転生ドラゴンの魔法使い～魔法はガチでプログラムだった～

第８章 竜助けのドラゴン

第５１話 アジト襲撃

　ブライシー騎士団との戦闘はアジトがある民家の上に、俺が降りた事で始まった。
　俺は首を家の中に突っ込みピッパを探す。

「ぎゃぎゃお（敵殺す）」

　ピッパは特に鎖に繋がれたり檻には入れられず藁のベットに座っていた。
　俺を見つけたら嬉しがるどころかブレスを吐いてきた。
　こいつぶれないな。
　さらわれても闘争心を失わないとは。
　俺はピッパの翼を口で咥え民家から引きずり出した。
　重力軽減の竜言語魔法が切ると民家は押しつぶされる。
　バリバリと凄い音だ。
　雷が鳴っているかのようだ。

　民家の倒壊に巻き込まれなかったブライシー騎士団の一党が道に出てきた。
　さあ、いやがらせ魔法の発動だ。
　反応は様々だ。
　顔をしかめる者、無反応な者、魔法を発動し着信拒否にしようとする者など色々だ。
　だが隙にはなったみたいで作戦メンバーの方が今のところ優勢に戦いを進めていた。

　ピッパが作戦メンバーを狙ってブレスを吐き始めた。
　うん、誰かまわずブレスを吐くなら分かる。
　作戦メンバーだけを狙うなんて。
　ピッパのやつ洗脳されたな。

　戦いの均衡を崩してはいけない。
　嫌がらせ魔法を停止。
　俺はストーンウォールで豆腐ハウスを作り中にピッパを入れた。
　空気穴を開けブレスで溶接して頑丈にする。
　ピッパは盛んにブレスを吐いていたが、突然石の壁がボロボロと崩れた。
　胃酸のブレスか。
　俺が教えたんだった。
　うっかりだ。
　そうだ、竜殺しだ。
　ガンクステンの壁を作る。
　今度は大丈夫みたいだ。
　壁を引っかく音が聞こえるがそれだけだ。
　ミニアを探すとショートソードを使って無双していた。
　筋力強化魔法に時間を稼ぐ『time_wait(3600*100);』を入れたら一時間強化が掛かりっぱなしになった。
　こんなので良いのかと思ったができたので仕方ない。
　ミニアは自分で筋力強化を掛けているのだろう。
　魔法は同時に一つしか使えないが、状況により切り替えれば良い。

　戦場を見回すとあの射手がいない。
　強敵だと思ったんだがな。
　民家の倒壊に巻き込まれたか。

　俺の出番はもうないな。
　嫌がらせ魔法を本格的にいじるか。
　こんな感じでどうだろう。

int friendck(char *member,char *friend)
{
　while(*menber!='\0 && *friend!='\0'){
　　if(*menber != *friend){　/*全員の一人と味方の魔法名を比較*/
　　　return(1);　/*味方ではない*/
　　}
　　menber++;
　　friend++;
　}
　return(0);　/*味方と一致*/
}
void main(void)
{
　TEL *tp;　/*伝言魔法定義*/
　char s[256];
　char friend[3][64]={"味方１","味方２","味方３"};　/*味方のリスト*/
　char member[10][64];　/*ここにいる全員のリスト*/

　int i,j,friendflag;　/*カウンター二つと仲間かどうかのフラグ*/
　char dust[30];　/*ランダムなデータ　いわゆるゴミデータ*/
　dust[29]='\0';　/*データの終わり*/

　system("dir > temp");　/*この場にいる人間をリストアップ*/
　for(i=0;i<10;i++){
　　member[i][0]='\0';　/*メンバーを初期化*/
　}

　tp=topen("temp");　/*リストを開く*/

　i=0;
　while(tgets(s,256,tp)!= NULL ){　/*リストのデータ読み込みが尽きるまで繰り返す*/
　　j=0;
　　while(s[j]!='\0'){
　　　member[i][j]=s[j];　/*メンバーにリストのデータを入れる*/
　　　j++;
　　}
　　i++;
　}
　tclose(tp);　/*リストを閉じる*/

　while(1){　/*無限ループ*/
　　for(i=0;i<10;i++){　/*メンバーの数だけ繰り返し*/
　　　j=0;
　　　friendflag=1;　/*味方かどうかの判定　最初は敵*/
　　　for(j=0;j<3;j++){　/*味方の数だけ繰り返す*/
　　　　if(friendck(member[i],friend[j])==0){　/*味方かどうかのチェック*/
　　　　　friendflag=0;　/*味方だった*/
　　　　}
　　　}
　　　if(friendflag==1){　/*敵なら*/
　　　　tp=topen(member[i]);　/*外部入力で回線を開く相手を指定*/
　　　　tprintf(tp,"%s",dust);　/*ゴミをメッセージとして送る*/
　　　　tclose(tp);　/*閉じる*/
　　　}
　　}
　}
}

　大分長くなったがこれなら敵味方を自動判別する。
　バグがありそうなんで今回は使わないが、とりあえず作ってみた。

　戦いは終わり、ブライシー騎士団は戦死するか捕虜になった。

　ミニアは現在、反省会みたいなものに出ている。
　そこで出た情報が伝言魔法で頻繁に送られて来た。
　ブライシー騎士団がなぜ嫌われているのかが分かった。
　今回捕まったメンバーは全員が元盗賊や犯罪者だ。
　隷属魔法が使われていて裏切る事が出来なくなっていると判明。
　いわゆる懲罰部隊って奴らしい。
　そりゃ紋章もネズミになるよな。

　ピッパを捕まえた奴もこいつらだ。
　ただ飴と鞭はあるようで、作戦を成功させると報奨金がでるらしい。
　命がけで作戦を成功して帰ると本国で酒池肉林をする。
　なんと言うか犯罪者を上手く使っている。

　捕まった者は情報などろくに持ってなかったので次の日死刑になった。
　敵国は犯罪者が減って喜んでいるんだろうな。
　なんとなく納得がいかない。
　幹部なら犯罪者ではないだろう。
　ミニアの村を襲う事を許可した幹部には責任を取ってもらおうか。
　ピッパの洗脳も解いてやらないとな。