173 / 248
第4章 チタン属性でざまぁ編
第173話 おっさん、金属魔導士会に行く
金属魔導士会の支部はカウンターと依頼掲示板と併設された酒場。
まるでギルドみたいな作りになっていた。
そう言えばこの世界はギルドを見ないな。
依頼は魔導士会で受けるという事なんだろうな。
今までダンジョンの情報はジャスミンから得ていたが、こういう場所に情報が集まっていたのだな。
「金属魔導士会に部外者がいるぜ。おまけに子供連れだ。誰だよ、連れて来たのは」
「私が連れて来た」
「ウェンお前、こいつらの身元を保証するのか」
「ああ、保証する」
「ちっ、鉄魔導士が幅を利かせやがって」
金属魔導士同士でも仲が良いとは限らないんだな。
「こっちだ」
案内されて奥の部屋に入る。
「ウェン、また変わった奴を拾って来たな。こいつは大した奴だ。まとっている空気が尋常じゃない。おそらく殺したのは100人じゃきかない」
執務室らしき所で皮張りの椅子に腰かけている男が言った。
偉ぶった男ではないな。
好感も持てないが、やり手ではあるようだ。
「初めまして、ムニだ」
「アニータだよ」
「俺は金属魔導士会支部の会長をやっているルークだ」
「実はダンジョンでドジを踏んだんだ。それでムニさんに助けられて、連れて来たという訳なんだ」
「なるほど。恩があるなら仕方ないな。何か俺達にやらせたい事があるんだろ。言ってみな」
「俺は宝石魔導士会のオーナーだ。今、ダイヤモンド魔導士と揉めている。同盟がしたい」
「そりゃ上手くない手だな。利点がない。それに、金属がダイヤモンドに勝っているのは人数だけだ。どう頑張っても戦いになんぞならねえ」
「今のところ別に力を貸してくれなくて良い。ただ、同盟したい」
「そんな名前だけの同盟にどんな価値があるんだ。それでもおいそれと名前は貸せん」
「価値ねぇ。例えばだよ。気体魔導士の数が10倍になったら、バランスが崩れるだろ。その時に抑えがいるんだよ」
「ほほう、新しい属性だと言って詐欺を働いている奴がいるって聞いたが。本当に、新しい属性だったんだな」
「何でそう思った」
「あんたほどの男が詐欺を働く事はないだろ。殺伐としているが悪人の気配がない。しいて言えば、犯罪者を取り締まる熟練の兵士の雰囲気に近い。これでも人を見る目があるんだ」
「そうか。で、同盟の話はどうだ」
「有り得ないと思うが、秘術を盗もうって訳じゃないよな」
「鋼鉄だったっけ。炭を使って色々と鉄に細工するんだよな」
「なんで知ってる」
「本に書いてあった」
「そうか、本に書いてあったんなら、あんたを殺しても仕方ないな。読んだ人を全員殺す訳にも行かないしな」
俺は百科事典を開いて鋼鉄を作り出す手法の図を見せてやった。
いくつかの手法は心当たりがあるらしく。
図を見て青くなっていた。
ちなみに鋼鉄を触媒に使った鉄魔導士の実力は。
硬度7.5だから、威力度数74ってところだろう。
宝石魔導士に少し勝っている。
この実力が金属魔導士会を支えているのだな。
「秘術まで知られちゃ仕方ない。同盟してやる」
「何にも利がないと同盟は続かないから、情報を共有しよう。鉄鉱石から鉄とか色々な金属を抽出するよな。そのカスもまだ金属を含んでる。手土産代わりの情報だ」
「カスはな。不味いんだ。毒性が強い」
「ああ、近場の鉄鉱石はヒ素を含むのか。そりゃ不味いな。公害まったなしだ。下流が全て汚染されるぞ」
「それは大丈夫だ。土魔導士が土に混ぜて触媒として使ってる」
珪素が一定量、含まれていれば土魔導士が触媒として使える。
そうすると関係ないものも一緒に消えるから、危険な物を触媒として使って消してしまえる。
かなりエコだな。
「そうか、そういう手もあったな」
色々な金属元素についての情報を伝え始める。
イメージが明確にできれば抽出は容易い。
放射性物質なんかは教えられないが、支障のない範囲で教えてやった。
百科事典に猛毒と書いてあるのも省いた。
「カスにまだ金属が含まれているのが知れて、これで新しい属性の金属魔導士が生まれるな」
「何で新しい属性が生まれないか不思議に思ってたんだ。カスを消していたとはな」
「昔からのしきたりでな」
まあ、鉱毒汚染を考えたら、やむを得ないしきたりだな。
「ちなみに金属魔導士会に所属している金属はなんだ」
「鉄、白金、ニッケル、銅、銀、金、亜鉛、すず、鉛だな」
「とにかく、マグネシウム、アルミ、チタン、マンガン、クロム、コバルト、タングステンが狙い目だ」
「分かった探してみる」
「アルミとチタンは宝石魔導士の触媒だから、採れたら売ってくれ」
「結局、同盟は商売の話に収まったな」
今のところはな。
革命が起きた時に色々と利用できそうだ。
とにかく伝手は出来た。
まるでギルドみたいな作りになっていた。
そう言えばこの世界はギルドを見ないな。
依頼は魔導士会で受けるという事なんだろうな。
今までダンジョンの情報はジャスミンから得ていたが、こういう場所に情報が集まっていたのだな。
「金属魔導士会に部外者がいるぜ。おまけに子供連れだ。誰だよ、連れて来たのは」
「私が連れて来た」
「ウェンお前、こいつらの身元を保証するのか」
「ああ、保証する」
「ちっ、鉄魔導士が幅を利かせやがって」
金属魔導士同士でも仲が良いとは限らないんだな。
「こっちだ」
案内されて奥の部屋に入る。
「ウェン、また変わった奴を拾って来たな。こいつは大した奴だ。まとっている空気が尋常じゃない。おそらく殺したのは100人じゃきかない」
執務室らしき所で皮張りの椅子に腰かけている男が言った。
