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第11章 貴族のドラゴン
第68話 旅立ち
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「えー、ミニアちゃん留学するの。それも最先端と言われている魔法都市に」
「お土産に酒を頼む」
豆腐ハウスの前でリタリーとグバートに説明をした。
反応は二人共違う。
リタリーには羨望の眼差しがあって、グバートは近所の子供が進学したのを喜ぶ感じだ。
「世話になった。五年は帰ってこない」
「決めた。私、ミニアちゃんについて行くわ」
「好きにすればいい」
「しょうがねぇな。俺も付き合ってやるよ」
グバートの奴、リタリーに惚れているな。
「さっそく、準備しないと」
リタリーが駆け出して、それを追う様にグバートも去って行った。
次に現れたのはタルコットだった。
「ひどいですな。四日で一万もの魔道具が作れるのなら、もっと卸して下さっても良いじゃないですか」
「今回は。特別だった」
「一体どんな手を使ったのですか」
「ドラゴン的。力技」
「ふむ、よそで作ってドラゴンで運んだと」
勘違いしているな。
徹夜で仕事したんだって。
ミニアは素直に力技って言ってるのに大人って裏を読もうとする。
タルコットが深読みしすぎて自滅しなきゃいいけど。
「魔法都市。留学する」
「なんですと。何年、何年です?」
「少なくても。五年」
「このタルコットついて行きますぞ」
何が楽しくてミニアについて回るのかね。
魔道具の商売は美味しいけどさ。
ロリコンってことはないよな。
奥さんと成人間際の息子がいるようだし。
まさかミニアの剣に気がついてリトワースの御用商人を狙っているんじゃないだろうな。
まあいいか。
ミニアが建国する時に側にいたらミニアに雇う事を進言しよう。
「好きにする」
タルコットが足早に去って行ったのでミニアに食料を調達するように言った。
この場に現れなかったザンダリルだが、先日、辺境都市に旅立ち済みだ。
俺はピッパと近所の森で久しぶりのハンティングに行く。
獲物を探すと森の中央付近に3メートルの猪魔獣が暢気に昼寝している。
「ピッパ、やれ」
俺はドラゴン語で命令した。
「任せて」
ピッパは急降下。
上空からブレスを浴びせると空へまた舞い上がった。
猪魔獣は突然の攻撃に驚いて跳ね起きると咆哮を上げる。
ブレスは皮と脂肪に阻まれたみたいだ。
再びピッパは急降下。
上空からブレスを浴びせると猪魔獣が石弾を吐いた。
ピッパはひらりと避け攻撃の態勢に戻る。
同じ様な攻撃を繰り返す事、十数回。
遂に猪魔獣をピッパが仕留めた。
まじまじとピッパを見る。
こいつでかくなっているな。
1メートルは越えたと思う。
最初が50センチだったから、約二倍だ。
パワーレベリングしすぎたか。
たらふく食った後でピッパとドラゴン語で語らう事にした。
「お前はこれから先どうしたい」
「おいら、縄張りがほしい。金貨ほしい」
隷属しても本能はあるんだな。
連れ回して悪い事したな。
さっきの戦いを見るによっぽどの強敵がこない限り独り立ちしても問題ないだろう。
「よし、最初に居た森に帰れ。あそこなら他のドラゴンも居ないだろう」
「はい、ボス」
「長い時間飛ぶ時は途中で休むんだぞ。今までは疲れたら俺に掴まっていたけど、今後は計画性を持て」
「計画性は分からない」
「まあいいや。とにかく行動する前に考えるんだ」
「へい、ボス」
分かったんだか、分からなかったんだか。
竜言語魔法の隷属は本来なら縄張りなどが近接した時に同族殺しになる前に止める意味があるんだろう。
力関係を示して争いを解決する。
そんな意味合いだと思う。
でなければ闘争心が強いドラゴンが止まる訳がない。
連れ回すのは本能に逆らっているのだな。
「餞別だ」
俺は金貨が入った皮の小袋をアイテムボックスから出してあげた。
「よし、行け。旅立ちだ」
ピッパは小袋を掴むと躊躇なく元居た場所を目指して飛び立った。
この事をミニアに説明するのに骨が折れるな。
豆腐ハウスの前に帰るとミニアは既に帰ってきていた。
「あれっ。ピッパは」
「ピッパなら森へ帰った」
俺は文字を出した。
「そう。何時までも。子供では。居られないのね」
少し悲しそうなミニア。
なんとなく今回の事態を予感していたのかな。
ミニアが言うと意味深だな。
まさか好きな男ができたんじゃないだろうな。
そんな訳ないか。
「ドラゴンは一人で生きる。それが本能だ」
「ドラゴンは。悲しい生き物」
「そうかもな」
翌朝、旅立ちのためにミニアを含め五人の人間が集まった。
鞍は四人乗りなんだけど。
「ピッパはどこに行ったの」
「森に帰った」
「嘘でしょ。ミニアちゃん。私にあんなに懐いていたのに。断わりもなく森に帰るなんて」
「ドラゴンは。無情」
「人間の都合などお構いなしよね」
「そう」
「おい、おっさん。メイドは要らんだろ」
グバートがそう吐き捨てる様に言った。
「何をおっしゃいますか。ミニア様の身の回りをお世話するのです」
「なら仕方ないわね。グバート、残りなさいよ。あなた魔法都市ですることないでしょ」
グバートの奴、完全に尻に敷かれている。
「リタリー、そりゃないぜ。いや、俺は鞍なしで乗る。前に命綱だけで乗ったから、できるはずだ」
惚れた弱みって奴は傍から見ると理解できないな。
宰相の件はどうなったかだって。
