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第三部 無双編
第78話 報告
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帰ってきたぞアドラム。
だいぶ留守にした気がする。
町に戻り最初にした事は侯爵への報告だ。
侯爵には王都の貴族派が大分、俺の事を脅威に感じていると聞かされた。
開戦派と和平派の争いは和平派が勝利を収めたみたいだ。
お前はどっちだと聞かれた。
当然、和平派だと胸を張って答える。
戦争は嫌いだな。
無い方が良いに決まっている。
そして、侯爵は情報が早い。
早馬で馬車を追い抜いたのだろう。
次は教会だな。
「こんにちは教会長。今日はSランク昇格の報告に」
「おめでとうございます。でも気をつけて下さい。貴族派の神官が情報収集に乗り出しています」
「原因は分かります。注意する事にします」
「噂でこの町に魔道具を作れる人がいると囁かれてます。それと作ったのはあなたでしょう」
闇ギルドに一度ばれているからな。どこからか漏れても不思議はない。
相変わらず教会長はするどいな。
「そうです。魔道具を作りました」
「やはりですか。お金が絡むと人は変わります。そういう人を幾人も見てきました。用心したほうがいい」
傭兵ギルドの警護はこれからも継続して頼むとするか。
「分かりました。それとフィオレラと婚約しました。もっと早く来るべきだったのですが、ごたごたして遅くなりました。すいません」
教会長の目尻に涙が浮かぶ。
「それはめでたいですね」
「ありがとうございます。ではこれで」
さて、薬草事業はどうなっているかな。
「レシールさん、今どうなってますか?」
「薬草の出荷は何回か出来で、一部の薬草は種ば取るった。それど枯れだ薬草も幾つかある」
ああ、野草は庭になんか植えると枯れるのが結構あると日本に居た時、聞いた。
難しい種類は当分やめた方が無難だな。
枯れた薬草の種類のリストを貰って、それは今後止めるように指示をだす。
「ポーションの方は?」
「下級しか作らいねばって、順調だ。薬師ギルドに行ったらガスポーションば催促さいだ」
「そうだな、一段落したので生産、頑張るか。じゃあ、後はよろしく」
何を作ろうか。
そうだ、サングラス作ろう。
サングラスは結構、前に作ろうと思ったけど、目立ちそうなので止めていた。
もう、目立っても問題は無い。
フィオレラを呼び魔石のカスでサングラスを作って貰う。
丁度良い染料を見つけるのに苦労したが、立派なサングラスが出来上がった。
ガスポーションの製作に入る。
魔力を集めるのにオークの領域を半日、駆け回るはめになった。
フィオレラと手分けして三十個作る。
これだけ作れば充分だろう。
荷車一杯に瓶を載せて町を行く。
ハンターにSランクも大変だなと声を掛けられる。
借金がなければ、こんな苦労もいらないのに。
納品に行ったら、受付嬢が凄い剣幕だ。
「とにかく、治療院が一杯です! 評判を聞いて赤痰病の患者が押しかけています! どうにかして下さい!」
そんなこと言われても。これ儲かるけど、下請けに出せないんだよ。
ローレッタの分析が失われたのが悔やまれる。
ゴーレム作成のアビリティが使えるのに魔力ゴーレムが作れないなんて。
「ところで赤痰病って何ですか?」
「肺病の一種で病気万能薬でしか治せません」
ああ、結核みたいな病気か。
うわ、ハンターやっている場合じゃないかも。
「分かりました。なるべく毎日来ます」
商業ギルドに寄る。
口座の残高が借金の三割を超えていた。
間引き頑張ったから、結構たまっている。
よし、後は残り三割だ。
「クリフォードさん、今日はこれを持ってきました」
今日出来たサングラスを見せびらかす。
「えっと何に使う道具なのですか」
「強い日差しから目を守る為に使います」
「ほう、それはいいですね。雪の降る地方などでは重宝しそうです」
「そうですか。でも、これ真似されますよね」
「そうですね。ただ大量発注は出来るでしょうから、権利料は五パーセントでしょうか」
「それでお願いします」
「ところでこれの素材は何ですか? 水筒と一緒ですよね」
「ああ、それは魔石のカスです。精錬スキルを掛けました」
「なるほど、残った魔石はどうされてます」
「特殊な魔道具を作ってます」
「なら今後、魔道具は精錬を掛けた状態で作りましょう」
「ええ、その方が持ち運びに便利ですよね」
「その通りです。それとサングラスを作った時、出た魔石を魔道具にすれば、手間が省けます」
「では次回からその様にします。また来ます」
今日は準男爵になったお祝いで店を借り切って身内でパーティをしよう。
「えー、Sランクと準男爵になったという事で乾杯!」
「「「「乾杯」」」」。
フィオレラが真っ先に俺の所に来る。
「改めて、Sランク昇格と準男爵の叙爵おめでとうございます」
「ああ、ありがとう。それと、今後は生産に力を入れて、必要がなければハンターはしない」
盛大に食っているローレッタは何か不満げだ。
「村どの往復には飽いだ。何か効率のい仕事こねだが?」
「筋力強化のスキルが使えるのなら建築ギルドはどう」
フィオレラがアイデアを出した。
「それが良さんだ」
それなら、ゴーレムが使えれば仕事の幅が広がるな。
アビリティは切り札だけど見せるだけなら良いか。
「アビリティを解禁しよう。建築ギルドで仕事を受けて良いぞ。ゴーレムを活用しろ。アビリティの事を聞かれたら、秘術だと言っとけ」
「クレイグさんど一緒に仕事こ出来るのは良だ」
ビオンダさんは意外に食べ方が上品だ。
聖騎士ともなると色々な所に呼ばれたりするだろう。マナーとかうるさいのかな。
「しかし、驚いたな本当にSランクになるとは。貴君は凄いな。尊敬は出来ないが」
「どうせ変態ですよ」
「シロクさん変態でない男なんていません」
変態認定は婚約者になっても健在らしい。
「ところで、私はハンターの仕事を気に入っていたので非常に残念だ」
「まあ、そちらは腕が鈍っても困るのでボチボチとやります」
レシールさんはローレッタに比べると小食だな。
でも飲む方は行ける口だ。
「そろそろ中級ポーションが作りての」
「薬師ギルドの伝手はできたから、今なら弟子入り出来るかもな。聞いてみるよ」
まあ、そんなこんなで帰還しての一日が終わる。
だいぶ留守にした気がする。
町に戻り最初にした事は侯爵への報告だ。
侯爵には王都の貴族派が大分、俺の事を脅威に感じていると聞かされた。
開戦派と和平派の争いは和平派が勝利を収めたみたいだ。
お前はどっちだと聞かれた。
当然、和平派だと胸を張って答える。
戦争は嫌いだな。
無い方が良いに決まっている。
そして、侯爵は情報が早い。
早馬で馬車を追い抜いたのだろう。
次は教会だな。
「こんにちは教会長。今日はSランク昇格の報告に」
「おめでとうございます。でも気をつけて下さい。貴族派の神官が情報収集に乗り出しています」
「原因は分かります。注意する事にします」
「噂でこの町に魔道具を作れる人がいると囁かれてます。それと作ったのはあなたでしょう」
闇ギルドに一度ばれているからな。どこからか漏れても不思議はない。
相変わらず教会長はするどいな。
「そうです。魔道具を作りました」
「やはりですか。お金が絡むと人は変わります。そういう人を幾人も見てきました。用心したほうがいい」
傭兵ギルドの警護はこれからも継続して頼むとするか。
「分かりました。それとフィオレラと婚約しました。もっと早く来るべきだったのですが、ごたごたして遅くなりました。すいません」
教会長の目尻に涙が浮かぶ。
「それはめでたいですね」
「ありがとうございます。ではこれで」
さて、薬草事業はどうなっているかな。
「レシールさん、今どうなってますか?」
「薬草の出荷は何回か出来で、一部の薬草は種ば取るった。それど枯れだ薬草も幾つかある」
ああ、野草は庭になんか植えると枯れるのが結構あると日本に居た時、聞いた。
難しい種類は当分やめた方が無難だな。
枯れた薬草の種類のリストを貰って、それは今後止めるように指示をだす。
「ポーションの方は?」
「下級しか作らいねばって、順調だ。薬師ギルドに行ったらガスポーションば催促さいだ」
