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第1章 森のドラゴン
第2話 三連続弾
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今日も俺は人間をストーキングしていた。
だいぶ呪文のコレクションも増えた。
新しく覚えた呪文を紹介すると、
『ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・
モチキニソ・けモセレ・
モセほテチカイスろコチリリろモチノイゆヌよレ・む』だ。
この呪文は水を出す呪文だ。
俺が予想していたイメージは。
void main(void)
{
water_make();
}
だったんだが。
何か違う。
呪文が長いのだ。
俺は気づいた。
『レ』が最後にあるのが多い。
ということは『レ』は一行の区切りか。
この呪文は二行だな。
そしてこれ、
『ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・
モチキニソ・けモセレ・
モセほハニスイろコチリリろモチノイゆヌよレ・む』何だけど。
観察したところでは着火の呪文だと思うのだが、イメージが以下だと少し違うような気がする。
void main(void)
{
ignition();
}
これだと一行で済んでしまう。
まあ後でゆっくり考えるさ。
今日の獲物はと。
居た間抜けそうな三人組だ。
昼の森は木の葉が生い茂り少し薄暗い。
その中を木の根っこに時々躓きながら三人組は歩く。
立つと木の葉が体に当たって音を立てるので四足で木の合間を縫うようにスルスルと蛇みたいに移動する。
もちろん木の根に躓くような間抜けな事はしない。
リスが木の枝を渡る。
「むっ、木の葉の音が」
「なんだリスじゃないか。臆病だな」
「用心深くない奴から死んでいくんだ」
「この辺の魔獣なんて俺の魔法で一撃さ」
俺の背中に別のリスが乗る。
俺は人間の時の癖で指を口の所に持って行きシーっと言おうとした。
口から漏れたのは火炎だった。
危ない危ない。
もう少しで気づかれるところだった。
早く生き物を討伐するために魔法を使わないかな。
接近しなくてもドラゴンの耳は良いので呪文の詠唱は聞こえる。
この前は新しい呪文を耳にしたので、つい感動のあまり感嘆の声を上げたら、うっかり吐息を吹きかけてしまった。
おっと樹にウロコを擦りつけて音を立てそうになった。
ふう、危ない危ない。
おっ猪が出てきた。
遂に魔法を使うのかな、わくわく。
「ここは俺が」
剣士が前に進み出てすれ違いざまに切りつける。
お前はお呼びじゃないんだよ。
でも何となく分かる。
俺もRPGをやる時は魔法を使うのがもったいなくて、つい物理攻撃に頼ってしまう。
首に刀傷を負った猪はふらふらと数歩歩いてどうと倒れた。
男達は猪の血抜きに掛かる。
俺は見つからないように後退した。
血の臭いが辺りに満ちる。
涎が俺の口からぽたぽたと垂れた。
ドラゴンってのは食いだめが出来るから何日か喰わなくとも大丈夫なのだが。
食欲は抑えられない。
腹が半分ぐらい減っている状態で獲物を見ると涎が垂れる。
それと腹が満腹だと動きが遅くなる。
ストーキングするには都合が悪い。
腹が減れば減るほどストーキング能力は高まる。
こういう所が野生だなと我ながら思う。
男達は猪の牙と肉の一番美味い所を取り再び歩き始めた。
俺は猪の残骸の側を通る時に残骸をぺろりと丸呑み。
そして、ゲップを一つ。
「おっ」
やばい感づかれたか。
「銀貨一枚のキノコめっけ」
男はいそいそとキノコを採取。
背負い鞄に入れた。
後をこっそりつけているのだが、案外ばれないものだ。
だが、気配がしたのか最後尾の人間が急に後ろを振り向いた。
そして首を傾げ、少し考えた。
それから何か見つけたのか後ずさり、へたり込む。
やばい見つかった。
そりゃそうだよ。
いつの間にか後ろに土の小山が出来ていれば不審に思うさ。
「あわわわわ」
男が奇声を上げる。
別の人間が振り向く。
「何、腰を抜かしているんだよ」
「あれを」
男が指差した先にはもちろん土の小山に偽装した俺がいる。
俺はどうなるか息を殺して推移を見守る。
「あの小山がどうしたんだ」
「あんなのが進路にあれば気づくよな。それに、あそこ、目がある」
「うわ、敵襲!」
最後の一人が振り返り、自信満々に言い放つ。
「とっておきの魔法を見せてやる」
おー遂に魔法が見れるのだな。
俺に気づくと何にもしないで逃げる人間が多いから魔法を俺に撃ってくれる存在は貴重だ。
魔法使いの詠唱が始まる。
「ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・
ハニスイろコチリリろカイトカゆよレ・
ハニスイろコチリリろカイトカゆよレ・
ハニスイろコチリリろカイトカゆよレ・む」
火の玉が続けて三回俺の体に当たる。
ぽすぽすぽすっと情けない音を立てて火の玉が消えた。
当然の事、焦げ跡さえ付かない。
俺は今猛烈に感動している。
なぜかと言うと一回の詠唱で、火の玉が三回放たれたからだ。
『ハニスイろコチリリろカイトカゆよレ』が三回繰り返された事からこの部分がファイヤーボールを放つのを示しているのだろう。
俺風に翻訳すると。
void main(void)
{
fire_ball_test();
fire_ball_test();
fire_ball_test();
}
こんな感じだろう。
俺の仮説が裏付けられた。
そして、感動の余韻に浸っていると、いつの間にか人間達は居なくなっていた。
それにしても魔法にはループの概念はないのだろうか。
同じ命令が並ぶと遂プログラマーの時の癖でループにしたら行数減らないかなとか考えてしまう。
でもループにすると遅くなるんだよな。
だから処理スピードが問題な時は同じ命令でも並べた方が良いんだよな。
昔、百個同じ命令を並べたことがある。
そしてそれを百回ループ。
一万回同じ事をさせたのだ。
一万個並べたら最速なのは分かっているが、流石にそれはためらわれた。
百回コピペするのはめんどくさかったのでエディタのマクロで対処したが。
マクロというのは同じ動作を繰り返ししてくれる物だ。
百個のコピペもマクロを使えば一瞬だ。
数を数え間違うなんて事もない。
百個なら百個きっかりコピペしてくれる。
一万個も可能だ。
やらなかったけどね。
余談になったが次も新しい発見があると嬉しいな。
だいぶ呪文のコレクションも増えた。
新しく覚えた呪文を紹介すると、
『ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・
モチキニソ・けモセレ・
モセほテチカイスろコチリリろモチノイゆヌよレ・む』だ。
この呪文は水を出す呪文だ。
俺が予想していたイメージは。
void main(void)
{
water_make();
}
だったんだが。
何か違う。
呪文が長いのだ。
俺は気づいた。
『レ』が最後にあるのが多い。
ということは『レ』は一行の区切りか。
この呪文は二行だな。
そしてこれ、
『ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・
モチキニソ・けモセレ・
モセほハニスイろコチリリろモチノイゆヌよレ・む』何だけど。
観察したところでは着火の呪文だと思うのだが、イメージが以下だと少し違うような気がする。
void main(void)
{
ignition();
}
これだと一行で済んでしまう。
まあ後でゆっくり考えるさ。
今日の獲物はと。
居た間抜けそうな三人組だ。
昼の森は木の葉が生い茂り少し薄暗い。
その中を木の根っこに時々躓きながら三人組は歩く。
立つと木の葉が体に当たって音を立てるので四足で木の合間を縫うようにスルスルと蛇みたいに移動する。
もちろん木の根に躓くような間抜けな事はしない。
リスが木の枝を渡る。
「むっ、木の葉の音が」
「なんだリスじゃないか。臆病だな」
「用心深くない奴から死んでいくんだ」
「この辺の魔獣なんて俺の魔法で一撃さ」
俺の背中に別のリスが乗る。
俺は人間の時の癖で指を口の所に持って行きシーっと言おうとした。
口から漏れたのは火炎だった。
危ない危ない。
もう少しで気づかれるところだった。
早く生き物を討伐するために魔法を使わないかな。
接近しなくてもドラゴンの耳は良いので呪文の詠唱は聞こえる。
この前は新しい呪文を耳にしたので、つい感動のあまり感嘆の声を上げたら、うっかり吐息を吹きかけてしまった。
おっと樹にウロコを擦りつけて音を立てそうになった。
ふう、危ない危ない。
おっ猪が出てきた。
遂に魔法を使うのかな、わくわく。
「ここは俺が」
剣士が前に進み出てすれ違いざまに切りつける。
お前はお呼びじゃないんだよ。
でも何となく分かる。
俺もRPGをやる時は魔法を使うのがもったいなくて、つい物理攻撃に頼ってしまう。
首に刀傷を負った猪はふらふらと数歩歩いてどうと倒れた。
男達は猪の血抜きに掛かる。
俺は見つからないように後退した。
血の臭いが辺りに満ちる。
涎が俺の口からぽたぽたと垂れた。
ドラゴンってのは食いだめが出来るから何日か喰わなくとも大丈夫なのだが。
食欲は抑えられない。
腹が半分ぐらい減っている状態で獲物を見ると涎が垂れる。
それと腹が満腹だと動きが遅くなる。
ストーキングするには都合が悪い。
腹が減れば減るほどストーキング能力は高まる。
こういう所が野生だなと我ながら思う。
男達は猪の牙と肉の一番美味い所を取り再び歩き始めた。
俺は猪の残骸の側を通る時に残骸をぺろりと丸呑み。
そして、ゲップを一つ。
「おっ」
やばい感づかれたか。
「銀貨一枚のキノコめっけ」
男はいそいそとキノコを採取。
背負い鞄に入れた。
後をこっそりつけているのだが、案外ばれないものだ。
だが、気配がしたのか最後尾の人間が急に後ろを振り向いた。
そして首を傾げ、少し考えた。
それから何か見つけたのか後ずさり、へたり込む。
やばい見つかった。
そりゃそうだよ。
いつの間にか後ろに土の小山が出来ていれば不審に思うさ。
「あわわわわ」
男が奇声を上げる。
別の人間が振り向く。
「何、腰を抜かしているんだよ」
「あれを」
男が指差した先にはもちろん土の小山に偽装した俺がいる。
俺はどうなるか息を殺して推移を見守る。
「あの小山がどうしたんだ」
「あんなのが進路にあれば気づくよな。それに、あそこ、目がある」
「うわ、敵襲!」
最後の一人が振り返り、自信満々に言い放つ。
「とっておきの魔法を見せてやる」
おー遂に魔法が見れるのだな。
俺に気づくと何にもしないで逃げる人間が多いから魔法を俺に撃ってくれる存在は貴重だ。
魔法使いの詠唱が始まる。
「ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・が・
ハニスイろコチリリろカイトカゆよレ・
ハニスイろコチリリろカイトカゆよレ・
ハニスイろコチリリろカイトカゆよレ・む」
火の玉が続けて三回俺の体に当たる。
ぽすぽすぽすっと情けない音を立てて火の玉が消えた。
当然の事、焦げ跡さえ付かない。
俺は今猛烈に感動している。
なぜかと言うと一回の詠唱で、火の玉が三回放たれたからだ。
『ハニスイろコチリリろカイトカゆよレ』が三回繰り返された事からこの部分がファイヤーボールを放つのを示しているのだろう。
俺風に翻訳すると。
void main(void)
{
fire_ball_test();
fire_ball_test();
fire_ball_test();
}
こんな感じだろう。
俺の仮説が裏付けられた。
そして、感動の余韻に浸っていると、いつの間にか人間達は居なくなっていた。
それにしても魔法にはループの概念はないのだろうか。
同じ命令が並ぶと遂プログラマーの時の癖でループにしたら行数減らないかなとか考えてしまう。
でもループにすると遅くなるんだよな。
だから処理スピードが問題な時は同じ命令でも並べた方が良いんだよな。
昔、百個同じ命令を並べたことがある。
そしてそれを百回ループ。
一万回同じ事をさせたのだ。
一万個並べたら最速なのは分かっているが、流石にそれはためらわれた。
百回コピペするのはめんどくさかったのでエディタのマクロで対処したが。
マクロというのは同じ動作を繰り返ししてくれる物だ。
百個のコピペもマクロを使えば一瞬だ。
数を数え間違うなんて事もない。
百個なら百個きっかりコピペしてくれる。
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やらなかったけどね。
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