へたに突くと藪蛇になりそうなんだよな。
猶予は五年あるから、とりあえず放置する事にした。
一名を除き全員が鞍にのり準備が整う。
翼をゆっくり広げて、朝日を見送りに旅立った。
「お土産に酒を頼む」
豆腐ハウスの前でリタリーとグバートに説明をした。
反応は二人共違う。
リタリーには羨望の眼差しがあって、グバートは近所の子供が進学したのを喜ぶ感じだ。
「世話になった。五年は帰ってこない」
「決めた。私、ミニアちゃんについて行くわ」
「好きにすればいい」
「しょうがねぇな。俺も付き合ってやるよ」
グバートの奴、リタリーに惚れているな。
「さっそく、準備しないと」
リタリーが駆け出して、それを追う様にグバートも去って行った。
次に現れたのはタルコットだった。
「ひどいですな。四日で一万もの魔道具が作れるのなら、もっと卸して下さっても良いじゃないですか」
「今回は。特別だった」
「一体どんな手を使ったのですか」
「ドラゴン的。力技」
「ふむ、よそで作ってドラゴンで運んだと」
勘違いしているな。
徹夜で仕事したんだって。
ミニアは素直に力技って言ってるのに大人って裏を読もうとする。
タルコットが深読みしすぎて自滅しなきゃいいけど。
「魔法都市。留学する」
「なんですと。何年、何年です?」
「少なくても。五年」
「このタルコットついて行きますぞ」
何が楽しくてミニアについて回るのかね。
魔道具の商売は美味しいけどさ。
ロリコンってことはないよな。
奥さんと成人間際の息子がいるようだし。
まさかミニアの剣に気がついてリトワースの御用商人を狙っているんじゃないだろうな。
まあいいか。
ミニアが建国する時に側にいたらミニアに雇う事を進言しよう。
「好きにする」
タルコットが足早に去って行ったのでミニアに食料を調達するように言った。
この場に現れなかったザンダリルだが、先日、辺境都市に旅立ち済みだ。
俺はピッパと近所の森で久しぶりのハンティングに行く。
獲物を探すと森の中央付近に3メートルの猪魔獣が暢気に昼寝している。
「ピッパ、やれ」
俺はドラゴン語で命令した。
「任せて」
ピッパは急降下。
上空からブレスを浴びせると空へまた舞い上がった。
猪魔獣は突然の攻撃に驚いて跳ね起きると咆哮を上げる。
ブレスは皮と脂肪に阻まれたみたいだ。
再びピッパは急降下。
上空からブレスを浴びせると猪魔獣が石弾を吐いた。
ピッパはひらりと避け攻撃の態勢に戻る。
同じ様な攻撃を繰り返す事、十数回。
遂に猪魔獣をピッパが仕留めた。
まじまじとピッパを見る。
こいつでかくなっているな。
1メートルは越えたと思う。
最初が50センチだったから、約二倍だ。
パワーレベリングしすぎたか。
たらふく食った後でピッパとドラゴン語で語らう事にした。
「お前はこれから先どうしたい」
「おいら、縄張りがほしい。金貨ほしい」
隷属しても本能はあるんだな。
連れ回して悪い事したな。
さっきの戦いを見るによっぽどの強敵がこない限り独り立ちしても問題ないだろう。
「よし、最初に居た森に帰れ。あそこなら他のドラゴンも居ないだろう」
「はい、ボス」
「長い時間飛ぶ時は途中で休むんだぞ。今までは疲れたら俺に掴まっていたけど、今後は計画性を持て」
「計画性は分からない」
「まあいいや。とにかく行動する前に考えるんだ」
「へい、ボス」
分かったんだか、分からなかったんだか。
竜言語魔法の隷属は本来なら縄張りなどが近接した時に同族殺しになる前に止める意味があるんだろう。
力関係を示して争いを解決する。
そんな意味合いだと思う。
でなければ闘争心が強いドラゴンが止まる訳がない。
連れ回すのは本能に逆らっているのだな。
「餞別だ」
俺は金貨が入った皮の小袋をアイテムボックスから出してあげた。
「よし、行け。旅立ちだ」
ピッパは小袋を掴むと躊躇なく元居た場所を目指して飛び立った。
この事をミニアに説明するのに骨が折れるな。
豆腐ハウスの前に帰るとミニアは既に帰ってきていた。
「あれっ。ピッパは」
「ピッパなら森へ帰った」
俺は文字を出した。
「そう。何時までも。子供では。居られないのね」
少し悲しそうなミニア。
なんとなく今回の事態を予感していたのかな。
ミニアが言うと意味深だな。
まさか好きな男ができたんじゃないだろうな。
そんな訳ないか。
「ドラゴンは一人で生きる。それが本能だ」
「ドラゴンは。悲しい生き物」
「そうかもな」
翌朝、旅立ちのためにミニアを含め五人の人間が集まった。
鞍は四人乗りなんだけど。
「ピッパはどこに行ったの」
「森に帰った」
「嘘でしょ。ミニアちゃん。私にあんなに懐いていたのに。断わりもなく森に帰るなんて」
「ドラゴンは。無情」
「人間の都合などお構いなしよね」
「そう」
「おい、おっさん。メイドは要らんだろ」
グバートがそう吐き捨てる様に言った。
「何をおっしゃいますか。ミニア様の身の回りをお世話するのです」
「なら仕方ないわね。グバート、残りなさいよ。あなた魔法都市ですることないでしょ」
グバートの奴、完全に尻に敷かれている。
「リタリー、そりゃないぜ。いや、俺は鞍なしで乗る。前に命綱だけで乗ったから、できるはずだ」
惚れた弱みって奴は傍から見ると理解できないな。
宰相の件はどうなったかだって。
へたに突くと藪蛇になりそうなんだよな。
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