レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太

文字の大きさ
203 / 248
第5章 アンデッドでざまぁ

第203話 おっさん、街に着く

 街は城壁と立ち並ぶ家で構成されていた。
 城壁ぎわにみすぼらしい家がこびりつく様に建っている。
 どこも同じだな。
 街に居られない奴がスラムを形成する。

『宿をとるのか?』

 俺は屋根から下の客室にホワイトボードを差し込んだ。

「ええ、そうなるわね」

 少し間があり返答があった。

『俺の部屋は要らない。納屋でもあれば良い。なんなら、ドアの外で一晩中警護してやろうか』
「警護が必要な高価な物なんて持ってないわよ。夜這いにくるような奴もいないしね。たぶん、あなたが一番の貴重品ね。部屋の隅に立っていると良いわ」
『じゃ、クローゼットの中に居させてもらう』

 馬車は門をくぐり街に入り、街の広場に馬車は停まる。
 門の所で悶着があるかと思ったが、スキルで従えているとジェマが言ったら問題なかった。

 ジェマの後を大人しくついていき、宿に到着した。
 聞きたいことが実は山ほどある。
 うずうずしながら部屋に入る。

 部屋に入るとジェマは鎧を脱ぎ、鎧下も脱ぎ、下着だけの恰好になった。

「なによ」
『いや、何。俺は男なんだが』
「あなた、男だったの。スケルトンにも性別があるのね。でもスケルトンに見られたからと言って恥ずかしくないわ」
『いや、恥じらいを持てよ』
「さっきから文字に動揺が見られるわ。もしかして照れてるの。本当に変わってるのね。それより剣を返して」
『ああ、遅くなった』

 俺が剣を手放して、体の一部ではないと認識した途端に、剣は折れた。

「あーん、高かったのに。弁償してよ」
『悪いが金は持ってない。だが、必ず金は返す』
「絶対よ。約束だからね。破ったら承知しないんだから」

『ところで、重要な事を聞きたい。ここはどこだ』
「ラリーグ帝国のシュリルという街よ」

 ラリーグ帝国は俺が奴隷にされた国だ。
 ということは何らかの理由で、あの杭を刺された後に、俺の死骸を未開の地に放置したのだな。

『虹色に輝く杭みたいな武器なんだが、知っている事があるか』
「ええ、知っているわ。聖杭ミスランターね」
『どんな武器だ』
「何でも物凄い魔力が込められていて、当たれば死なない物はないとか」
『モンスター相手に使わないのか』
「杭だから、密着するのが難しいみたい。それに一度使うと壊れるそうよ。作るのに金貨1万枚だって聞いたわ」

 おー、最終兵器を使われたのだな。

『それを使うと死体はどうなる』
「高濃度の魔力に汚染されるそうよ。モンスター討伐に使わないのもこれが理由の一つね。素材が採れなくなるもの」
『汚染された死体とかはどうする』
「たぶん誰も居ない山なんかに捨てるんでしょ」

 あー、落ちが見えた。
 俺は高濃度の魔力に汚染された死体になった。
 そして、あの場所に捨てられた。
 アンデッドになったのは高濃度の魔力のせいだろう。

『ダイヤモンド魔導士会について噂がないか』
「隣国で解散したようね。隣国は革命が起こって、今は何だっけ。えっと人が集まって決める方式に、統治を切り替えたそうよ」
『その革命からどれだけ時間が経っている』
「始まったのが三年前。初めは一都市で起こったみたい。それが燃えるように広がって、首都も陥落したのよね」

 俺のやった事が国中に革命をもたらしたのか。
 良いか悪いかは別にして、無駄じゃなかったのだな。

『奴隷について聞きたい』
「王宮で使われているみたい。物凄い費用が掛かるから、滅多に奴隷に出来ないって聞いたわ」
『ありがとう』
「ところで何でこんな事を聞くの」
『知識欲の為だ』

 そう俺は嘘をついた。
 ここで、人間に戻ると皇帝やらの子飼いが殺しにくる可能性がある。
 ばれなきゃ良いだけだが、なんかばれそう何だよな。
 それと言うのも俺にはざまぁの宿命が宿ってる。
 皇帝とは嫌でも係わる事になりそうだ。

 これから活動する為にジェマには魔力通販の事を教えておくとするか。

「カタカタ(魔力通販メールオーダー)」

 ぽとり落ちるチョコレート。

「何いまの!? これ骨には見えないのだけど」
『俺が作ったお菓子で、剣を壊したお詫びの一部だ。食べてみろ美味いぞ』
「えっ、いいの。甘い物が大好きなの」

 ジェマはチョコレートの包みを開けると噛り付いた。

「甘ーい、とろけるよ。もっと出せないの」
『一日1個が限界だ』
「そう、残念ね。大金持ちの夢はついえるのね。やっぱりそうだと思ったわ」
『しょげるなよ。たまには菓子を出してやる』

「こういう餌を用意したって事は。私に何かやらせたいんでしょ」
『ダンジョンコアを討伐したい』
「無理よ。無理。逆立ちしてもできっこないわ」
『戦うのは俺がやる。見てるだけで良い。獲得した魔石も進呈しよう。剣の購入代金に充ててくれ』
「かなりお得な提案ね。こうしましょ。試しに何日かやってみてから考える。1階層では負けないでしょ」
『よし、約束だ』

 何が無くてもレベルアップだ。
 ファイタースケルトンなのだから、2階層も余裕だろう。
 問題はそれ以降だ。
 金属を操る能力があれば無敵だと言いたいが、敵も同じ能力なんだよな。
 まあ、何とかやってやるさ。
 皮鎧が入っているクローゼットに俺は収まり、眠れないので戦法を色々と考え始めた。

あなたにおすすめの小説

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜

あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい! ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット” ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで? 異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。 チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。 「────さてと、今日は何を読もうかな」 これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。 ◆小説家になろう様でも、公開中◆ ◆恋愛要素は、ありません◆

ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ

高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。 タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。 ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。 本編完結済み。 外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

黄玉八重
ファンタジー
水無月宗八は意識を取り戻した。 そこは誰もいない大きい部屋で、どうやら異世界召喚に遭ったようだ。 しかし姫様が「ようこそ!」って出迎えてくれないわ、不審者扱いされるわ、勇者は1ヶ月前に旅立ってらしいし、じゃあ俺は何で召喚されたの? 優しい水の国アスペラルダの方々に触れながら、 冒険者家業で地力を付けながら、 訪れた異世界に潜む問題に自分で飛び込んでいく。 勇者ではありません。 召喚されたのかも迷い込んだのかもわかりません。 でも、優しい異世界への恩返しになれば・・・。