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第二部
21.夢と本物
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この声で名前を呼ばれたら、逆らえない。
わたしは、目をつぶってこくりと頷いた。ふふっとハーディが笑った気配がした。
「夢と本物と、どっちがいい?」
そんなの本物のほうがいいに決まっているのに。恥ずかしさのあまり答えられずにシーツを脱ぎ握りしめたわたしにハーディはまたキスをする。ノックをするように、尖らせた舌先が突いてくる。頭の後ろに手が回されて、ぴたりと裸の胸同士が密着した。どくどくと暴れている心臓の音がハーディにも伝わってしまうかもしれない。
強く舌を吸い上げられたかと思うと、やわやわと上唇を食まれる。強弱をつけて触れられると、焦れったくなってくる。わたしにハーディの舌は捕まえられないのに、気づいた時にはもう彼の舌に絡めとられている。真似をしてその舌を強く吸ってみる。
こんなにキスがいいなんて、知らなかった。どんどん欲深くなってしまう。
ぴちゅんと水音を立てて、ハーディの指が秘所へ入り込んでくる。もう十分に湿ったそこは、ハーディの長い指を苦もなく受け入れる。
「……ぁ…っ……」
嬌声まで全部ハーディに奪われる。貪るような性急な口づけが続く。その間もなかを弄るのは止まない。
くちゅくちゅとわたしのなかをかき混ぜるように、指が動く。気持ちよくて苦しくて、なかの指をきゅうっと締め付けてしまう。
いつの間にか二本に増えた指がばらばらに動いて、わたしを執拗に責め立ててくる。唇と秘所からの強すぎる刺激に、わたしの腰がびくびくと跳ねる。
ああ、来る。そう思った。
「達っていいよ、ルイーゼ」
囁かれただけで体が震えた。ぱちんと弾くように尖りに触れられたら、もうだめだった。
「ああああっ」
喉を反らせてわたしは絶頂を迎えた。荒い息で寝台に身を任せるわたしの首筋に、ハーディはゆっくりと舌を這わせてくる。
達したばかりの体には強すぎる刺激だ。それだけでまたお腹の奥が燻ってくる。
「ルイーゼはどこも甘くて困る」
言いながら、唇に触れて、胸を食んで、脇腹もぺろりと舐めた。
「ん……ああっ……だめっ……ぁあ」
彫刻のように整ったハーディの顔が上気していて、何かを堪えるように眉間に皺を寄せていた。額に汗が滲んで銀髪が乱れている。
「甘いものは……好んで、食べないんじゃなかったの……?」
「本当にね」
ぎゅっと抱き寄せられて、腕の中に囲い込まれるようになる。腰に硬い怒張が当たっている。
「食べてしまいたい」
ハーディはわたしの下腹部に手を当てた。白い光が集まってきて、何か魔法を使おうとしているのだと思った。
今のわたしは正真正銘の処女だと、ハーディは言っていた。
だったら上書きする今度は、なんの魔法もなし、彼と一つになりたい。
「だめ」
ハーディの手を掴んでそう言うと、途端に光は手の中に収まっていった。
「どうして。多分痛いよ」
おれもどこまで優しくできるかわからないと、わしゃわしゃと髪を掻き上げる。
「ちゃんとあなたを、覚えておきたいから」
痛くても、苦しくても、なかったことにはしたくない。
ハーディが息を呑んだ。そして、一瞬苦しくなるぐらい寸前まで抱擁が強くなったかと思うと、我に返ったかのように、また元の強さに戻った。
「ったく、おれはいくつのガキだよ……」
三百歳の魔術師が余裕を失って、溺れていく様をわたしは見ている。それがたまらなく愛おしかった。
大きな溜息のあと、足の付け根に男根が当てがわれるのが分かった。それだけで、奥がじくじくと疼いた。
わたしは、目をつぶってこくりと頷いた。ふふっとハーディが笑った気配がした。
「夢と本物と、どっちがいい?」
そんなの本物のほうがいいに決まっているのに。恥ずかしさのあまり答えられずにシーツを脱ぎ握りしめたわたしにハーディはまたキスをする。ノックをするように、尖らせた舌先が突いてくる。頭の後ろに手が回されて、ぴたりと裸の胸同士が密着した。どくどくと暴れている心臓の音がハーディにも伝わってしまうかもしれない。
強く舌を吸い上げられたかと思うと、やわやわと上唇を食まれる。強弱をつけて触れられると、焦れったくなってくる。わたしにハーディの舌は捕まえられないのに、気づいた時にはもう彼の舌に絡めとられている。真似をしてその舌を強く吸ってみる。
こんなにキスがいいなんて、知らなかった。どんどん欲深くなってしまう。
ぴちゅんと水音を立てて、ハーディの指が秘所へ入り込んでくる。もう十分に湿ったそこは、ハーディの長い指を苦もなく受け入れる。
「……ぁ…っ……」
嬌声まで全部ハーディに奪われる。貪るような性急な口づけが続く。その間もなかを弄るのは止まない。
くちゅくちゅとわたしのなかをかき混ぜるように、指が動く。気持ちよくて苦しくて、なかの指をきゅうっと締め付けてしまう。
いつの間にか二本に増えた指がばらばらに動いて、わたしを執拗に責め立ててくる。唇と秘所からの強すぎる刺激に、わたしの腰がびくびくと跳ねる。
ああ、来る。そう思った。
「達っていいよ、ルイーゼ」
囁かれただけで体が震えた。ぱちんと弾くように尖りに触れられたら、もうだめだった。
「ああああっ」
喉を反らせてわたしは絶頂を迎えた。荒い息で寝台に身を任せるわたしの首筋に、ハーディはゆっくりと舌を這わせてくる。
達したばかりの体には強すぎる刺激だ。それだけでまたお腹の奥が燻ってくる。
「ルイーゼはどこも甘くて困る」
言いながら、唇に触れて、胸を食んで、脇腹もぺろりと舐めた。
「ん……ああっ……だめっ……ぁあ」
彫刻のように整ったハーディの顔が上気していて、何かを堪えるように眉間に皺を寄せていた。額に汗が滲んで銀髪が乱れている。
「甘いものは……好んで、食べないんじゃなかったの……?」
「本当にね」
ぎゅっと抱き寄せられて、腕の中に囲い込まれるようになる。腰に硬い怒張が当たっている。
「食べてしまいたい」
ハーディはわたしの下腹部に手を当てた。白い光が集まってきて、何か魔法を使おうとしているのだと思った。
今のわたしは正真正銘の処女だと、ハーディは言っていた。
だったら上書きする今度は、なんの魔法もなし、彼と一つになりたい。
「だめ」
ハーディの手を掴んでそう言うと、途端に光は手の中に収まっていった。
「どうして。多分痛いよ」
おれもどこまで優しくできるかわからないと、わしゃわしゃと髪を掻き上げる。
「ちゃんとあなたを、覚えておきたいから」
痛くても、苦しくても、なかったことにはしたくない。
ハーディが息を呑んだ。そして、一瞬苦しくなるぐらい寸前まで抱擁が強くなったかと思うと、我に返ったかのように、また元の強さに戻った。
「ったく、おれはいくつのガキだよ……」
三百歳の魔術師が余裕を失って、溺れていく様をわたしは見ている。それがたまらなく愛おしかった。
大きな溜息のあと、足の付け根に男根が当てがわれるのが分かった。それだけで、奥がじくじくと疼いた。
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