83 / 164
第14章 生徒のドラゴン2
第83話 悩みと新たな学問
しおりを挟む
魔法古代史の授業にミニアは出ている。
感覚共有したティもとうぜん一緒だ。
授業が終わったらミニアに講師を捕まえるように言った。
古代王国の滅亡の理由に興味があったからだ。
「ちょっと知りたい」
そう言ってミニアは講師を捕まえた。
「なんだね。講義についての質問なら、時間内にしたまえ」
「古代王国の読めない魔法語は、私なら読める」
「主席入学だから何でも出来ると」
「問題ない資料を見せて」
「よろしい。写しなら丁度良いのがある」
講師の後をについて教員室に入った。
引き出しから紙を出してきてミニアに手渡す。
どれどれ。
それには『モナイニトンラナミラ・クニモニカトナテラ・トクニカトナカイニスナ・ンチカトナクチ・モニミミチ・ノラスラトチスイカチ』とある。
翻訳すると『無詠唱の秘密を知る奴は皆、殺された』だ。
何が起こったんだ。
無詠唱という事はコンパイルのことだよな。
皆、殺されたのか。
通りでこの時代にその知識が伝えられて居ないはずだ。
「何か分かったか」
「愚痴が書いてあった」
「ふん、いいかげんな事を。期待した俺が愚かだったな。もう行っていいぞ」
この感じでは再び資料を見せてもらえる事はないだろう。
正直に無詠唱の話をすると、どんな事態を引き起こすのかも分からない。
ミニアに頼んで誤魔化してもらったが正解だったかもな。
近接魔法学の授業を受けたので、今、ミニア達はシャワールームに居て魔法で体を洗っている。
ティはベンチで一人留守番だ。
おっ、ライナルドが近づいて来る。
ティに何かしたら、許さないぞ。
その時は一っ飛びして、ブレスで丸焼きだ。
ライナルドは何もせずどかっとスライムの隣に腰を下ろした。
「はぁ、何で上手く行かないんだ。スライムよ、聞いてくれ」
悩みか。
おじさんが聞いてやろう。
「俺は貴族の三男で兄貴といつも比較されてきた。剣では一番上の兄貴に勝てず。勉強では二番目の兄貴に勝てない。俺は二番の星の下に生まれてきたんだ」
それで、魔法学園でトップをとろうと言うのか。
俺を越えるのは無理じゃないかな。
剣もミニアに勝てないだろう。
「何か一つで良いんだ。突出した物がほしい。一番がほしいんだ」
頑張るんだな。
何か向いている事が見つかるさ。
「俺って駄目なのかな。一生負け犬なのか」
俺はティにお茶の香りを漂わせるように伝言魔法で指示した。
最近、ティと開発した技で、体内にあるお茶の成分を少し排出する事で香りを出す。
「良い匂いだ。リラックスできる。愚痴を聞いてくれて、ありがとう」
ライナルドはそういうと去って行った。
これからミニアはタルコットに会いに行く予定になっている。
監視せねば。
いつも通りにティが肩に乗って、ミニアは魔法都市の大通りを歩く。
タルコットは大通りの一角に二坪ぐらいの店舗を構えていた。
ちっちゃいが、商売相手は商人だから問題ないらしい。
俺なんかは侮られるんじゃないかと思うんだが、そうでもないらしい。
「こんにちは」
「これは、これは、ミニア様。今日はどのような御用で」
「新商品もってきた」
まずはお休みタイマー付き送風機をミニアが見せる。
「これは良いですな。ただ、タイマーと風量の機能が別だと、もっと嬉しいのですが」
「ドラゴン的な努力で、なんとかする」
「そうですか。お次は火の魔道具ですか」
三段階の火力調整付きのコンロ魔道具を見せる。
「どう」
「火力の段階はもっとあった方がいいですな」
駄目か。
スライドスイッチがないと火力の調整は難しい。
要検討だな。
最後にカウンターの魔道具を見せる。
「ふむ、ふむ、シンプルなのが良いですな。先ほどの魔道具はCランク魔石でしたが、これはFランク。子供の小遣いでも買えます。用途は限られますが、なかなかいいのでは。反物の在庫を数えるのにうってつけです」
倉庫の中を行ったり来たりしながら数を調べるのに使うのか。
元紡績商人らしい言葉だな。
送風機はスイッチが沢山か。
これはなんとかなりそうだな。
コンロはスライドスイッチか。
これは魔法をもっと沢山集めないと解決しない。
「約束の魔道具、三千個」
「ありがとうございます。魔法電卓みたいなヒット商品が生まれれば良いのですが、やはり難しいのでしょうな」
「ドラゴン的な頑張りに期待」
「商品開発も良いですが。どうですかな。ここは一つ、大々的に事を起こしては」
さりげなく物騒な事をミニアに吹き込むなよ。
「わかった。今までない学問を起こす」
「して、方策は」
「もちろんある。名付けて魔法翻訳学」
そう言うとミニアは紙に書き始めた。
返答期待しない 主よ(注文うけない)
{
火、玉、試験();
}
ふむふむ、下のC言語を言語化したのか。
void main(void)
{
fire_ball_test();
}
『main』が『主よ』になっている所が笑わせる。
まるで祝詞じゃないか。
でも、中々面白い。
こうすれば、とっつきが良くなるかもな。
宗教問題も祝詞の現代語訳って事で異端とはぎりぎり言われないだろう。
これをミニアが学問にするのか。
ミニアにはエディタで散々Cのプログラムを見せて解説しているからな。
俺も協力してやれるし、いいんじゃないか。
「ファイヤーボールの呪文を翻訳したのですね」
「渾身の出来」
「学問を広める時は言って下さい。きっとお力になれるでしょう」
教授になる算段もついたし、まずは講師だな。
感覚共有したティもとうぜん一緒だ。
授業が終わったらミニアに講師を捕まえるように言った。
古代王国の滅亡の理由に興味があったからだ。
「ちょっと知りたい」
そう言ってミニアは講師を捕まえた。
「なんだね。講義についての質問なら、時間内にしたまえ」
「古代王国の読めない魔法語は、私なら読める」
「主席入学だから何でも出来ると」
「問題ない資料を見せて」
「よろしい。写しなら丁度良いのがある」
講師の後をについて教員室に入った。
引き出しから紙を出してきてミニアに手渡す。
どれどれ。
それには『モナイニトンラナミラ・クニモニカトナテラ・トクニカトナカイニスナ・ンチカトナクチ・モニミミチ・ノラスラトチスイカチ』とある。
翻訳すると『無詠唱の秘密を知る奴は皆、殺された』だ。
何が起こったんだ。
無詠唱という事はコンパイルのことだよな。
皆、殺されたのか。
通りでこの時代にその知識が伝えられて居ないはずだ。
「何か分かったか」
「愚痴が書いてあった」
「ふん、いいかげんな事を。期待した俺が愚かだったな。もう行っていいぞ」
この感じでは再び資料を見せてもらえる事はないだろう。
正直に無詠唱の話をすると、どんな事態を引き起こすのかも分からない。
ミニアに頼んで誤魔化してもらったが正解だったかもな。
近接魔法学の授業を受けたので、今、ミニア達はシャワールームに居て魔法で体を洗っている。
ティはベンチで一人留守番だ。
おっ、ライナルドが近づいて来る。
ティに何かしたら、許さないぞ。
その時は一っ飛びして、ブレスで丸焼きだ。
ライナルドは何もせずどかっとスライムの隣に腰を下ろした。
「はぁ、何で上手く行かないんだ。スライムよ、聞いてくれ」
悩みか。
おじさんが聞いてやろう。
「俺は貴族の三男で兄貴といつも比較されてきた。剣では一番上の兄貴に勝てず。勉強では二番目の兄貴に勝てない。俺は二番の星の下に生まれてきたんだ」
それで、魔法学園でトップをとろうと言うのか。
俺を越えるのは無理じゃないかな。
剣もミニアに勝てないだろう。
「何か一つで良いんだ。突出した物がほしい。一番がほしいんだ」
頑張るんだな。
何か向いている事が見つかるさ。
「俺って駄目なのかな。一生負け犬なのか」
俺はティにお茶の香りを漂わせるように伝言魔法で指示した。
最近、ティと開発した技で、体内にあるお茶の成分を少し排出する事で香りを出す。
「良い匂いだ。リラックスできる。愚痴を聞いてくれて、ありがとう」
ライナルドはそういうと去って行った。
これからミニアはタルコットに会いに行く予定になっている。
監視せねば。
いつも通りにティが肩に乗って、ミニアは魔法都市の大通りを歩く。
タルコットは大通りの一角に二坪ぐらいの店舗を構えていた。
ちっちゃいが、商売相手は商人だから問題ないらしい。
俺なんかは侮られるんじゃないかと思うんだが、そうでもないらしい。
「こんにちは」
「これは、これは、ミニア様。今日はどのような御用で」
「新商品もってきた」
まずはお休みタイマー付き送風機をミニアが見せる。
「これは良いですな。ただ、タイマーと風量の機能が別だと、もっと嬉しいのですが」
「ドラゴン的な努力で、なんとかする」
「そうですか。お次は火の魔道具ですか」
三段階の火力調整付きのコンロ魔道具を見せる。
「どう」
「火力の段階はもっとあった方がいいですな」
駄目か。
スライドスイッチがないと火力の調整は難しい。
要検討だな。
最後にカウンターの魔道具を見せる。
「ふむ、ふむ、シンプルなのが良いですな。先ほどの魔道具はCランク魔石でしたが、これはFランク。子供の小遣いでも買えます。用途は限られますが、なかなかいいのでは。反物の在庫を数えるのにうってつけです」
