貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太

文字の大きさ
164 / 179

第164話 風向き変わる

しおりを挟む
 ラブリーネスト、4階層は荒れ地。
 でも出てくるモンスターはパラサイトウルフだけだ。

「ついに追いついたぞ。ここからは好きにさせん」

 集団がいて、そのリーダーらしき奴がそう言って立ち塞がった。

「好きにするといい。俺達はボスを討伐する。ボス部屋から出られるのはボスを討伐した時だけだから、文句は言わないよな」
「駄目だ。ここで討伐を中止しろ」

「業務妨害するってか。訴えられる覚悟はあるのか」

【悪党が法律を盾にするなよ】
【クズだからな】
【動物保護法を持ち出すのはラブリードッグをモンスターではなくてペットという枠組みに入れないと】
【政府の対応は遅すぎる】

「くっ」

【そこで退くかよ。弱腰過ぎるだろ】
【確保隊は一般人だから無茶いうなよ】
【だが確保は着実に進んでる】
【ボスは諦めるしかないのかな】
【いや、先にボス部屋に入ってしまえば良いんだ。冒険者は討伐の横入りを嫌う。おっさんも冒険者は敵に回さないだろう】

 おー、確保隊の一部が駆け足で、ボス部屋に向かった。
 俺達もゆっくりと後を追う。

 ボス部屋に到着した。

「モチ、中はどうだ」
「悲鳴の嵐にゃ」

 やっぱりな。
 パラサイトウルフのボスを撫でて連れて行こうとしたんだな。
 で隙を見せたら、ガブリと。
 しょうがない助けに入ってやるか。

 俺達はボス部屋に入った。
 酷いな。
 片腕を食い千切られている奴もいる。

【うわっ、これを見ると】
【CGだろう】
【でも実写くさい】

 俺達はボウガンでボスをハチの巣にした。

「生きてるか。ヒールと。救助代は相場を請求するからな」
「なぜ殺したんだ」
「お前らが殺されそうだったからだ」
「くっ、何かの間違いだ。接触の仕方を間違っただけだ」

【うん、これをみるとボスは狂暴なのかもね。同じ種類に扱ったら駄目かも】
【犬も狂暴で許可のない飼育を禁止されている種類がいるよな。同じか】
【小さいといっても中型犬ぐらいあるが、あれが成長するとこれになったりしないよな】
【あれなんて呼ぶな。ラブリードッグと呼べ】

「モチ、なるのか?」
「なる個体もいるにゃ。ボスはザコが突然変異して生まれるにゃ」
「なるんだってよ」

【捏造だ】
【俺、どっちが正しいか分からなくなった】
【ファントムのパラサイトウルフ討伐動画見るとよく分かるぞ】
【その忌まわしい名前を言うな】

「まあいい。今日の討伐は終りだ」

 ポータルに登録してダンジョンを出る。
 スマホに弁護士からのメールが。
 刑事さんがファントムに話を聞きたいそうだ。

 俺はファントムになると弁護士事務所に向かった。
 道行く人が手を振ったり、歓呼で応援する。

 ファントム人気は凄いな。

「邪魔をする」
「刑事さんならあちらに」

 応接室に入った。
 刑事さんが2名待ち構えていた。

「録音を取らせてもらうがいいか?」
「ええ、任意の事情聴取なので」

 刑事の一人が応えた。

「早速だが、器物破損で被害届が出てる」
「確認したいのだが、助けを求める悲鳴が上がって、助けに行ったら罪になるのかな」
「ほとんどの場合、ならないな」
「で助けを求めた元凶のモンスターがいて討伐した場合は?」
「スタンピードにより、今の法律では、街で襲い掛かるモンスターがいた場合、誰でも討伐できる。損害が出た場合、討伐者はほとんどの場合責任を負わない。普通なら国が賠償する」
「だよな。俺になんの問題が、いまこの瞬間もパラサイトウルフに襲われている人がいることをお忘れなく」
「動画データを提出して貰ったから、ほとんど形式なんだが、なぜ事件の発生が分かる?」
「そういうスキルを持っているからだ。詳細は明かせない」
「手間を取らせたね。では我々はこれで」

 刑事が帰って行った。

「告訴されると思うか?」

 俺は弁護士に尋ねた。

「刑事はないと思いますよ。民事はあるでしょうね。でも映像があるので負けないと思います」
「なら良い」

 楽しくなってきたよ。
 俺はファントムの動画で、弁護士に窓口を作ったことを発表した。
 おっさんがやっているファンクラブにも動画を流す。
 パラサイトウルフの討伐動画もだ。
 もちろん、他人が映ってるのは許可を取っている。

 ほとんどの人が快く応じてくれた。
 おっさんの方のボス討伐の被害者が出た動画には、やっぱりモンスターですねとのコメントが多数付いた。
 段々と風向きが変わっている。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

自由でいたい無気力男のダンジョン生活

無職無能の自由人
ファンタジー
無気力なおっさんが適当に過ごして楽をする話です。 すごく暇な時にどうぞ。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ

高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。 タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。 ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。 本編完結済み。 外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。

処理中です...