漬物はネクロマンサーの香り~大量レベルアップの秘訣は新鮮な野菜の死体。大根アンデッド(漬物味)から始まる最強への道~

喰寝丸太

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第3章 ヴァンパイアから始まる塩漬け肉

第15話 馬車を買う

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 オーク肉ゾンビまたの名を聖氷肉せいひょうにく
 それを出荷する為に馬車を買った。

「どう、どう。マロン、ここが新しい住処すみかだ」

 マロンは俺が買った栗毛の馬の名前だ。
 牝馬めすうまだったのでこの名前にした。

「ぶるるっ」
「マロンどうしたんだ」

 マロンは家の前まで来たら一歩も動かなくなった。
 やっぱり、ゾンビの臭いが不味いのかな。
 リビリングアーマーは後ろの荷台に乗せたけど、嫌がる素振りはなかった。
 俺は手綱をジュサに任して、狼魔獣のゾンビを家から連れて来た。
 後ずさるマロン。
 やっぱりだ。
 ゾンビの臭いが不味いのだな。

「ジュサ、馬の鼻を利かなくしてくれ」
「可哀相だけど仕方ないわね。かの者の鼻は利かない【カース】」

 上手く行ったようだ。
 マロンがゾンビを嫌がらなくなった。

 家の脇に杭を立ててそこにマロンをつなぐ。
 飼い葉と水を用意したが、一向に食べ始める気配が無い。
 駄目か。
 料理に匂いがないと、食べる気は起きないよな。
 参ったな。
 慣らすしかないか。
 マロンを家から離れた所に繋いでから、ジュサにマロンの呪いを解除してもらった。
 布にゾンビの臭いを染みこませマロンに嗅がせる。
 もの凄い嫌がりようだ。
 リンゴをゾンビにして食わせてみたらどうだろう。

「よし、よし。ほら食え」

 マロンはしばらくリンゴゾンビの匂いを嗅ぐと食べ始めた。
 肉の腐敗臭がいけないのか。
 アンデッドヒールを掛けても馬の鼻は誤魔化せないって事だろう。
 売り物の聖氷肉せいひょうにくはどうだろう。
 肉を持って近寄る。
 そんなに嫌がる素振りはないな。
 確かに腐敗臭はしないが。
 なら話は簡単だ。
 魔獣のゾンビも塩とハーブを使って作れば良い。
 なんだ簡単だな。
 家に染み付いた臭いはハーブの粉で誤魔化すか。
 香水の匂いで馬の鼻を誤魔化したという話を読んだ記憶がある。
 これでしばらく何とかしよう。

 マロンの魔獣ゾンビについての問題はなんとかなった。
 ただ、と金ときんをマロンは非常に嫌がった。
 たぶん血の臭いが嫌なのだろう。
 こればかりはどうしようもない。
 一応、と金ときんには香水を与えてみたのだが、効果が無かった。
 荷台に積む分には暴れなくなったのでこれで良しとした。
 そのうちには慣れるだろう。
 でなければ軍馬などは仕事にならない。

 さてとオークを狩りまくるか。
 俺はリビングアーマーをお供に狩りに出かけた。

 オークは美味い物に目が無いので、漬物ゾンビを撒くとすぐに現れた。

「行け。と金ときん軍団」

 と金ときんの数は現在九つ。
 それを俺は次々にオークに投げつけた。
 血を抜かれてあっと言う間に倒れるオーク。
 その時、グリフォンが襲ってきた。
 むっ、対空戦力は香車きょうしゃしかない。
 参ったな。
 撤退するべきか。
 みすみすオークの屍骸を奪われるのは気に食わない。
 俺は一時退却してチャンスをうかがった。

 オークにグリフォンが夢中になった所でと金ときん軍団を投げつけてやった。
 暴れまくるグリフォン。
 だが、と金ときん達は離れない。
 鳥は手が無いものな。
 オークなんか手を持っているのに引き剥がせない。
 うん、無敵だ。
 普通の魔獣から作ったヴァンパイアなんぞより役に立つ。

 ほどなくしてグリフォンは血を抜かれて息絶えた。
 グリフォンにはオークの代わりに塩漬け肉になってもらおう。
 航空戦力は欲しいがグリフォンは不味い。
 教会と全面戦争するにはまだ早いからな。
 目立つのは避けたい。
 意外と紙装甲だしな。
 乗るのならペガサス辺りが良い。
 戦いならドラゴンだ。
 ゆくゆくはこの辺りを狙いたい。



「おーい、帰ったぞ」
「うわ、グリフォンじゃない。どうするのそれ」
「肉になってもらう」
「解体が済むまでマロンに乗って、暇を潰してくるわ」
「おう、気をつけてな。まだ魔獣はこの辺りに出没するから」

 だいぶ狩りをして魔獣は減らしたが、他所から移ってくるのもいる。

「ええ。弱い魔獣なら摩擦を減らす呪いでなんとかなるから」

 ジュサを見送りグリフォンを解体して、塩漬けゾンビにする。
 解体が済んで一服しているところにジュサは帰って来た。

「ちょうどさっき解体が終わったところだ」
「どんな味なのかしら」
「よし焼いてみるぞ」

 薪ゾンビの炎でグリフォン肉を串焼きにする。
 油が垂れて炎が爆ぜる。
 良い具合に焼けたので、かぶりつく。

 本来なら筋が固くて食えないグリフォンの肉が、筋を細菌のゾンビに消化され柔らかくてジューシーな肉に仕上がった。

「美味すぎよ。何て物食わせるの。もう一生サクタについていくわ」
「そうだ。良い機会だから俺の目標を話す。教会に反抗するのは前に言ったな。職業による差別のない宗教を作って禁忌持ちの街を作る」
「できたら良いわね」
「出来るとも。死体術士の力があればな」

 次の目標も決まった。
 店を街に出す。
 漬物ゾンビと塩漬け肉ゾンビの店をな。
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