倉庫の中を行ったり来たりしながら数を調べるのに使うのか。
元紡績商人らしい言葉だな。
送風機はスイッチが沢山か。
これはなんとかなりそうだな。
コンロはスライドスイッチか。
これは魔法をもっと沢山集めないと解決しない。
「約束の魔道具、三千個」
「ありがとうございます。魔法電卓みたいなヒット商品が生まれれば良いのですが、やはり難しいのでしょうな」
「ドラゴン的な頑張りに期待」
「商品開発も良いですが。どうですかな。ここは一つ、大々的に事を起こしては」
さりげなく物騒な事をミニアに吹き込むなよ。
「わかった。今までない学問を起こす」
「して、方策は」
「もちろんある。名付けて魔法翻訳学」
そう言うとミニアは紙に書き始めた。
返答期待しない 主よ(注文うけない)
{
火、玉、試験();
}
ふむふむ、下のC言語を言語化したのか。
void main(void)
{
fire_ball_test();
}
『main』が『主よ』になっている所が笑わせる。
まるで祝詞じゃないか。
でも、中々面白い。
こうすれば、とっつきが良くなるかもな。
宗教問題も祝詞の現代語訳って事で異端とはぎりぎり言われないだろう。
これをミニアが学問にするのか。
ミニアにはエディタで散々Cのプログラムを見せて解説しているからな。
俺も協力してやれるし、いいんじゃないか。
「ファイヤーボールの呪文を翻訳したのですね」
「渾身の出来」
「学問を広める時は言って下さい。きっとお力になれるでしょう」
教授になる算段もついたし、まずは講師だな。
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
26番目の王子に転生しました。今生こそは健康に大地を駆け回れる身体に成りたいです。
克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー。男はずっと我慢の人生を歩んできた。先天的なファロー四徴症という心疾患によって、物心つく前に大手術をしなければいけなかった。手術は成功したものの、術後の遺残症や続発症により厳しい運動制限や生活習慣制限を課せられる人生だった。激しい運動どころか、体育の授業すら見学するしかなかった。大好きな犬や猫を飼いたくても、「人獣共通感染症」や怪我が怖くてペットが飼えなかった。その分勉強に打ち込み、色々な資格を散り、知識も蓄えることはできた。それでも、自分が本当に欲しいものは全て諦めなければいいけない人生だった。だが、気が付けば異世界に転生していた。代償のような異世界の人生を思いっきり楽しもうと考えながら7年の月日が過ぎて……
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
無限の転生~今世でついに人間卒業!? こんな人生こりごりだとは言ったけど、人間辞めたいとは言ってない~
ねむ鯛
ファンタジー
気づいたら人間を辞めていた。
繰り返す転生。訪れない平穏。終わりのない闘争。
そんな人生はこりごりだと言った少女は、なんか気づいたら鳥になっていた。
……鳥だから人生じゃない? 望み通り? 違う、そうじゃない。
「巨大な魔物がひしめくこんな厳しい大自然で、才能のない私が果たして生き残れるのでしょうか……?」
才がないと自認する少女は、事実としてこれまでの転生で幾度となく敗北を味わっていた。
しかし転生を重ねるたびに着実に強くなっていたようで……?
「まあ、私の能力を使えばなんとかなるでしょう。……あれ? 使えなくなってる……」
「転生なんてこりごりですが、……投げ出して、後悔だけはしたくないから……!!」
これはチート封印、慣れない鳥の姿、弟妹達のじゃれつき、大自然の脅威などなんやかんやに襲われて。
もう転生なんてしたくないと涙目になりつつ、修行し直したり、能力を取り戻したりしながら、今世は絶対幸せに過ごすために頑張って、世界最強への道を駆け上がっていく女の子のお話。
あと出会う人の脳を焼いたりもするよ。
※見切り発車、不定期更新です。ガールズラブは保険。
たくさん転生してきた女の子のお話です。人外転生、のち人化要素があります。
題名変えました。
(旧旧旧旧題:永劫無尽の魂源輪廻《ウロボロス》)
(旧旧旧題:無限の転生~人外少女は異世界の空を飛ぶ(略)~)
(旧旧題:無才少女~今世は人外です~(略))
(旧題【悲報】無限に転生してきた私、遂に人類をやめる【タスケテ】)
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる