貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太

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第40話 アイアンタイガー

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 3階層に踏み込んだ。
 3階層は草原で空まである。
 日本であって日本じゃないという言葉がしっくりくる光景だ。

 最初に遭ったモンスターは黒光りするトラだ。
 アイアンタイガーだな。
 しかも両肩に大砲が付いている。

 遠距離攻撃か。

「みんな気を付けろ。何か撃って来るはずだ」

 アイアンタイガーは俺の声が聞こえたのか両肩から丸い砲弾を発射してきた。
 俺は避けたが、モチが食らってしまった。

【キャノンタイガーか。強敵だなCランクはあると思われる】
【底辺おっさんは余裕で避けているから大したことはないんじゃね】
【おっさんが強いんだよ。分かれ】
【食らったモチも平気そうだし】
【モンスターと対峙したことのない一般人が偉そうに】

「大丈夫にゃん。加護のおかげで何ともないにゃん」

【そういう設定か】
【CG使ってないならEランクだな。当たり所が悪くなければ、ほぼノーダメージならそうだろ】
【こいつら何も分かってない】

 水鉄砲と砲弾の撃ちあいが始まった。
 水鉄砲の速度は遅いので、こっちの方が不利だ。

 シロガネは何とか噛みついたり、ブレスで仕留めようとしたが、砲弾の射程距離は長い。
 つかまえられないらしい。

 シロガネも含め、俺達は良いように撃たれた。
 ダメージがないのは良いが、俺の加護も無限じゃない。

【ほんとノーダメージだな】
【これなら楽勝だろ。ドッジボールしてるのと変わりない】
【おっさんが強いのは優しさ力なんだよ。コボルトとケットシー達の信頼が強さに現れている】
【おっさん擁護しても1銭も儲からないぞ】
【おっさん達が採った素材で、どれだけの人が救われたか】
【そうだ、そうだ】

 擁護してくれるのはありがたい。
 どうやらアンチでないファンもいるようだ。

「撤退!」

【あれっ逃げるの? 慎重だな】
【もったいつけたいだけだと思われ】
【撤退するには勇気が要る。素晴らしい決断だ】

 アイアンタイガーは逃げる俺達を追ってこなかった。
 砲弾が効いていないのが分かったからだろう。
 勝負は引き分け。
 実際は負けだな。
 だが、生きてさえいればリベンジできる。

 手ぶらで帰るのも癪なので、生えている草を千切って持って帰る。
 それと撃たれた砲弾だ。

 買取所で草と砲弾を出す。

「また鑑定が難しい物を出してきたな」
「駄目元だから期待はしてない」
「まあ、お前のことだから、当たりが入っているのだろう」

 さて、アイアンタイガー対策を考えないと。
 人に頼るのは辞めにしよう。
 自分で考えるんだ。
 まずあみは駄目だ。
 素早いあいつにあみを掛けるのは難しいというか、至難の業だろう。

 魔法を撃つ。
 魔法のスピードは弾丸より遅い。
 打ち合いでは負けるだろう。

 気分転換にグラトニーの採取でもするか。

 コボルトとケットシーが採取しているのが見えた。
 俺は彼らが採取してないグラトニーを探した。
 いた。

【またこのスライムか。キロ50万円設定だったな】
【実際は匂い消しキロ50円じゃね】
【検索掛けてもこのスライムの素材の記事は出て来ない。匂い消しでもないかもよ。ただのゴミ】
【国で一括お買い上げしてる。官報に載ってたぞ。グラトニーマテリアルってな】
【ほんとだ載ってる】
【マジか。でも底辺おっさんが採ったかどうか分からない】

「麻痺スキル発動」

 うほっ、ザクザク取れるぜ。
 スキルが切れる頃にまた麻痺スキル発動。

 こういうらくちんな奴が良いな。
 グラトニーの採取を終えて、買取所に納品に行ったら草の鑑定結果が出てた。

「エリクサーには劣るが、薬効が認められるのがいくつかあった。名前付けて写真を撮ってメールしたぞ。それと砲弾なミスリルが含まれていた。純度は低いが5グラムは採れる。ひとつ50万円だな」
「おうサンキュウ」

 ええと、ナオール草、1本108万円。
 ゲーネツ草、1本54万円。
 ゲードク草、1本68万円。

【出たご都合主義設定】
【草むしって100万も稼げたら行くよな】
【それにドッジボールの弾が50万。ノーダメージなら美味しい商売だ】
【でもダンジョン立ち入り禁止されているから検証は出来ない】
【それにしても酷いネーミングだ】
【底辺おっさんに、センスを求めたらいけない】
【くんくん、金の匂いがする】
【出たな守銭奴】
【設定に騙されている哀れな奴なんだから、構うな】
【設定ではない本当】

 攻略法が確立されたら、コボルトとケットシーに採取させるのもいいだろう

 アイアンタイガーの攻略法の一端は掴んだ。
 砲弾にミスリルが含まれているなら、撃たせるだけ撃たせてやれば良い。
 耐える戦術だな。
 だが儲かる。

 魔鉄製の盾でもあれば良いか。
 弾切れになったら、接近戦に移行するだろう。
 そうしたらこっちの勝ちだ。

 これで上手くいくはず。

「おっちゃん、魔鉄製の盾をくれ」
「今回はまともな注文だな。それなら出来合いのがある。お得意様だから、負けてひとつ100万だな」

「それと犬に着ける魔鉄製の鎧」
「安心したらこれだよ。犬の鎧を作れなんて注文は初めてだ。やるよ、やれば良いんだろ。次は盾みたいなまともな注文を頼むぜ」

 仕方ないだろ。
 うちのダンジョンは特殊なんだから。
 そんなに無理言ってないよね。
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