76 / 248
第2章 異世界帰還でざまぁ編
第76話 Side:虎時《とらとき》 殺意
僕は行方不明になった無二叔父さんが見つかったと知らされて、少し懐かしい気持ちになった。
しかし、その気分もつかの間だった。
祖父がなんと遺産の受取人を無二叔父さんに指定したのだ。
気に食わない。
叔父さんは次男だ。
僕の父さんは長男だから、遺産は僕に譲るべきだろう。
興信所に調べさせて会った叔父さんはまるで別人だった。
王者の風格というのか、そういう物を漂わせている。
別人が成り代わったそんな気がしてならない。
不味い。
叔父さんが会社を牛耳ると、僕のテリトリーが侵される。
殺そう、そう決めた。
その時、閃いた。
ダンジョンで殺そうと。
叔父さんにポーターを勧め、お遊びでやっている冒険者稼業のパーティを集める。
「ケン、叔父さんをダンジョンで始末したい」
「なら闇冒険者だな」
僕達はいくつか危ない遊びもしていた。
邪魔になった者を始末するのも今日が初めてじゃない。
殺しまではしなかったが、色々とやった。
金でどのようにも動く闇冒険者は僕らの良い手駒だ。
「信用させて油断したところをズドンといくしかないでしょ」
ヤスがそう言った。
「銃は不味い。足がつく。クサビを使ったらどうだ」
「それがいい」
タロの意見に僕は頷いた。
叔父さんとダンジョン探索を始め、頃合いを見て実行に移した。
一抹の不安を胸に叔父さんをダンジョンにとり残して撤退。
闇冒険者からの報告を待っていると、叔父さんは無事救助されたと報告が来た。
不味い。
それから、叔父さんの足取りは途絶えた。
興信所を使うも進展はない。
ある日、叔父さんのねぐらにしていた倉庫を見張っている人がいるのに気づいた。
「お前なにもんだ」
タロが凄みを効かせた。
「私は興信所の者です」
「洗いざらい吐くまでは帰せないな」
興信所は製薬会社の依頼で動いていた。
僕は製薬会社を見張るよう指示。
何日か経ったある日、叔父さんを見かけたと報告が来た。
闇冒険者が飼っているチンピラに銃を渡して襲撃させる段取りを組んだ。
しかし、結果は失敗。
家を突き止めて襲わせるも失敗。
叔父さんがダンジョンに入ったとの報告があったのでどんな事をしても殺せと指示。
報告では落とし穴に落としたみたい。
今度こそと思ったら、山田ダンジョンの停止騒ぎが始まった。
不味い。
金がなくなると闇冒険者が離反する。
叔父さんのダンジョンレコーダーの記録を取り寄せる。
ダンジョン庁の役人に金をだいぶ使ってしまった。
叔父さんはダンジョンコアに仕掛けをしてダンジョンを停止させたようだ。
僕のバラ色の未来も、もう終わりか。
いや、叔父さんに一矢報いらないと。
◆◆◆
「兄さん、もうやめて」
僕の部屋に秋穂が入ってきた。
「何の事だ。秋穂」
「叔父さんの事です。あんなに昔遊んでくれたのに」
「あれはな、怪物なんだよ。生かしておくのは危険すぎる。知ってるだろう。祖父が何をしているのか」
「ええ、労働組合の人が行方不明になった件ですね」
「そうだ。その他にも賄賂の証拠を掴んだ記者とか色々だ。叔父さんはそれを許せないだろう」
「そうですね。正義感がある人でしたから」
「それも今はどう変化しているのかは分からない。脅しに使ってくるかもしれない」
「でも、身内ですよ」
「駄目だ。駄目だ。駄目なんだよ。とにかく駄目だ」
どのような経緯かは分からないが、叔父さんが山田ダンジョンコーポレーションの会長に就任。
僕の居場所が奪われていく恐怖を感じた。
会社を乗っ取られたら、やりたい放題が出来なくなる。
もう、闇冒険者には任せて置けない。
四人でロッカールームにいる叔父さんを襲撃するも、一蹴されて僕達は捕まった。
やばい。
過去の悪行が全て明らかになる。
薬物を使った女遊びや、暴力組織を作っての資金稼ぎ、暴行事件も含めるとかなりの罪状だ。
転移能力で脱走。
闇冒険者の手引きでダンジョンレコーダーを取り外す手術をしてもらった。
最後に一目家族に会いに行く。
「お前、しばらく身を隠せ」
「父さん、叔父さんが黙っているとは思えない」
「会社と土地は俺達の手に戻った。何もできんだろう」
「父さんは甘い。あれは化け物だ。僕には分かる。大勢の血をもって生き延びてきたに違いない」
「お前がやった経験からか。殺人まではいかないが、色々と報告が来ている」
「知ってたの」
「ああ、親父が何千億という資産を扱うには、悪いぐらいが丁度いいと言って握りつぶした」
「分かった。身を隠すよ」
秋穂に叔父さんが恨むなら神を恨めと言ったそうだが、僕にはそうは思えない。
しばらくは身を隠して謀略を張り巡らすとしよう。
しかし、その気分もつかの間だった。
祖父がなんと遺産の受取人を無二叔父さんに指定したのだ。
気に食わない。
叔父さんは次男だ。
僕の父さんは長男だから、遺産は僕に譲るべきだろう。
興信所に調べさせて会った叔父さんはまるで別人だった。
王者の風格というのか、そういう物を漂わせている。
別人が成り代わったそんな気がしてならない。
不味い。
叔父さんが会社を牛耳ると、僕のテリトリーが侵される。
殺そう、そう決めた。
その時、閃いた。
ダンジョンで殺そうと。
叔父さんにポーターを勧め、お遊びでやっている冒険者稼業のパーティを集める。
「ケン、叔父さんをダンジョンで始末したい」
「なら闇冒険者だな」
僕達はいくつか危ない遊びもしていた。
邪魔になった者を始末するのも今日が初めてじゃない。
