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第8章 竜助けのドラゴン
第50話 いたずら魔法
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時間がないのでルカイルの街だとの勘を信じて飛ぶ。
街の中央の噴水広場に降り立った。
大規模探索魔法を使用する。
やった。
居たぞ。
むっ、俺が入っていけないようなごちゃごちゃと民家が密集している所に反応がある。
これは困った。
建物を壊すのは最悪だと指名手配だ。
領主に謁見するのは時間がかかりすぎる。
ミニアに一人で行かせるのは不安が残る。
人化魔法がほしい。
切実にそう思う。
体をまるっきり別の物に書き換えるのは動物で実験したのだが。
結果は死だ。
そうだよな。
体の魔力を別の動物の物に書き換えたぐらいでは変身は出来ない。
そうだ。
隷属魔法だ。
街の小動物をテイムして、ミニアの護衛にするのはどうだ。
ミニアはテイマーなんだから不自然ではないはず。
駄目だ。
調教している時間がない。
従えたからと言ってこっちの思うとおりに動く訳はない。
小動物は知能が低い。
ドラゴンの基準で考えたらだめだ。
森に行ってウルフ辺りを調達するのは時間が惜しい。
隷属魔法を掛けるなら人間か。
駄目だな。
いかんいかん。
思考が狭くなっている。
いったん隷属魔法から離れよう。
ミニアにも相談しないとな。
「ミニア、ピッパの居所が分かったが俺は行けない」
「んっ。ザンダリル頼る」
そうか、その手があったか。
ギルドを利用すれば良いんだ。
魔物を許可なく街に持ち込むのは違法だ。
そこを上手く突く事ができれば。
「魔物を違法に街に連れ込んだ奴がいる。ブライシー騎士団に違いないとザンダリルに伝えるんだ」
「分かった」
ブライシー騎士団には恨みはないこともないので名前を利用する。
こうすれば領主も素早く動くだろう。
事実が分かったら勘違いでしたと惚ける手だな。
ミニアは子供だし、てへっで済むだろう。
俺はザンダリルを探すために大規模探索魔法を掛ける。
ザンダリルはギルドにいるようだ。
ミニアを使いに出した。
街での作戦には俺は無能だな。
ドラゴンにこんな弱点があろうとは。
ザンダリルは二時間ほどでやって来た。
「いやー。ミニアは優秀だ。俺もうかうかできないな。半信半疑だったがブライシー騎士団の根城を見つけてくるとは。手配書がある奴も何人か居た」
えっ、裏を取ったの。
そりゃそうだよな。
子供の言う事だもの。
そしたら嘘から出た真だったと。
ここで大規模な人数を動かせるのはギルドと領主を除いたら敵国ぐらいだよな。
そこには推理が至らなかった。
「ドラゴン的。才能」
ミニアはどや顔で言った。
話し合いの結果、俺の役目が決まった。
俺は飛んで行って根城を踏み潰すのだそうだ。
それが開戦の合図らしい。
なんという強攻策。
街の中で火の魔法を使われると厄介なんで、そう決まった。
俺は作戦に少し変更を加えた。
屋根に到着したら、首を突っ込んでピッパを救出。
そして踏み潰す。
そう決めた。
領主館の庭でギルドの人間と領主軍からなる作戦メンバーの紹介が行われた。
俺は関係ないんで魔法で気を紛らわせるか。
こういう時に使えそうな魔法はと。
地雷魔法は駄目だな。
味方にも被害が出る。
ストーンバレットを誘導させて百発百中の狙撃。
うーん、味方が障害物になっていたら当たるかも。
難しい。
乱戦で効果を発揮する魔法なんて、何が良いんだ。
よし、いたずらメール作戦だ。
魔法名を鑑定して敵の奴にメッセージを送り続けるんだ。
戦闘中に意味がないイメージが大量に送られたら、うっとうしいだろう。
地味な嫌がらせだが、詠唱中なんかは絶大な効果があるかもな。
魔法のイメージを組み立てる。
void main(int argc,char *argv[])
{
TEL *tp; /*伝言魔法定義*/
int i; /*カウンター*/
