81 / 84
最終章 ダンジョンから始まる解ける謎
第81話 女の子を拾う
しおりを挟む
なんで洞窟に蜂がいるんだよ。
殺人バクテリアの扇子を解き放つも、羽の風圧で散らされ近づけない。
こいつは前にもやった事があるキラーホーネットだ。
「ビーセス、従えてくれ」
「従いなさい【ドミネート】。駄目だ。数が多すぎる」
「ええい、くそ。リビングエアよ真空にしてしまえ」
真空の結界を通り抜けてくるキラーホーネット。
「駄目か。前はドラゴンにやっつけて貰ったんだったな。仕方ない、一時撤退だ」
俺達は洞窟を駆け抜けた。
「追っては来ないみたいだな。ミディ、斥候を頼む」
「付近には魔獣はいないみたい。待って女の子が居る」
「こんな所に一人でか」
「うん」
ミディに案内されて女の子の所へ行く。
「こんにちは」
女の子は白いワンピースを着ていて、非常に美しかった。
年の頃は六歳ほどだろうか。
ロリコンではない俺がその気に目覚めそうだ。
俺は慎重に声を掛けた。
この場所にいるということは魔獣の擬態か聖騎士の関係者のいずれかだ。
「こんにちは」
「お嬢さんはなんでこんな所に居るのかな」
「居たいから居るの」
魔獣のたぐいではなさそうだ。
ただ、ここにいる理由が分からん。
「教会に所属しているのかな」
「いえ、所属してないわ」
てっきり聖騎士の関係者だと思ったが違うのか。
「蜂が近くに来てるよ」
ミディが教えてくれた。
「こんな時に。各個撃破しかないか」
入口が狭まった所で迎え撃つ事にした。
ブーンと羽音がしてキラーホーネットが現れた。
「【レイガン】」
女の子が魔法を唱える。
キラーホーネットは光線に刺し貫かれ死んでいく。
これは光魔法だ。
「光魔法が使えるのか」
「ええ、得意だわ」
聖騎士の関係者で決まりだな。
「名前は?」
「シュプライム」
「長いな。ライムでいいか」
「構わないわ」
受け答えがなんか大人と話している気分だ。
きっと、特殊な環境で育ったのだろう。
「よし、とりあえず、ここで野営しよう」
野営すればライムの化けの皮がはがれるに違いない。
俺の予想では寝静まった頃に聖騎士に知らせに行くにはずだ。
俺はキラーホーネットをゾンビに作り替え警戒にあたらせた。
俺は焚火を前に横になり寝たふりをする。
ゾンビ以外の見張りは立ててない。
ライムから寝息が聞こえてきた。
寝てるふりか。
いいや、寝ているのに違いない。
結局、徹夜したがライムに動きはなかった。
朝食をジュサとシャデリーが用意する。
ライムはきょとんとした顔で朝食を見つめていた。
俺達が食い始めると、堰を切ったように食べ始めた。
毒を警戒したのか。
でも調理しているところを観察しているふうはなかった。
特殊な環境で育ったという事だけは分かった。
ミディがライムに話し掛けている。
「私ミディ、よろしくね」
「わらわはライムだ」
「ライムちゃんは普段どんな遊びをしているの」
「ふむ、やった事はないな。興味もない」
「王女様はだーれとか面白いんだよ」
「それはいく種類もバリエーションがある推理ゲームを指しているのか」
「うんそうだよ」
内容はたわいないおしゃべりだ。
遊びの話が多い。
ライムは遊びの種類だけは豊富に知っているようだ。
しかし、やったことがないのがうかがえる。
遊ばせてもらえなかったのかもしれない。
「むっ、魔獣が来たな」
「ライムちゃんも分かったんだ。凄いね」
出てきたのはナメクジの魔獣だった。
「【レイガン】」
ライムが魔法であっけなく片付ける。
敵だとすると、今は俺達を油断させる段階という事だろうか。
これは本格的に話を聞かないといけないようだ。
まだ子供なのだから、話していればボロが出る可能性がある。
まさか暗殺者という事はないだろう。
いや分からん。
決めつけは危険だ。
お話をするとしよう。
「ライム、どんな所で暮らしていた?」
「地上のあらゆる所だ」
各地を転々としたって事だな。
「面倒は誰がみていたんだ」
「みてもらってないな」
うん、世話係はいないってことか。
自分の面倒は自分で見るといったところか。
「ライムにとって敵は誰だ」
「ほとんど全ての人だな」
「俺もか」
「お前は例外だ」
「ミディも敵か」
「敵だな」
どういう事だ。
俺を油断させる為に言っているのか。
「なんで敵なんだ」
「わらわを害そうとするからだ。命を脅かす存在を敵と言って、なぜ悪い」
この少女が分からん。
「魔獣が来るぞ」
「ちっ、またか」
