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第1章 ニオブざまぁ編
第21話 クラブと、金属の花と、魔法の法則
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「そこの君、俺達のクラブに入らないか」
入学式を終えた俺達を待っていたのは、クラブ勧誘の群れだった。
「後で検討するよ。チラシだけくれよ」
「絶対に見学に来てくれよ。後悔はさせないから」
「気が向いたらな」
チラシに目をやる。
ええとゴーレム制作部か。
面白そうな事をやっているな。
魔法でゴーレムを作るのか。
どうやるんだろ。
ちょっと興味が湧いた。
どれどれ、他にはどんなのがあるかな。
呪文研究会、魔法戦術クラブ、魔導剣術道場、魔法グルメ部、魔道具クラブ、魔王研究会か。
まだあるが、どれも駄目だな。
俺のプログラム知識が欲しいと言うに決まっている。
プログラム知識はこれといった見込んだ人でないとやれない。
そういう意味だと難しい。
「そこの美しいお嬢さん、お花をどうぞ。【魔力を金属に変えて花を咲かせたまえ】」
気障な感じの高校生ぐらいの青年が佇んでいる。
鉄で作った花がマイラに差し出された。
困ったような顔のマイラ。
「貰っておけよ」
「タイトがそう言うなら、ありがと」
「せっかくだからチラシをくれないか」
「どうぞ」
チラシに目をやる。
魔法おもしろ研究会とある。
金属の花を魔法で作るのは確かに面白いが、いま一つ芸がないな。
「いま一つ芸がないと言ったね」
心を声に出していたらしい。
「貴金属とかで作れたらもっと美しいかなと考えた」
俺は素直な感想を口にした。
「ちっちっち、素人はこれだから困る。貴金属を生み出す魔法は物凄い魔力が要るんだ」
「何でかな?」
「とにかくそう言う物だ」
「法則があるはずだよ」
「そうだね、ありふれた物ほど魔力が少なくて済む。石の花が一番魔力が要らない」
なるほどな。
価値が低い物が魔力が少ないのかな。
じゃ、これは。
「木の花なんてどうだ」
「木は駄目だ。品質の悪い木しか出来ない」
「布は?」
「布も同じで、品質が悪い」
ええと、石ほどじゃないけど、木や布もありふれている。
金銭的な価値で魔力コストが決まるという訳ではないな。
もしかして、魔法というのは創造魔法でなく、召喚魔法なのかも。
そうなると木の品質が悪いというのが気に掛かる。
召喚するって事は盗むと同じだ。
突然、着ている服の布が召喚されたなら話題になるはずだ。
品質の悪い物なら出来るという所に鍵があるような気がする。
そうか、魔力だ。
人間には魔力が宿る。
持ち物にもある程度の魔力が宿っても不思議じゃない。
他人の魔力は反発するだったっけ。
他人の魔力が染み込んだ物は召喚されないのか。
そうだな、それが理由としてぴったりくる。
木も生えている木は召喚されないのか。
なるほどな。
召喚される木や布は長い間捨てられていた物なのかも知れない。
召喚するのに貴金属は地中に含まれている率が低いので魔力のコストがかかるんだな。
布や木よりは貴金属の全体の量は星単位で考えたらありそうだが。
地表に近いほど魔力コストが低いのか。
なるほどな、そうかも知れない。
「法則はなんとなくつかめた」
「何だと!」
青年は驚愕した。
「要するに魔力のない物が召喚される。一度も人の手に触れていない物だな。ただし、長い年月放置されている物は別だ。ただこの長さがどれぐらいかは分からない。推測するにかなり長い間だと考えられる」
「なんだ。そんな事が分かっても役に立たないな」
青年は落胆した様子を見せた。
「いや、魔力ある物が除外される理由が、他人の魔力との反発だとすると。それが召喚から除外されるなら、自分の持ち物はどうだ」
「自分の持ち物が無くなったら流石に分かるだろう」
「だからだよ。人間は自分の持ち物は無くならないと無意識に思っている。だから召喚するのに範囲を指定してやれば良い。【チラシを原料に花を作れ】」
俺が持っているチラシが紙の花になった。
「それじゃ変形させているのと変わらない」
「召喚だから、距離が離れていても出来るはずだ。ただし、自分の持ち物に限る。召喚する物に自分の持ち物を含めると思い込め」
青年は持っていたチラシを地面に置いた。
「じゃあ、やってみるよ。【魔力を紙に変えて花を咲かせたまえ】。何っ、チラシを原料に花が出来ただと! 魔力を材料に出来ているんじゃなかったのか」
「どうやら俺達は勘違いしていたようだ。だが呪文はある意味正しい。魔力を消費して紙を引き寄せているのだから、魔力を紙に変えている」
「学会に発表したら、大騒ぎになるよ」
「それより、【魔力で紙を引き寄せ花を作れ】としたら、魔力消費量が減るんじゃないか」
「減るだろうな」
「今日、分かった事は秘密にしろ。その方が何かと良い」
「そうだな。厄介事は御免だ。僕には美しいお嬢さんと花があれば良い。召喚する呪文は無詠唱でしかやらない事にするよ」
「タイト、眠くなっちゃった。お話は終わった?」
「マイラ、ごめん。寮に帰って昼寝をしよう」
俺は魔法おもしろ研究会に入る事にした。
理由は真理を部の先輩に教えてしまったからだ。
厄介事になるのなら、責任を持たないといけない。
だから、そうする事にした。
入学式を終えた俺達を待っていたのは、クラブ勧誘の群れだった。
「後で検討するよ。チラシだけくれよ」
「絶対に見学に来てくれよ。後悔はさせないから」
「気が向いたらな」
チラシに目をやる。
ええとゴーレム制作部か。
面白そうな事をやっているな。
魔法でゴーレムを作るのか。
どうやるんだろ。
ちょっと興味が湧いた。
どれどれ、他にはどんなのがあるかな。
呪文研究会、魔法戦術クラブ、魔導剣術道場、魔法グルメ部、魔道具クラブ、魔王研究会か。
まだあるが、どれも駄目だな。
俺のプログラム知識が欲しいと言うに決まっている。
プログラム知識はこれといった見込んだ人でないとやれない。
そういう意味だと難しい。
「そこの美しいお嬢さん、お花をどうぞ。【魔力を金属に変えて花を咲かせたまえ】」
気障な感じの高校生ぐらいの青年が佇んでいる。
鉄で作った花がマイラに差し出された。
困ったような顔のマイラ。
「貰っておけよ」
「タイトがそう言うなら、ありがと」
「せっかくだからチラシをくれないか」
「どうぞ」
チラシに目をやる。
魔法おもしろ研究会とある。
金属の花を魔法で作るのは確かに面白いが、いま一つ芸がないな。
「いま一つ芸がないと言ったね」
心を声に出していたらしい。
「貴金属とかで作れたらもっと美しいかなと考えた」
俺は素直な感想を口にした。
「ちっちっち、素人はこれだから困る。貴金属を生み出す魔法は物凄い魔力が要るんだ」
「何でかな?」
「とにかくそう言う物だ」
「法則があるはずだよ」
「そうだね、ありふれた物ほど魔力が少なくて済む。石の花が一番魔力が要らない」
なるほどな。
価値が低い物が魔力が少ないのかな。
じゃ、これは。
「木の花なんてどうだ」
「木は駄目だ。品質の悪い木しか出来ない」
「布は?」
「布も同じで、品質が悪い」
ええと、石ほどじゃないけど、木や布もありふれている。
金銭的な価値で魔力コストが決まるという訳ではないな。
もしかして、魔法というのは創造魔法でなく、召喚魔法なのかも。
そうなると木の品質が悪いというのが気に掛かる。
召喚するって事は盗むと同じだ。
突然、着ている服の布が召喚されたなら話題になるはずだ。
品質の悪い物なら出来るという所に鍵があるような気がする。
そうか、魔力だ。
人間には魔力が宿る。
持ち物にもある程度の魔力が宿っても不思議じゃない。
他人の魔力は反発するだったっけ。
他人の魔力が染み込んだ物は召喚されないのか。
そうだな、それが理由としてぴったりくる。
木も生えている木は召喚されないのか。
なるほどな。
召喚される木や布は長い間捨てられていた物なのかも知れない。
召喚するのに貴金属は地中に含まれている率が低いので魔力のコストがかかるんだな。
布や木よりは貴金属の全体の量は星単位で考えたらありそうだが。
地表に近いほど魔力コストが低いのか。
なるほどな、そうかも知れない。
「法則はなんとなくつかめた」
「何だと!」
青年は驚愕した。
「要するに魔力のない物が召喚される。一度も人の手に触れていない物だな。ただし、長い年月放置されている物は別だ。ただこの長さがどれぐらいかは分からない。推測するにかなり長い間だと考えられる」
「なんだ。そんな事が分かっても役に立たないな」
青年は落胆した様子を見せた。
「いや、魔力ある物が除外される理由が、他人の魔力との反発だとすると。それが召喚から除外されるなら、自分の持ち物はどうだ」
「自分の持ち物が無くなったら流石に分かるだろう」
「だからだよ。人間は自分の持ち物は無くならないと無意識に思っている。だから召喚するのに範囲を指定してやれば良い。【チラシを原料に花を作れ】」
俺が持っているチラシが紙の花になった。
「それじゃ変形させているのと変わらない」
「召喚だから、距離が離れていても出来るはずだ。ただし、自分の持ち物に限る。召喚する物に自分の持ち物を含めると思い込め」
青年は持っていたチラシを地面に置いた。
「じゃあ、やってみるよ。【魔力を紙に変えて花を咲かせたまえ】。何っ、チラシを原料に花が出来ただと! 魔力を材料に出来ているんじゃなかったのか」
「どうやら俺達は勘違いしていたようだ。だが呪文はある意味正しい。魔力を消費して紙を引き寄せているのだから、魔力を紙に変えている」
「学会に発表したら、大騒ぎになるよ」
「それより、【魔力で紙を引き寄せ花を作れ】としたら、魔力消費量が減るんじゃないか」
「減るだろうな」
「今日、分かった事は秘密にしろ。その方が何かと良い」
「そうだな。厄介事は御免だ。僕には美しいお嬢さんと花があれば良い。召喚する呪文は無詠唱でしかやらない事にするよ」
「タイト、眠くなっちゃった。お話は終わった?」
「マイラ、ごめん。寮に帰って昼寝をしよう」
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理由は真理を部の先輩に教えてしまったからだ。
厄介事になるのなら、責任を持たないといけない。
だから、そうする事にした。
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