賠償スキルで無双します~魔王との戦いで逃げる時に勇者達に生贄として置いて行かれたので、賠償スキルでみんな奪ってやった~

喰寝丸太

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滅殺復讐ギルド人編

第33話 取れない賠償

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Side:ウメオ
 宿の部屋に入ると、デップリー、ザンギャック、カゲインが揃ってた。

「なぜわしがコソ泥みたいに逃げ出さねばならん」
「所詮この世はうたかたの夢。その命、賠償で貰うぞ。【次元斬】」

 俺は手刀でデップリーの首を刎ねた。

「だから言ったのに。僕は逃げるよ」

 カゲインが逃げ出した。
 機織りが、蜘蛛に命じてカゲインを捕える。

 女領主はザンギャックと睨み合っていた、
 二人に任せよう。

Side:リリム

「一騎打ち所望つかまつる」
「来い。スキルなぞなくても俺は達人だ」

「【鋭刃】【斬撃】」
「しっ」

 私とザンギャックが交差する。
 そして倒れたのはザンギャックだった。
 血だまりができてザンギャックが死のけいれんを起こす。

「達人の剣は役に立たなかったようね。悪事を働くから技に裏切られるのよ」

Side:シャランラ

「逃がさない。蜘蛛ちゃんお願い」

 蜘蛛の糸がカゲインの首に飛ぶ。

「お姉さん、お願い僕を許して。せめてその手で首を絞めて」
「毒を隠し持っているのは知っているわ」
「くっ、ぐぐぅ……」

 糸を引いてさらに締める。
 そして蜘蛛が飛んで、カゲイン噛んだ。
 手足がマリオネットのように動いた。

「ぐぐぅ」

「毒使いなら、毒で死ねたら本望でしょう。次は影にでも生まれ変わるのね。そうしたら噛まれても、糸に首を締められても平気かもね。糸を絡めて、運命の糸を切る」
「ぐぐぅ」

 ぐったりしたカゲインの脈を取る。
 死んだようね。
 他の二人も仕事を終えている。
 私達はその場を後にした。

Side:ウメオ

 次元斬と死スキルを代償に、今回の被害者の家族に、復讐者の園での映像を届ける。
 復讐者の園にはいつの間にか街ができていた。
 殺された町娘は定食屋で働いている。
 その顔は笑顔に溢れていた。

「リリム、シャランラ、王都を離れろ。念のためだ」
「逃げるのは癪に障るわ」
「私はまだ機織り機を作ってないので場所を移ってもいいですけど」

「リリム、お前、斬られた足首に筋が残っているだろ」
「まあそうだけど」
「大人しく、領地に引っ込め。代わりの代官はメッサで良いだろう。なあにポーションを毎日飲めばすぐに傷痕も消えるさ」
「仕方ないわね」
「なら、私は貯めたお金で、領地の街に工房を作る」
「滅殺仕事人は解散だな」

 ギルド職員がロウソクを宙に放り上げると、粉微塵に斬った。
 下宿ではいつも通り、マリーとゴルダが掃除をしている。

「プフラ、わたくし考えました。どこに討ち入りするのです。攻撃は最大の防御。先手あるのみです」
「嫌だなぁ。ちょっと聞いてみただけだよ」
「私の愛情を確かめたのですか」
「いや、そうではなくって」

 困ったぞ。

「そうではなく、何なのです」
「プフラ、結婚に愛など不必要。確かめたりする必要はそもそもありません」

 ゴルダが極論を言い始めた。

「じゃあ何で?」
「優秀な子孫を残すためです」
「愛のない結婚なんて嫌だぁぁぁぁぁ」

 俺は醤油蔵に逃げ込んだ。
 樽のひとつが良い感じだ。
 でも味噌の匂いだ。
 食べてみる。
 味噌だな。
 絞れば醤油にならないかな。

 やってみると、なんとなく醤油だ。
 レンガを組んでかまどを作る。
 薪を燃やして肉を焼いた。
 それになんちゃって醤油を塗る。
 良い匂いが立ち込めた。

「まあ、これが醤油ですか。あなたの妄想ではなかったのですね。少し見直しました。お母様はあんなことおっしゃられてましたけど、愛は持っております。でなければ一緒に戦おうなど言ったりしません」

 マリーが俺を追いかけてきたようだ。

「なんか目が金貨になっているぞ」
「いいえ、けしてそんな。醤油で一攫千金など考えておりません。財布が重そうですね。管理して差し上げます」
「へいへいって騙されないぞ。醤油を売った金は一銭たりとも渡さない」
「占いスキルを持った方に占ってもらったのです。あなたにお金を渡すとみんな使ってしまうと。これも愛情です」

 使ってしまうのはその通りかも。
 いやいや、騙されないぞ。
 ここで退いたら一生尻の下に敷かれる。

「半々だ。半分は自由に使わせてくれ」
「ではそのように」

 あっさり折れたな。
 俺は醤油を瓶に詰めて、リリン邸の料理人に売り込んだ。
 金貨5枚で売れた。
 喜び勇んで、酒場で少し散財して、下宿に帰っていい気持ちで寝る。
 朝起きると財布が空になってた。

「【賠償】」

 金は戻ってこない。
 スキルも俺に金を渡すのは反対か。

「マリー、勝手に財布から金を抜き取るのは犯罪だぞ」
「あら、夢を見てたのですね。財布は空でしたよ」
「あー、もう【賠償】【賠償】【賠償】【賠償】【賠償】。くそっ、役に立たないスキルめ」

 くそっ、靴を蹴飛ばしたら足に引っ掛かって、靴が自分の顔に飛んできた。

「ほほほっ、お母様。今日は豪勢に行きましょう」
「これでも賠償取れないのか」

 こんなのどっか間違っている。
 責任者出て来い。

Side:ナレーション

 滅殺復讐ギルドは、公式にはギルドとして認められていない。
 だが、王国史を紐解くとその名前がちらほらと出てくるのは、歴史に携わる者なら誰でも知っている真実。
 すぐに消えて行く非合法ギルドとしては長い歴史を誇るのは、それだけ復讐への声が大きいということを表しているのだろう。
 噂では復讐神が元締めをしているというが、真実は闇の中。
――――――――――――――――――――――――
あとがき
 終わりです。
 続きは書いたのですが、反応も良くないし、キリが良いのでここで終わっておきます。
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