転生ドラゴンの魔法使い~魔法はガチでプログラムだった~

喰寝丸太

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第28章 守護者のドラゴン

第162話 さらわれた子供達

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「議員様、お助け下さい。私達の子供が帰ってこないのです。きっと、さらわれたに違いありません」
「それは大変だ。今、暇だから調べてみるよ」

 ミレニアム国の王城へ陳情に来た国民が不安そうな表情で去って行った。

「暗部、聞いてるよな。警戒網に穴があるんじゃないか」
「そんなはずはありません」
「ふーん、じゃ賭けるか。俺は人さらいが侵入して来た方に賭ける」
「掛け金はどう致します」
「金貨10枚でどうか」
「ではそのように」

 よし、人さらいをとっちめ金貨10枚をゲットして、さらわれた子供達に玩具を買ってやろう。
 さてと、どこから手を付けようか。

 暗部は協力してくれそうにないから、まずはドラゴンの体でぐるっと一回りしてみるか。
 盆地の縁に沿って悠々と飛ぶ。
 侵入した形跡はないな。
 ドラゴンの目がいくら良くても、樹がこんなに生えているとどうにもならんな。

 見つけ出すのは一苦労だな。
 すでに市中に紛れ込んでいるのかな。
 流浪の民は普段いない人も多いから、住人が見かけない人がいても気づかない。
 意外な欠点だな。

 前に名簿の魔道具を作った。
 住民票の魔道具に流用できそうだ。
 こんなのでどうだ。

char magic_stone[100000]; /*魔石*/
extern int name_comp(char *ss1,char *ss2); /*名前の比較関数*/
int name_copy(int i,char *output) /*名前の切り出し関数*/
{
 while(magic_stone[i]!='\0'){
  *output=magic_stone[i++];
  output++;
 }
 i++;
 *output='\0';
 return(i);
}
void main(int argc,char *argv[])
{
 TEL *t1,*t2; /*伝言魔法の定義*/
 MAGIC *mp; /*魔法の定義*/

 char name[32],name2[32]; /*名前*/

 int i;

 system("dir > temp"); /*この場にいる人間をリストアップ*/
 t1=topen("temp"); /*リストを開く*/
 tgets(name2,32,t1); /*一番近い人の魔法名*/
 tclose(t1); /*リストを閉じる*/

 t2=topen("門番の魔法名"); /*門番の回線を開く*/

 i=0;
 while(magic_stone[i]!=0x1a){ /*住民帳の終わり*/
  i=name_copy(i,name); /*住民帳から名前切り出し*/
  if(name_comp(name,name2)==1){ /*一番近い人の名前と一致してれば*/
   i=name_copy(i,name); /*住民帳の魔法名切り出し*/
   mp=light_make(10); /*住民帳に名前があるので光らせる*/
   tprintf(t2,"%s\n",name); /*魔法名出力*/
  }
  else{
   i=name_copy(i,name); /*住民帳の魔法名切り出し、名前が違うのでスキップする*/
  }
 }
 tclose(t2); /*伝言魔法を閉じる*/
}

 魔道具に一番近い人を住民帳と比較して名前があれば光る。
 光と共に門番に伝言を送る方式にした。
 こうすればスパイは魔法で光を出して通り過ぎようとするに違いない。
 その時門番に魔法名が伝わらなければ、そいつはスパイだ。
 作って街の入口や要所に設置するとしよう。

 魔道具を作って設置したら、驚いた事に行方不明の子供の魔法名がヒットした。

「お前ら家に帰らないで何をしている」

 俺は詰め所で子供達を問い詰めた。

「魔力のおじさん、あのね。言えないの」
「親には秘密にしておいてやる」

「どうする」
「えっと、信じてみようよ」
「早く話せ」

「秘密基地を作ってウサギを飼っているの」
「なんだ親にペットを反対されでもしたか」
「うん」
「俺んちなんて肉にしようなんて言うんだぜ」
「よし、王城にウサギ小屋を作ってやるから、もう家出は辞めろよ」
「分かった」
「うん」
「そうする」

 やれやれ、ペットを反対されて家出かよ。
 賭けに負けたな。

「暗部、約束の金貨10枚だ」
「まいど」

 テーブルに置いた金貨が消えた。
 ウサギ小屋を作ったところ似たような事例が頻発。
 たちまちウサギ小屋は一杯になった。
 なんかおかしい。
 そもそも、ウサギって素手で子供が捕まえられるものなのか。
 なんか裏がありそうな気がしてきた。
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