char dust[30]; /*ランダムなデータ いわゆるゴミデータ*/
dust[29]='\0'; /*データの終わり*/
while(1){ /*無限ループ*/
for(i=1;i<argc;i++){
tp=topen(argv[i]); /*外部入力で回線を開く相手を指定*/
tprintf(tp,"%s",dust); /*ゴミをメッセージとして送る*/
tclose(tp); /*閉じる*/
}
}
}
こんな感じでどうだ。
もちろん敵味方自動判別なんてのも出来る。
しかし、魔法が長くなるのでデバッグに時間がいる。
急には出来ないので、後の課題にとっておくとするか。
いたずらメール作戦は無敵だと思われるだろ。
だが着信拒否の魔法が存在するんだ。
もちろん、伝言魔法は便利だから普段から着信拒否にする奴は少ない。
ちなみに着信拒否の魔法はこうだ。
void main(void)
{
system("attrib +R 魔法名");
}
詠唱も『ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・ガ・
トントカイモゆふチカカスニコ・れス・「魔法名」ふよレ・む』と短い。
しかし戦闘中に詠唱するのは隙だ。
それに関係ない魔法を一つ余分に唱えさせたと考えたら絶大な効果だ。
ミニアが作戦メンバーの魔法名を全て聞く。
作戦メンバーの男がミニアに絡みだした。
「おい、子供が作戦に参加するのもだが、魔法名を全て覚えられるのか」
ドラゴンの記憶力を持ってすれば、これが容易いんだよ。
俺はミニアに試しても良いよと言ってみろよと伝言した。
「なら。試す」
「じゃあ、あいつの魔法名」
「ハニキクカイス」
「合ってる。ほんとに全部覚えたのか」
「うん。ドラゴン的。記憶力」
「ミニアちゃんを苛める奴は許さないぞ」
リタリーが男を咎めた。
リタリー達も作戦に加わるのだな。
「ちっ、女子供は隅のほうで仲良くやっているんだな」
男は捨て台詞を吐いて仲間の所に戻った。
ミニアが侮られるのはしょうがない。
その分、俺が活躍しよう。
相手はブライシー騎士団だ。
容赦はしないぞ。
街の中央の噴水広場に降り立った。
大規模探索魔法を使用する。
やった。
居たぞ。
むっ、俺が入っていけないようなごちゃごちゃと民家が密集している所に反応がある。
これは困った。
建物を壊すのは最悪だと指名手配だ。
領主に謁見するのは時間がかかりすぎる。
ミニアに一人で行かせるのは不安が残る。
人化魔法がほしい。
切実にそう思う。
体をまるっきり別の物に書き換えるのは動物で実験したのだが。
結果は死だ。
そうだよな。
体の魔力を別の動物の物に書き換えたぐらいでは変身は出来ない。
そうだ。
隷属魔法だ。
街の小動物をテイムして、ミニアの護衛にするのはどうだ。
ミニアはテイマーなんだから不自然ではないはず。
駄目だ。
調教している時間がない。
従えたからと言ってこっちの思うとおりに動く訳はない。
小動物は知能が低い。
ドラゴンの基準で考えたらだめだ。
森に行ってウルフ辺りを調達するのは時間が惜しい。
隷属魔法を掛けるなら人間か。
駄目だな。
いかんいかん。
思考が狭くなっている。
いったん隷属魔法から離れよう。
ミニアにも相談しないとな。
「ミニア、ピッパの居所が分かったが俺は行けない」
「んっ。ザンダリル頼る」
そうか、その手があったか。
ギルドを利用すれば良いんだ。
魔物を許可なく街に持ち込むのは違法だ。
そこを上手く突く事ができれば。
「魔物を違法に街に連れ込んだ奴がいる。ブライシー騎士団に違いないとザンダリルに伝えるんだ」
「分かった」
ブライシー騎士団には恨みはないこともないので名前を利用する。
こうすれば領主も素早く動くだろう。
事実が分かったら勘違いでしたと惚ける手だな。
ミニアは子供だし、てへっで済むだろう。
俺はザンダリルを探すために大規模探索魔法を掛ける。
ザンダリルはギルドにいるようだ。
ミニアを使いに出した。