偉ぶった男ではないな。
好感も持てないが、やり手ではあるようだ。
「初めまして、ムニだ」
「アニータだよ」
「俺は金属魔導士会支部の会長をやっているルークだ」
「実はダンジョンでドジを踏んだんだ。それでムニさんに助けられて、連れて来たという訳なんだ」
「なるほど。恩があるなら仕方ないな。何か俺達にやらせたい事があるんだろ。言ってみな」
「俺は宝石魔導士会のオーナーだ。今、ダイヤモンド魔導士と揉めている。同盟がしたい」
「そりゃ上手くない手だな。利点がない。それに、金属がダイヤモンドに勝っているのは人数だけだ。どう頑張っても戦いになんぞならねえ」
「今のところ別に力を貸してくれなくて良い。ただ、同盟したい」
「そんな名前だけの同盟にどんな価値があるんだ。それでもおいそれと名前は貸せん」
「価値ねぇ。例えばだよ。気体魔導士の数が10倍になったら、バランスが崩れるだろ。その時に抑えがいるんだよ」
「ほほう、新しい属性だと言って詐欺を働いている奴がいるって聞いたが。本当に、新しい属性だったんだな」
「何でそう思った」
「あんたほどの男が詐欺を働く事はないだろ。殺伐としているが悪人の気配がない。しいて言えば、犯罪者を取り締まる熟練の兵士の雰囲気に近い。これでも人を見る目があるんだ」
「そうか。で、同盟の話はどうだ」
「有り得ないと思うが、秘術を盗もうって訳じゃないよな」
「鋼鉄だったっけ。炭を使って色々と鉄に細工するんだよな」
「なんで知ってる」
「本に書いてあった」
「そうか、本に書いてあったんなら、あんたを殺しても仕方ないな。読んだ人を全員殺す訳にも行かないしな」
俺は百科事典を開いて鋼鉄を作り出す手法の図を見せてやった。
いくつかの手法は心当たりがあるらしく。
図を見て青くなっていた。
ちなみに鋼鉄を触媒に使った鉄魔導士の実力は。
硬度7.5だから、威力度数74ってところだろう。
宝石魔導士に少し勝っている。
この実力が金属魔導士会を支えているのだな。
「秘術まで知られちゃ仕方ない。同盟してやる」
「何にも利がないと同盟は続かないから、情報を共有しよう。鉄鉱石から鉄とか色々な金属を抽出するよな。そのカスもまだ金属を含んでる。手土産代わりの情報だ」
「カスはな。不味いんだ。毒性が強い」
「ああ、近場の鉄鉱石はヒ素を含むのか。そりゃ不味いな。公害まったなしだ。下流が全て汚染されるぞ」
「それは大丈夫だ。土魔導士が土に混ぜて触媒として使ってる」
珪素が一定量、含まれていれば土魔導士が触媒として使える。
そうすると関係ないものも一緒に消えるから、危険な物を触媒として使って消してしまえる。
かなりエコだな。
「そうか、そういう手もあったな」
色々な金属元素についての情報を伝え始める。
イメージが明確にできれば抽出は容易い。
放射性物質なんかは教えられないが、支障のない範囲で教えてやった。
百科事典に猛毒と書いてあるのも省いた。
「カスにまだ金属が含まれているのが知れて、これで新しい属性の金属魔導士が生まれるな」
「何で新しい属性が生まれないか不思議に思ってたんだ。カスを消していたとはな」
「昔からのしきたりでな」
まあ、鉱毒汚染を考えたら、やむを得ないしきたりだな。
「ちなみに金属魔導士会に所属している金属はなんだ」
「鉄、白金、ニッケル、銅、銀、金、亜鉛、すず、鉛だな」
「とにかく、マグネシウム、アルミ、チタン、マンガン、クロム、コバルト、タングステンが狙い目だ」
「分かった探してみる」
「アルミとチタンは宝石魔導士の触媒だから、採れたら売ってくれ」
「結局、同盟は商売の話に収まったな」
今のところはな。
革命が起きた時に色々と利用できそうだ。
とにかく伝手は出来た。
あなたにおすすめの小説
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜
あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい!
ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット”
ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで?
異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。
チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。
「────さてと、今日は何を読もうかな」
これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。
◆小説家になろう様でも、公開中◆
◆恋愛要素は、ありません◆
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。
黄玉八重
ファンタジー
水無月宗八は意識を取り戻した。
そこは誰もいない大きい部屋で、どうやら異世界召喚に遭ったようだ。
しかし姫様が「ようこそ!」って出迎えてくれないわ、不審者扱いされるわ、勇者は1ヶ月前に旅立ってらしいし、じゃあ俺は何で召喚されたの?
優しい水の国アスペラルダの方々に触れながら、
冒険者家業で地力を付けながら、
訪れた異世界に潜む問題に自分で飛び込んでいく。
勇者ではありません。
召喚されたのかも迷い込んだのかもわかりません。
でも、優しい異世界への恩返しになれば・・・。