転生ドラゴンの魔法使い~魔法はガチでプログラムだった~

喰寝丸太

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第25章 鎮圧のドラゴン

第149話 魔法建築

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 ぶっ壊した王城をなんとかしてくれとアラスタに言われた。
 まあ、王城が残骸だと締まらないからな。

 さて、どうしよう。

 石の板を作る魔法はこんなだ。

void main(void)
{
 MAGIC *mp; /*魔法定義*/
 mp=stone_wall_make(1000); /*3メートルの石の板を作る*/
}

 いや、これでも良いのだが、もう一工夫はどうだろうか。
 

void main(void)
{
 int i;
 MAGIC *mp; /*魔法定義*/
 for(i=0;i<6+i++){ /*石の板を六枚作る*/
  mp=stone_wall_make(1000); /*3メートルの石の板を作る*/
 }
}

 これだと六枚の石の板を作っただけだ。
 位置は思念で自由に出来るけど、欲しいのは石の箱の立方体。
 つなぎ目を溶接した形で出したい。

 こんなのでどうだ。

void main(void)
{
 int i;
 MAGIC *mp[6]; /*魔法定義*/
 for(i=0;i<6+i++){ /*石の板を六枚作る*/
  mp[i]=stone_wall_make(1000); /*3メートルの石の板を作る*/
 }
 for(i=1;i<6;i++){
  magic_join(m[0],m[i]);
 }
}

 くっつける魔法語『モチキニソろマラニミ』は儀式魔法で使われる。
 イメージでは『magic_join』と翻訳した。

 これで箱が完成だ。
 後はこれをいくつも作り積み重ねる。
 そして出入口の穴を開ければ良い。

 穴を開けるのは消去魔法が使えるから、問題ないだろう。
 魔力量が問題だが、魔道具を作って俺が充填すれば良い。

 まるでブロックを積み重ねる玩具みたいな城が出来上がった。

「二週間で城が出来上がるとは壮観だ」

 ドラゴンの本体の所に来てアラスタがそう言った。

「魔法を使えばちょろいよ」

 俺は魔法で言葉を発した。

「この石の箱を使えば住居問題が解決しないか」
「するな。瞬く間に家が建つ」
「石の箱を作る魔道具を作れよ」
「いっちょ、やりますか」

 石の箱で見た目は豆腐ハウスが出来上がる。
 住人はいろいろ工夫しているみたいだ。
 屋根をつけたり、ベランダを作ったり、壁に色を塗ったり。
 普通そうするよな。

「消去魔法の小指ほどの奴を作ってくれ」

 アラスタが要望を上げてきた。

「細かい作業がしたいんだな。分かったよ」

 城下町が瞬く間に出来上がる。
 俺はしばらく魔力の充填係として王城の前に居座った。

 住人はホムンの事を魔力のおじさんと呼び始めた。
 俺の魔力では一日80個の石の箱が出せる。
 大体3部屋の家が多いから、一日29の家屋が完成する計算だ。

 俺は出来上がった街をゴーレムで歩いてみた。

「魔力のおじさん。魔力ちょうだい」

 女の子が寄って来た。

「今は非番なんだ。ドラゴンのそばに居る時に来てくれ」
「ちぇ、けち」
「ところで石の家の住み心地はどうだ」
「ばあちゃんが、冷えるって」

 そうなんだよな。
 コンクリートの家に住んでいた奴が、夏は暑くて冬は冷えると言っていたな。
 木の床を敷けば少しはましになるかも知れないな。
 魔法で解決できるよな。

void main(void)
{
 MAGIC *mp; /*魔法の定義*/
 mp=obj_make(1000,IMAGEWALL,WOOD); /*木の板を生成*/
}

 イメージは出来た。
 こりゃ、しばらくは木材製造マシーンをやらないといけないな。

「他には何かあるか」
「湿気がこもるって」

 そりゃ木の家とは違うよな。
 もしかして石の箱でなくて木の箱を出せば問題なかったのか。
 ドラゴンはジメジメしたところでも割と平気というか快適だから、気が回らなかった。
 木の箱の魔法は簡単に出来る。
 俺はしばらく木の箱製造マシーンになった。

 住人は木の箱派と石の箱派で議論を戦わせているようだ。
 木の家は火事になりやすいという主張だが、根拠はないだろう。
 家具が木でできている時点で今更だ。
 好きにしてくれと言いたい。

 そして、俺は王城の脇にどでかい豆腐ハウスをこしらえた。
 もちろん石のだ。

 石派住人は活気づいたが、ミニアが王城の中に作った木の箱に住み始めると、また議論は活発化した。
 個人的には鉄骨と木を組み合わせたのが、最強なんじゃないかと思う。
 魔法を作ってと言われそうだ。
 作れるか作れないかと言ったら作れるよ。
 でも、建築はもういいかなと思った。
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