「そうだな、一段落したので生産、頑張るか。じゃあ、後はよろしく」
何を作ろうか。
そうだ、サングラス作ろう。
サングラスは結構、前に作ろうと思ったけど、目立ちそうなので止めていた。
もう、目立っても問題は無い。
フィオレラを呼び魔石のカスでサングラスを作って貰う。
丁度良い染料を見つけるのに苦労したが、立派なサングラスが出来上がった。
ガスポーションの製作に入る。
魔力を集めるのにオークの領域を半日、駆け回るはめになった。
フィオレラと手分けして三十個作る。
これだけ作れば充分だろう。
荷車一杯に瓶を載せて町を行く。
ハンターにSランクも大変だなと声を掛けられる。
借金がなければ、こんな苦労もいらないのに。
納品に行ったら、受付嬢が凄い剣幕だ。
「とにかく、治療院が一杯です! 評判を聞いて赤痰病の患者が押しかけています! どうにかして下さい!」
そんなこと言われても。これ儲かるけど、下請けに出せないんだよ。
ローレッタの分析が失われたのが悔やまれる。
ゴーレム作成のアビリティが使えるのに魔力ゴーレムが作れないなんて。
「ところで赤痰病って何ですか?」
「肺病の一種で病気万能薬でしか治せません」
ああ、結核みたいな病気か。
うわ、ハンターやっている場合じゃないかも。
「分かりました。なるべく毎日来ます」
商業ギルドに寄る。
口座の残高が借金の三割を超えていた。
間引き頑張ったから、結構たまっている。
よし、後は残り三割だ。
「クリフォードさん、今日はこれを持ってきました」
今日出来たサングラスを見せびらかす。
「えっと何に使う道具なのですか」
「強い日差しから目を守る為に使います」
「ほう、それはいいですね。雪の降る地方などでは重宝しそうです」
「そうですか。でも、これ真似されますよね」
「そうですね。ただ大量発注は出来るでしょうから、権利料は五パーセントでしょうか」
「それでお願いします」
「ところでこれの素材は何ですか? 水筒と一緒ですよね」
「ああ、それは魔石のカスです。精錬スキルを掛けました」
「なるほど、残った魔石はどうされてます」
「特殊な魔道具を作ってます」
「なら今後、魔道具は精錬を掛けた状態で作りましょう」
「ええ、その方が持ち運びに便利ですよね」
「その通りです。それとサングラスを作った時、出た魔石を魔道具にすれば、手間が省けます」
「では次回からその様にします。また来ます」
今日は準男爵になったお祝いで店を借り切って身内でパーティをしよう。
「えー、Sランクと準男爵になったという事で乾杯!」
「「「「乾杯」」」」。
フィオレラが真っ先に俺の所に来る。
「改めて、Sランク昇格と準男爵の叙爵おめでとうございます」
「ああ、ありがとう。それと、今後は生産に力を入れて、必要がなければハンターはしない」
盛大に食っているローレッタは何か不満げだ。
「村どの往復には飽いだ。何か効率のい仕事こねだが?」
「筋力強化のスキルが使えるのなら建築ギルドはどう」
フィオレラがアイデアを出した。
「それが良さんだ」
それなら、ゴーレムが使えれば仕事の幅が広がるな。
アビリティは切り札だけど見せるだけなら良いか。
「アビリティを解禁しよう。建築ギルドで仕事を受けて良いぞ。ゴーレムを活用しろ。アビリティの事を聞かれたら、秘術だと言っとけ」
「クレイグさんど一緒に仕事こ出来るのは良だ」
ビオンダさんは意外に食べ方が上品だ。
聖騎士ともなると色々な所に呼ばれたりするだろう。マナーとかうるさいのかな。
「しかし、驚いたな本当にSランクになるとは。貴君は凄いな。尊敬は出来ないが」
「どうせ変態ですよ」
「シロクさん変態でない男なんていません」
変態認定は婚約者になっても健在らしい。
「ところで、私はハンターの仕事を気に入っていたので非常に残念だ」
「まあ、そちらは腕が鈍っても困るのでボチボチとやります」
レシールさんはローレッタに比べると小食だな。
でも飲む方は行ける口だ。
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