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第三部 無双編
第71話 王都見物
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「じゃあ留守番を頼んだ。ローレッタ」
「はいお土産待ってら」
「それとなこれを渡しとく。まあその、なんだ。ごにょごにょの時はクレイグさんに使ってくれ。使い方は紙に書いてあるから」
ローレッタに渡したのは例の魔道具。
そう避妊に使う奴だ。
もう実際に使ったかというと。
五回目のデートの後に家で例の魔道具を実戦使用している。
デートから帰ってきたら二人とも急に用事が出来たなんて言ってわざとらしく出て行くなんて。
まあそんな訳だ。
ローレッタは説明書きを読むとふーんと呆れた顔をする。
なにやらシリアスな場面が台無しだが湿っぽいのよりは良い。
「レシール姉気ばつけでみなさね行ってこい」
ローレッタに見送られ俺達は王都を目指す。
レシールさんが同行したのは彼女が王都見物が一生に一度の夢だと言うのでかわいそうなので連れて来た。
肝心の王都行きの理由だけど、ギルドマスターの会議で強制依頼を一つこなさないとSランクは認めんとなったらしい。
ちなみに会議はどのように行われたかというと書簡のやりとりで会議する。
時間が掛かる訳だ。
今回の困った事態を作り出したのは貴族派のギルドマスター。
幸い国王派のギルドマスターの方が数が多いのでSランク認証は条件付で成った。
王都へは六日の予定だ。
魔獣は何回か出会ったがあまり強くなかったので問題なく蹴散らす。
三日目の昼、七人組みの盗賊が出た。
レシールさんを見ると震えている。
盗賊ぐらい大丈夫だからと安心させ馬車の外に出る。
御者台のフィオレラに作戦を伝えると。
護衛もいない馬車がいるぞギャハハハと下品な笑い声を上げ襲い掛かってきた。
遠距離攻撃の手段は持ってないみたいだ。
フィオレラに水魔法の粘着を展開してもらう。
魔力ゴーレムを使い小規模な雷魔法ようするにスタンガン魔法で一人ずつ眠らせる。
ビオンダさんがこういう時の縛り方を知っているというので任せた。
フィオレラにどうすると問われたので注意書きを置いて放置と。
縄は解かないで放置したけど運が良ければ魔獣にも襲われないだろう。
レシールさんにも何か武器を持たせないと不味いかと思う。
身内という事で攻撃用魔道具持たせる許可をフィオレラに取る。
フィオレラは約束覚えていたんですね良いですよと言ってくれた。
予備の中折れ銃を持ちだして説明する。
「レシールさん。まずをこうやって……そしてこう……そして撃つ」
「やてみら。ええどこうね。そしてきゃあ」
うわとんでもない所に撃ったぞ。これは危険だ仲間を撃ちそうだ。
中折れ銃は諦め。
予備の魔石銃を代わりに渡す。
魔石銃は問題なく撃てた。
主武装は魔石銃に決まりだな。
それより困った問題がある。
フィオレラが俺のテントで一緒に寝たがるのだ。
ムラムラしてしまう。
おかげで王都に着いたそうそう宿を取り、旅先なのに例の魔道具の実戦データを又一つ積み上げてしまった。
すっきりとした気分で朝を向かえる。
さて、ハンターギルドのグランドマスターに会いに行くとするか。
グランドマスターは各都市のギルドマスターを束ねている存在で王都のギルドマスターも兼ねている。
ハンターギルドの本部は流石元締めなだけあってこの辺りの建物の中では群を抜いて大きい。
受付でグランドマスターに会いに来た事を告げると俺だけ奥の部屋に通された。
グランドマスターは腰の曲がった男性で頬の傷が元ハンターなのを窺わせる。
すっかり白髪になった頭は生きてきた年月を思わせた。
「よくきたのう。グランドマスターのエルナンじゃ」
「ゴーレム使いのシロクです」
グランドマスターは怒りに手を震わせ事情を話す。
「貴族派がごねよってからに……余分な手間を取らせる」
「それで強制依頼はどうなったのですか?」
「そうじゃのう。街道の一つが魔獣によって封鎖されとるのは知っとるか」
「うわさなら聞いてます」
「その魔獣の撃退が強制依頼じゃ。貴族がうるさくてのうかなわん」
早く厄介払いをしたいという思惑が見える。
「ちなみに強制依頼は断れるのですか?」
「それはギルドを抜けてしまえば可能じゃ」
「教えても良い情報なんですかそれって?」
「みんな知っとる。じゃからギルドマスターは強制依頼を出すのは慎重にやらねばならん」
「ハンターギルドは国営だから他国に逃げられると稼ぎ頭がいなくなると言う訳ですか」
「そうじゃ」
「話が逸れましたが、依頼の方は頑張ってみます」
「情報を集めといた。帰りに受け取ってくれ」
「では失礼します」
宿に帰りベットに横たわりもらった情報に目を通す。
形は翼の付いた蛇で言葉を操る。
アステカかインカにそんな形状の神様いたな。
こいつもしかして神様か。
攻撃は一切通用しないとある。
魔法も物理攻撃も駄目か。うーん、これは難問だな。
攻撃の魔術を多彩に操るとある。
攻撃させたら駄目だな。
睡眠食事は取らない。
ますます神様説が有力になってきた。
挑んだハンターは怪我はしたものの死人は出ていないみたいだ。
そこは安心できる要素だな。
よし皆を集めよう。
「明日の強制依頼だけど一人でやろうと思う」
フィオレラは断固反対という態度で話す。
「シロクさんそれは危険なのでは」
「貴君は無謀な男だな。蛮勇は勇気ではないぞ」
「わもここで金づ……いえシロクさんに死ないると困る」
レシールさん酷いな金づるって言いかけた。
俺も今回はパスしたいが、Sランクが掛かっている。
「一応勝算はあるんだ。まず相手は話すことができる。だから武器を持たず一人で話しに行こうと思う」
フィオレラは駄目夫に意見する妻のような口調で話す。
「しょうがない人ですね。私は声の届く位置で待機します。そこは譲れません」
「うんもしもの時は大声で叫ぶから助けてくれ。二人はどうだ」
ビオンダさんは諦めの口調で物を言う。
「貴君は悪運があるから案外上手くいくやも」
「みんなが賛成なら仕方ねだの」
レシールさんもしぶしぶと言った感じだ。
「よし今日は王都見物だ」
王都の目抜き通りをフィオレラと二人で歩く。
ビオンダさんとレシールさんは気を利かせて女二人組みで王都見物するらしい。
さてどこに行こうか。
露店でガイドブックが売っていたので購入し行き先を探す。
とりあえず近いのは噴水のある広場だな。
噴水の周りは大賑わいで家族連れなどがわいわい賑やかに話をしている。
噴水の中を覗き込むとやけに小石が目立つ。
離れた所からカップルが小石を投げ込みブツブツつぶやいている。
小石を売っている露店があったので話を聞くと。
小石を噴水に投げ込み石が沈みきる前に願い事を言うと叶うらしい。
銅貨じゃないの普通は。まあ、異世界だしな。そういう事もあるだろう。
小石五つで銅貨一枚だったが購入して投げ込む事にした。
俺は小石を投げ込み。
健康にすごせますようにとSランクになれますようにとお金持ちなれますようにと願いをかけた。
フィオレラは小石を二回投げ込む。
小声だったので聞き取れなかったが願い事をつぶやいていた。
次は劇場に足を運んだ。
流石王都の劇場だ規模が大きいコンサートホールみたい。
指定席なので座席の番号を確認して席に着く。
幕が上がり劇が始まる。
内容はヤギウの戦いの一幕を元に作られているらしい。
おお、スポットライトが使われている魔道具だな。
自分の携わった製品を使われているところをみるとまた作らなきゃと言う気持ちにさせられる。