殺人バクテリアの扇子を解き放つも、羽の風圧で散らされ近づけない。
こいつは前にもやった事があるキラーホーネットだ。
「ビーセス、従えてくれ」
「従いなさい【ドミネート】。駄目だ。数が多すぎる」
「ええい、くそ。リビングエアよ真空にしてしまえ」
真空の結界を通り抜けてくるキラーホーネット。
「駄目か。前はドラゴンにやっつけて貰ったんだったな。仕方ない、一時撤退だ」
俺達は洞窟を駆け抜けた。
「追っては来ないみたいだな。ミディ、斥候を頼む」
「付近には魔獣はいないみたい。待って女の子が居る」
「こんな所に一人でか」
「うん」
ミディに案内されて女の子の所へ行く。
「こんにちは」
女の子は白いワンピースを着ていて、非常に美しかった。
年の頃は六歳ほどだろうか。
ロリコンではない俺がその気に目覚めそうだ。
俺は慎重に声を掛けた。
この場所にいるということは魔獣の擬態か聖騎士の関係者のいずれかだ。
「こんにちは」
「お嬢さんはなんでこんな所に居るのかな」
「居たいから居るの」
魔獣のたぐいではなさそうだ。
ただ、ここにいる理由が分からん。
「教会に所属しているのかな」
「いえ、所属してないわ」
てっきり聖騎士の関係者だと思ったが違うのか。
「蜂が近くに来てるよ」
ミディが教えてくれた。
「こんな時に。各個撃破しかないか」
入口が狭まった所で迎え撃つ事にした。
ブーンと羽音がしてキラーホーネットが現れた。
「【レイガン】」
女の子が魔法を唱える。
キラーホーネットは光線に刺し貫かれ死んでいく。
これは光魔法だ。
「光魔法が使えるのか」
「ええ、得意だわ」
聖騎士の関係者で決まりだな。
「名前は?」
「シュプライム」
「長いな。ライムでいいか」
「構わないわ」
受け答えがなんか大人と話している気分だ。
きっと、特殊な環境で育ったのだろう。
「よし、とりあえず、ここで野営しよう」
野営すればライムの化けの皮がはがれるに違いない。
俺の予想では寝静まった頃に聖騎士に知らせに行くにはずだ。
俺はキラーホーネットをゾンビに作り替え警戒にあたらせた。
俺は焚火を前に横になり寝たふりをする。
ゾンビ以外の見張りは立ててない。
ライムから寝息が聞こえてきた。
寝てるふりか。
いいや、寝ているのに違いない。
結局、徹夜したがライムに動きはなかった。
朝食をジュサとシャデリーが用意する。
ライムはきょとんとした顔で朝食を見つめていた。
俺達が食い始めると、堰を切ったように食べ始めた。
毒を警戒したのか。
でも調理しているところを観察しているふうはなかった。
特殊な環境で育ったという事だけは分かった。
ミディがライムに話し掛けている。
「私ミディ、よろしくね」
「わらわはライムだ」
「ライムちゃんは普段どんな遊びをしているの」
「ふむ、やった事はないな。興味もない」
「王女様はだーれとか面白いんだよ」
「それはいく種類もバリエーションがある推理ゲームを指しているのか」
「うんそうだよ」
内容はたわいないおしゃべりだ。
遊びの話が多い。
ライムは遊びの種類だけは豊富に知っているようだ。
しかし、やったことがないのがうかがえる。
遊ばせてもらえなかったのかもしれない。
「むっ、魔獣が来たな」
「ライムちゃんも分かったんだ。凄いね」
出てきたのはナメクジの魔獣だった。
「【レイガン】」
ライムが魔法であっけなく片付ける。
敵だとすると、今は俺達を油断させる段階という事だろうか。
これは本格的に話を聞かないといけないようだ。
まだ子供なのだから、話していればボロが出る可能性がある。
まさか暗殺者という事はないだろう。
いや分からん。
決めつけは危険だ。
お話をするとしよう。
「ライム、どんな所で暮らしていた?」
「地上のあらゆる所だ」
各地を転々としたって事だな。
「面倒は誰がみていたんだ」
「みてもらってないな」
うん、世話係はいないってことか。
自分の面倒は自分で見るといったところか。
「ライムにとって敵は誰だ」
「ほとんど全ての人だな」
「俺もか」
「お前は例外だ」
「ミディも敵か」
「敵だな」
どういう事だ。
俺を油断させる為に言っているのか。
「なんで敵なんだ」
「わらわを害そうとするからだ。命を脅かす存在を敵と言って、なぜ悪い」
この少女が分からん。
「魔獣が来るぞ」
「ちっ、またか」
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる