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ある行きつけの寿司屋の話

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「お前なにやってんだよ」
「何うちの組の金を勝手に使ってんだよ」
「すみません」
「で、何に使ったんだ?ギャンブルか?」
「彼女が病気でそれの治療費に使って」
「それで?どのくらいだったんだ?」
「10億」
「ただの詐欺じゃねぇか、今すぐ取り戻してこい」
「無理ですもう使ってしまいました、あと余ったお金で沖縄旅行行ってきました」
「しっかり楽しんでんじゃねぇか心配して損したわ。もういい、お前には消えてもらう」
「ちょっと待ってください」
「もうみせしめだ、みせしめ」
「みせしめですか?わかりました」
ガラガラ
「ごちそうさま!次は熱燗用意しといてね!じゃねぇんだよ、あけろあけろ」
ガラガラ
「いらっしゃいません」
「いらっしゃるじゃねぇかよ、そろそろお前の指詰めるぞ」
「詰める?こ、こうですか?」
「小指と小指が繋がってET、じゃねぇんだよ!
 悪い、もう無理だ。お前沈めるわ」
「やめてください!それだけは!」
「連れてけ」
「助けて!助けてくれええええええ!」

「ていう話なんだけどどうかな?オモロイやろ?」
「あのなんで店主の方は目の前にいらっしゃるんですか?沈められたんじゃ…」
「そうそう、だから死んだことになってんのね」
「行くのやめます」
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