラの乙女?と婚約者と一緒に、2階のティールームへ向かった。

「クラリスありがとう」

 気を使ってくれたことにお礼を言うと、

「いいのよ。これからよ」

 と蠱惑からどす黒いオーラの笑みへ、スイッチ・オンした瞬間を見て、心底ビビってしまう。一体、何がはじまるの?

「なんか......、寒くないか?」

 スティーヴンが悪寒を感じてつぶやく。
そりゃそうだろう、ハンター達が涼しい顔をして獲物を狙っているのだ。

 ここで会ったが運のつき。
妹キャラよ、婚約者よ、女子校の修羅場を思い知るがいい。
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