街での作戦には俺は無能だな。
ドラゴンにこんな弱点があろうとは。
ザンダリルは二時間ほどでやって来た。
「いやー。ミニアは優秀だ。俺もうかうかできないな。半信半疑だったがブライシー騎士団の根城を見つけてくるとは。手配書がある奴も何人か居た」
えっ、裏を取ったの。
そりゃそうだよな。
子供の言う事だもの。
そしたら嘘から出た真だったと。
ここで大規模な人数を動かせるのはギルドと領主を除いたら敵国ぐらいだよな。
そこには推理が至らなかった。
「ドラゴン的。才能」
ミニアはどや顔で言った。
話し合いの結果、俺の役目が決まった。
俺は飛んで行って根城を踏み潰すのだそうだ。
それが開戦の合図らしい。
なんという強攻策。
街の中で火の魔法を使われると厄介なんで、そう決まった。
俺は作戦に少し変更を加えた。
屋根に到着したら、首を突っ込んでピッパを救出。
そして踏み潰す。
そう決めた。
領主館の庭でギルドの人間と領主軍からなる作戦メンバーの紹介が行われた。
俺は関係ないんで魔法で気を紛らわせるか。
こういう時に使えそうな魔法はと。
地雷魔法は駄目だな。
味方にも被害が出る。
ストーンバレットを誘導させて百発百中の狙撃。
うーん、味方が障害物になっていたら当たるかも。
難しい。
乱戦で効果を発揮する魔法なんて、何が良いんだ。
よし、いたずらメール作戦だ。
魔法名を鑑定して敵の奴にメッセージを送り続けるんだ。
戦闘中に意味がないイメージが大量に送られたら、うっとうしいだろう。
地味な嫌がらせだが、詠唱中なんかは絶大な効果があるかもな。
魔法のイメージを組み立てる。
void main(int argc,char *argv[])
{
TEL *tp; /*伝言魔法定義*/
int i; /*カウンター*/
char dust[30]; /*ランダムなデータ いわゆるゴミデータ*/
dust[29]='\0'; /*データの終わり*/
while(1){ /*無限ループ*/
for(i=1;i<argc;i++){
tp=topen(argv[i]); /*外部入力で回線を開く相手を指定*/
tprintf(tp,"%s",dust); /*ゴミをメッセージとして送る*/
tclose(tp); /*閉じる*/
}
}
}
こんな感じでどうだ。
もちろん敵味方自動判別なんてのも出来る。
しかし、魔法が長くなるのでデバッグに時間がいる。
急には出来ないので、後の課題にとっておくとするか。
いたずらメール作戦は無敵だと思われるだろ。
だが着信拒否の魔法が存在するんだ。
もちろん、伝言魔法は便利だから普段から着信拒否にする奴は少ない。
ちなみに着信拒否の魔法はこうだ。
void main(void)
{
system("attrib +R 魔法名");
}
詠唱も『ヒラニシ・モチニミゆヒラニシよ・ガ・
トントカイモゆふチカカスニコ・れス・「魔法名」ふよレ・む』と短い。
しかし戦闘中に詠唱するのは隙だ。
それに関係ない魔法を一つ余分に唱えさせたと考えたら絶大な効果だ。
ミニアが作戦メンバーの魔法名を全て聞く。
作戦メンバーの男がミニアに絡みだした。
「おい、子供が作戦に参加するのもだが、魔法名を全て覚えられるのか」
ドラゴンの記憶力を持ってすれば、これが容易いんだよ。
俺はミニアに試しても良いよと言ってみろよと伝言した。
「なら。試す」
「じゃあ、あいつの魔法名」
「ハニキクカイス」
「合ってる。ほんとに全部覚えたのか」
「うん。ドラゴン的。記憶力」
「ミニアちゃんを苛める奴は許さないぞ」
リタリーが男を咎めた。
リタリー達も作戦に加わるのだな。
「ちっ、女子供は隅のほうで仲良くやっているんだな」
男は捨て台詞を吐いて仲間の所に戻った。
ミニアが侮られるのはしょうがない。
その分、俺が活躍しよう。
相手はブライシー騎士団だ。
容赦はしないぞ。
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