戦記ものだったせいかフィオレラの反応は途中までは今ひとつだった。
ヒロインが出てきて恋愛要素が少し絡んでフィオレラは興味を引かれたらしい。
満足したようで良かった。
「はいお土産待ってら」
「それとなこれを渡しとく。まあその、なんだ。ごにょごにょの時はクレイグさんに使ってくれ。使い方は紙に書いてあるから」
ローレッタに渡したのは例の魔道具。
そう避妊に使う奴だ。
もう実際に使ったかというと。
五回目のデートの後に家で例の魔道具を実戦使用している。
デートから帰ってきたら二人とも急に用事が出来たなんて言ってわざとらしく出て行くなんて。
まあそんな訳だ。
ローレッタは説明書きを読むとふーんと呆れた顔をする。
なにやらシリアスな場面が台無しだが湿っぽいのよりは良い。
「レシール姉気ばつけでみなさね行ってこい」
ローレッタに見送られ俺達は王都を目指す。
レシールさんが同行したのは彼女が王都見物が一生に一度の夢だと言うのでかわいそうなので連れて来た。
肝心の王都行きの理由だけど、ギルドマスターの会議で強制依頼を一つこなさないとSランクは認めんとなったらしい。
ちなみに会議はどのように行われたかというと書簡のやりとりで会議する。
時間が掛かる訳だ。
今回の困った事態を作り出したのは貴族派のギルドマスター。
幸い国王派のギルドマスターの方が数が多いのでSランク認証は条件付で成った。
王都へは六日の予定だ。
魔獣は何回か出会ったがあまり強くなかったので問題なく蹴散らす。
三日目の昼、七人組みの盗賊が出た。
レシールさんを見ると震えている。
盗賊ぐらい大丈夫だからと安心させ馬車の外に出る。
御者台のフィオレラに作戦を伝えると。
護衛もいない馬車がいるぞギャハハハと下品な笑い声を上げ襲い掛かってきた。
遠距離攻撃の手段は持ってないみたいだ。
フィオレラに水魔法の粘着を展開してもらう。
魔力ゴーレムを使い小規模な雷魔法ようするにスタンガン魔法で一人ずつ眠らせる。
ビオンダさんがこういう時の縛り方を知っているというので任せた。
フィオレラにどうすると問われたので注意書きを置いて放置と。
縄は解かないで放置したけど運が良ければ魔獣にも襲われないだろう。
レシールさんにも何か武器を持たせないと不味いかと思う。
身内という事で攻撃用魔道具持たせる許可をフィオレラに取る。
フィオレラは約束覚えていたんですね良いですよと言ってくれた。
予備の中折れ銃を持ちだして説明する。
「レシールさん。まずをこうやって……そしてこう……そして撃つ」
「やてみら。ええどこうね。そしてきゃあ」
うわとんでもない所に撃ったぞ。これは危険だ仲間を撃ちそうだ。
中折れ銃は諦め。
予備の魔石銃を代わりに渡す。
魔石銃は問題なく撃てた。
主武装は魔石銃に決まりだな。
それより困った問題がある。
フィオレラが俺のテントで一緒に寝たがるのだ。
ムラムラしてしまう。
おかげで王都に着いたそうそう宿を取り、旅先なのに例の魔道具の実戦データを又一つ積み上げてしまった。
すっきりとした気分で朝を向かえる。
さて、ハンターギルドのグランドマスターに会いに行くとするか。
グランドマスターは各都市のギルドマスターを束ねている存在で王都のギルドマスターも兼ねている。
ハンターギルドの本部は流石元締めなだけあってこの辺りの建物の中では群を抜いて大きい。
受付でグランドマスターに会いに来た事を告げると俺だけ奥の部屋に通された。
グランドマスターは腰の曲がった男性で頬の傷が元ハンターなのを窺わせる。
すっかり白髪になった頭は生きてきた年月を思わせた。
「よくきたのう。グランドマスターのエルナンじゃ」
「ゴーレム使いのシロクです」
グランドマスターは怒りに手を震わせ事情を話す。
「貴族派がごねよってからに……余分な手間を取らせる」
「それで強制依頼はどうなったのですか?」
「そうじゃのう。街道の一つが魔獣によって封鎖されとるのは知っとるか」
「うわさなら聞いてます」
「その魔獣の撃退が強制依頼じゃ。貴族がうるさくてのうかなわん」
早く厄介払いをしたいという思惑が見える。
「ちなみに強制依頼は断れるのですか?」
「それはギルドを抜けてしまえば可能じゃ」
「教えても良い情報なんですかそれって?」
「みんな知っとる。じゃからギルドマスターは強制依頼を出すのは慎重にやらねばならん」
「ハンターギルドは国営だから他国に逃げられると稼ぎ頭がいなくなると言う訳ですか」
「そうじゃ」
「話が逸れましたが、依頼の方は頑張ってみます」
「情報を集めといた。帰りに受け取ってくれ」
「では失礼します」
宿に帰りベットに横たわりもらった情報に目を通す。
形は翼の付いた蛇で言葉を操る。
アステカかインカにそんな形状の神様いたな。
こいつもしかして神様か。
攻撃は一切通用しないとある。
魔法も物理攻撃も駄目か。うーん、これは難問だな。
攻撃の魔術を多彩に操るとある。
攻撃させたら駄目だな。
睡眠食事は取らない。
ますます神様説が有力になってきた。
挑んだハンターは怪我はしたものの死人は出ていないみたいだ。
そこは安心できる要素だな。
よし皆を集めよう。
「明日の強制依頼だけど一人でやろうと思う」
フィオレラは断固反対という態度で話す。
「シロクさんそれは危険なのでは」
「貴君は無謀な男だな。蛮勇は勇気ではないぞ」
「わもここで金づ……いえシロクさんに死ないると困る」
レシールさん酷いな金づるって言いかけた。
俺も今回はパスしたいが、Sランクが掛かっている。
「一応勝算はあるんだ。まず相手は話すことができる。だから武器を持たず一人で話しに行こうと思う」
フィオレラは駄目夫に意見する妻のような口調で話す。
「しょうがない人ですね。私は声の届く位置で待機します。そこは譲れません」
「うんもしもの時は大声で叫ぶから助けてくれ。二人はどうだ」
ビオンダさんは諦めの口調で物を言う。
「貴君は悪運があるから案外上手くいくやも」
「みんなが賛成なら仕方ねだの」
レシールさんもしぶしぶと言った感じだ。
「よし今日は王都見物だ」
王都の目抜き通りをフィオレラと二人で歩く。
ビオンダさんとレシールさんは気を利かせて女二人組みで王都見物するらしい。
さてどこに行こうか。
露店でガイドブックが売っていたので購入し行き先を探す。
とりあえず近いのは噴水のある広場だな。
噴水の周りは大賑わいで家族連れなどがわいわい賑やかに話をしている。
噴水の中を覗き込むとやけに小石が目立つ。
離れた所からカップルが小石を投げ込みブツブツつぶやいている。
小石を売っている露店があったので話を聞くと。
小石を噴水に投げ込み石が沈みきる前に願い事を言うと叶うらしい。
銅貨じゃないの普通は。まあ、異世界だしな。そういう事もあるだろう。
小石五つで銅貨一枚だったが購入して投げ込む事にした。
俺は小石を投げ込み。
健康にすごせますようにとSランクになれますようにとお金持ちなれますようにと願いをかけた。
フィオレラは小石を二回投げ込む。
小声だったので聞き取れなかったが願い事をつぶやいていた。
次は劇場に足を運んだ。
流石王都の劇場だ規模が大きいコンサートホールみたい。
指定席なので座席の番号を確認して席に着く。
幕が上がり劇が始まる。
内容はヤギウの戦いの一幕を元に作られているらしい。
おお、スポットライトが使われている魔道具だな。
自分の携わった製品を使われているところをみるとまた作らなきゃと言う気持ちにさせられる。
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