殺しまではしなかったが、色々とやった。
金でどのようにも動く闇冒険者は僕らの良い手駒だ。
「信用させて油断したところをズドンといくしかないでしょ」
ヤスがそう言った。
「銃は不味い。足がつく。クサビを使ったらどうだ」
「それがいい」
タロの意見に僕は頷いた。
叔父さんとダンジョン探索を始め、頃合いを見て実行に移した。
一抹の不安を胸に叔父さんをダンジョンにとり残して撤退。
闇冒険者からの報告を待っていると、叔父さんは無事救助されたと報告が来た。
不味い。
それから、叔父さんの足取りは途絶えた。
興信所を使うも進展はない。
ある日、叔父さんのねぐらにしていた倉庫を見張っている人がいるのに気づいた。
「お前なにもんだ」
タロが凄みを効かせた。
「私は興信所の者です」
「洗いざらい吐くまでは帰せないな」
興信所は製薬会社の依頼で動いていた。
僕は製薬会社を見張るよう指示。
何日か経ったある日、叔父さんを見かけたと報告が来た。
闇冒険者が飼っているチンピラに銃を渡して襲撃させる段取りを組んだ。
しかし、結果は失敗。
家を突き止めて襲わせるも失敗。
叔父さんがダンジョンに入ったとの報告があったのでどんな事をしても殺せと指示。
報告では落とし穴に落としたみたい。
今度こそと思ったら、山田ダンジョンの停止騒ぎが始まった。
不味い。
金がなくなると闇冒険者が離反する。
叔父さんのダンジョンレコーダーの記録を取り寄せる。
ダンジョン庁の役人に金をだいぶ使ってしまった。
叔父さんはダンジョンコアに仕掛けをしてダンジョンを停止させたようだ。
僕のバラ色の未来も、もう終わりか。
いや、叔父さんに一矢報いらないと。
◆◆◆
「兄さん、もうやめて」
僕の部屋に秋穂が入ってきた。
「何の事だ。秋穂」
「叔父さんの事です。あんなに昔遊んでくれたのに」
「あれはな、怪物なんだよ。生かしておくのは危険すぎる。知ってるだろう。祖父が何をしているのか」
「ええ、労働組合の人が行方不明になった件ですね」
「そうだ。その他にも賄賂の証拠を掴んだ記者とか色々だ。叔父さんはそれを許せないだろう」
「そうですね。正義感がある人でしたから」
「それも今はどう変化しているのかは分からない。脅しに使ってくるかもしれない」
「でも、身内ですよ」
「駄目だ。駄目だ。駄目なんだよ。とにかく駄目だ」
どのような経緯かは分からないが、叔父さんが山田ダンジョンコーポレーションの会長に就任。
僕の居場所が奪われていく恐怖を感じた。
会社を乗っ取られたら、やりたい放題が出来なくなる。
もう、闇冒険者には任せて置けない。
四人でロッカールームにいる叔父さんを襲撃するも、一蹴されて僕達は捕まった。
やばい。
過去の悪行が全て明らかになる。
薬物を使った女遊びや、暴力組織を作っての資金稼ぎ、暴行事件も含めるとかなりの罪状だ。
転移能力で脱走。
闇冒険者の手引きでダンジョンレコーダーを取り外す手術をしてもらった。
最後に一目家族に会いに行く。
「お前、しばらく身を隠せ」
「父さん、叔父さんが黙っているとは思えない」
「会社と土地は俺達の手に戻った。何もできんだろう」
「父さんは甘い。あれは化け物だ。僕には分かる。大勢の血をもって生き延びてきたに違いない」
「お前がやった経験からか。殺人まではいかないが、色々と報告が来ている」
「知ってたの」
「ああ、親父が何千億という資産を扱うには、悪いぐらいが丁度いいと言って握りつぶした」
「分かった。身を隠すよ」
秋穂に叔父さんが恨むなら神を恨めと言ったそうだが、僕にはそうは思えない。
しばらくは身を隠して謀略を張り巡らすとしよう。
あなたにおすすめの小説
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜
あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい!
ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット”
ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで?
異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。
チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。
「────さてと、今日は何を読もうかな」
これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。
◆小説家になろう様でも、公開中◆
◆恋愛要素は、ありません◆
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。
黄玉八重
ファンタジー
水無月宗八は意識を取り戻した。
そこは誰もいない大きい部屋で、どうやら異世界召喚に遭ったようだ。
しかし姫様が「ようこそ!」って出迎えてくれないわ、不審者扱いされるわ、勇者は1ヶ月前に旅立ってらしいし、じゃあ俺は何で召喚されたの?
優しい水の国アスペラルダの方々に触れながら、
冒険者家業で地力を付けながら、
訪れた異世界に潜む問題に自分で飛び込んでいく。
勇者ではありません。
召喚されたのかも迷い込んだのかもわかりません。
でも、優しい異世界への恩返しになれば・・・。