転生ドラゴンの魔法使い~魔法はガチでプログラムだった~

喰寝丸太

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第8章 竜助けのドラゴン

第49話 ピッパ捕まる

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 なんとなく胸騒ぎがする。
 俺はピッパの所に急いだ。
 巣穴には留守で臭いは森の奥に続いていた。
 こういう時は魔法だな。
 大規模探索魔法を使用する。
 居た森の中央だ。

 森の上空を飛ぶと武装した身なりの汚い数百人の男が網を片手に森を包囲しているのが見える。
 これは急いだ方が良いかもな。
 俺はピッパが居た森の中央部に降りた。
 臭いを見つけた。
 ピッパは移動しているようだ。
 俺は男達に見つからないようするために認識阻害の魔法を掛ける。

「ウィザ。急ぐ」

 ミニアが俺に言った。

「これからは必要な事以外しゃべるなよ」
「うん。分かった」



 ピッパの痕跡は村の方向に向かっている。
 なんだかんだ言っても心細いのだろう。
 あの村にいる友達の所に行こうとしているのに違いない。
 包囲している男達をかわしながらピッパを追う。
 この森は木が低いので気をつけないと葉っぱが身体に当たる。

 やっちまった。
 木の葉がサラサラと音を立てる。
 男達の視線が見えないはずの俺に刺さる。

「おい、木の葉が変な揺れ方をした。何か居るぞ」

 何を思ったのか男の一人が俺に向かって網を投げた。
 網は頭を覆い俺の存在をばらす。

「見えない魔獣だ」
「こいつはちょうど良い捕まえろ。ドラゴンの幼竜と合わせて報奨金がたっぷり出るに違いない」

 網を急いで頭から落とそうとするがもがくほど絡まっていく。
 男達は追加で網を掛けてきた。
 いい加減にしろ。
 俺はブレスを吐いて網を燃やした。

「こいつ、火を吐くぞ」
「多少傷ができても構うものか。矢を射かけろ。魔法使いは詠唱だ」

 こいつらと戦闘しているとピッパが危なくなりそうだ。
 飛んで逃げるか。
 いや飛ぶとせっかく見つけた臭いが分からなくなってしまう。
 蹴散らそう。
 俺は電撃の魔法を次々に放つ。
 電撃は前衛を痺れさせた。
 男達の中にいる魔法使いが次々にファイヤーボールを放ち、俺の体表で掻き消える。

「何っ、電撃のブレスだと」
「くそ、魔法が効いてない。撤退だ。撤退」

 その時、弓を背中に背負った男が出てきた。
 下半身に比べて上半身の筋肉が凄い。
 上半身だけのボディビルダーのようだ。
 射手という奴だろうか。

「おや、騒がしいから来てみれば。これは、これは。見えない魔獣じゃないですか。ミラージュスネークの亜種ですかね」
「気をつけて下さい。炎と電撃のブレスを吐きます」
「ふむ」

 男は素早く瓶の付いた矢を射る。
 瓶は割れ俺に中の液体が掛かった。
 俺のシルエットが露わになる。

「ドラゴンですか。おや、塗料が消えていきますね。なぜでしょう」

 認識阻害は装備品にも掛かる。
 魔力が染みてる物に掛かっていると考えられる。
 塗料が俺の魔力に馴染んでいっているのだろう。

 男は別の矢をつがえると俺に向かって射った。
 二度も同じ手は食うか。
 尻尾で叩き落とした。
 当然地面で瓶は割れた。
 辺りに嗅いだ事のある臭いが立ち込める。
 俺はなぜか興奮状態になったが、臭いに違和感がありそれに苛立った。
 気がつくとブレスを辺り一面に放っていた。
 消し炭になる男達。
 ミニアが何か言っている。
 何だ。
 俺は無性に腹が立った。



「ウィザ。ウィザ。正気に戻って」

 ミニアの声で我にかえる。

「どのぐらい時間が経った」

 俺は文字を浮かべた。

「一時間」
「何かあの射手はどうした」
「逃げた。雌ドラゴン。逆効果。と言ってた」

 俺は雌ドラゴンだと思われたのか。
 あの臭いはウィッチとつがった時に嗅いだ臭いに似てる。
 雄ドラゴンを酔わせて意識を逸らす薬なのかも。
 それなら雌ドラゴンには効果はないよな。
 俺は怒りの状態になったのだから、まだ未完成なのかも。



 ピッパを探して森の上を飛ぶ。
 男達の影も形もない。
 嫌な予感がする。

 森の中を歩きピッパの臭いの痕跡を見つけた。
 臭いを辿ると臭いは途絶え、そこにはポーションの瓶が多数散らばっていた。
 ポーション瓶の中に僅かに残る臭いを嗅ぐ。
 これは臭い消しのポーションだ。
 俺の追跡を恐れて使用したと思われる。
 ピッパは捕まったな。
 そんな気がする。

 落ち着け。
 魔法だ。
 大規模探索魔法を使用する。
 駄目だ。
 範囲外だ。
 痕跡を追う魔法を作りたい。
 頭を捻る。
 どんな魔法だ。
 魔力だ。
 魔力の痕跡を探すのだ。
 空中に漂う魔力を領域として登録。
 中の魔力を調べる。
 行けそうな気がして来た。

 イメージを組み立てる。

char mana[1000000]; /*空気中の魔力*/
void main(int argc,char *argv[])
{
 TEL *tp; /*伝言魔法定義*/
 int i; /*カウンター*/
 tp=topen("テニツチスシ"); /*結果の送り先。この場合は俺に*/
 for(i=0;i<sizeof(mana);i++){ /*範囲を全て調べる*/
  if(mana[i]==*argv[1]){ /*空中の魔力と探し物比較*/
   tprintf(tp,"方向は%s",directconvert(i)); /*方向を伝言として送る*/
  }
 }
 tclose(tp); /*閉じる*/
}

 この魔法は対地形サーチ魔法を改造した。
 魔力を示す『mana』の魔法語は魔力の最大値をチェックする時に判明している。
 後はこれが上手く作動するかだ。

 ピッパを思い描いて魔法を行使する。
 一致するデータが送られてくる。
 成功だ。
 痕跡は全部一定方向を示している。
 これを行使しながら進むとしよう。

 痕跡は森を出て街道に向かっている。
 街道に辿り着いてからは街道の道なりに痕跡は続いていた。

 このまま行くとルカイルの街だ。
 たぶんそこだな。
 ドラゴンを騒がせずにどうやって運んだか謎は残る。
 眠り薬でも使ったのかな。
 門はどうやって突破したのだろう。
 樽にでも押し込んだか。
 まあいい、街につけば大規模探索魔法が使える。
 全てはそれからだ。
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