228 / 248
第5章 アンデッドでざまぁ
第228話 おっさん、人探し依頼を受ける
ソーセージ店で買い物をしたらメモを渡された。
メモにはこの場所にいる人物に会えと記されている。
それと合言葉と地図が添えてあった。
俺はその場所に向かった。
地図ではここだな。
勝手知ったるスラムだ。
なんとなく懐かしい。
「おい、冒険者の兄ちゃん、金を恵んでくれないか」
こういう輩に銅貨一枚でも渡すと同類が群がってきて、仕舞いには身ぐるみはがされる。
「顔役の所へ連れて行け。いるんだろそういう奴が」
「ちぇ、カモだと思ったが、スラムに詳しい奴か。良いだろ、ついて来い」
暗がりに誘い込まれるかと思ったが、建付けの悪い家の前に連れて来られた。
「案内ご苦労。銅貨5枚だ」
「しけてやがんな」
俺は家に入って声を張り上げる。
「スラムに用があって来た」
「変な兜を被っているな。面白い。気に入ったぜ。その形はまるであれだな。びんびんだな」
あれに関しては追及しないでおこう。
「スラムにいる人間に会うように言われたんだ。地図を持っている」
「こりゃ、ジェフとステア兄弟の住処だな」
「案内してくれ」
「いいとも」
兄弟の家に案内された。
板を打ち付けて作った小屋みたいな家だ。
「誰かいるか」
少年が一人出て来た。
少年は最初が歓喜の顔で、次第に落胆の顔に、そして険しい表情になった。
「顔役じゃないか。今、忙しいんだ。帰ってくれ」
「白いカラスが鳴く」
「そうか、あんたが。ここではなんだ。入ってくれ」
家に入り話の続きを促す。
「弟が帰って来ないんだ」
「なるほど、探してほしいって訳か」
「無理だな」
顔役が頭から否定した。
「やってみないと分からないだろう」
「スラムで姿を消す奴が何人いると思っている。見つかったなんて話はとんと聞かない。まず無理だ」
「顔役は黙っててくれ。俺は弟をどうしても探したい」
「俺はお呼びじゃないようだ。帰る」
「おう、世話になった」
俺は銀貨を投げ渡した。
「用があればいつでも呼べ。金額に応じてやってやる」
顔役は上機嫌で去って行った。
「手がかりは無いのか」
ジェフはうつむいたまま何も言わなくなった。
「黙っていたら分からない」
「無いんだ。誰に聞いてもさらわれた現場が分からない」
「困ったな」
ヴァンパイヤの能力に頼ってみるか。
まずは匂いだ。
ヴァンパイヤは人間よりは鼻が利く。
「弟の衣類を貸してくれ。匂いを追う」
「今、持ってくる」
持ってこられた衣類は少ない。
そうだよな。
スラム暮らしじゃ着る物は少ない。
衣類の中に俺は血の匂いを嗅ぎ取った。
「これは」
「それは行方不明になる何日か前に、弟が転んでひざを擦りむいた。それでズボンに血の染みができたんだ」
なるほど、行方不明になる原因が殺傷なら、現場が分かるかもな。
「よし、匂いは覚えた。追跡にかかる」
弟のステアの血の匂いが微かにする。
それを俺は追った。
そして道端に汚い布切れが落ちているのを見つけた。
「ステアの手ぬぐいだ。間違いない」
手ぬぐいには血で『助けて』と書かれていた。
「弟は良く字が書けたな」
「俺と弟はレジスタンスの工作員の修行をしてた。さっきは顔役がいたので言えなかった」
「じゃあ、捕まったのはそのせいかな」
「いや、任務はまだやった事がない。俺と弟が工作員だと知っているのはレジスタンスでも一部の人だけだ」
「そうか、偶然か。手がかりはまだ落ちているかもな」
俺は追跡を再開した。
微かな血の匂いは街道に向かっている。
「遠くに連れていかれたらしい」
「どこまでも付き合うよ。弟の為だ」
「よし、このまま痕跡を追って街道を行こう」
俺はスクーターを出した。
「何これ恰好良い」
「乗り物だ。早いぞ。馬車より数段早い」
「ヘルメットだ。被っておけ」
「変な兜。でも丈夫そうだ」
ガソリンの匂いがあっても血の匂いは誤魔化されない。
ヴァンパイヤの血を嗅ぎ分ける能力は半端じゃないな。
この分だとさらった奴に追いつけるかもな。
無事でいると良いが。
メモにはこの場所にいる人物に会えと記されている。
それと合言葉と地図が添えてあった。
俺はその場所に向かった。
地図ではここだな。
勝手知ったるスラムだ。
なんとなく懐かしい。
「おい、冒険者の兄ちゃん、金を恵んでくれないか」
こういう輩に銅貨一枚でも渡すと同類が群がってきて、仕舞いには身ぐるみはがされる。
「顔役の所へ連れて行け。いるんだろそういう奴が」
「ちぇ、カモだと思ったが、スラムに詳しい奴か。良いだろ、ついて来い」
暗がりに誘い込まれるかと思ったが、建付けの悪い家の前に連れて来られた。
「案内ご苦労。銅貨5枚だ」
「しけてやがんな」
俺は家に入って声を張り上げる。
「スラムに用があって来た」
「変な兜を被っているな。面白い。気に入ったぜ。その形はまるであれだな。びんびんだな」
あれに関しては追及しないでおこう。
「スラムにいる人間に会うように言われたんだ。地図を持っている」
「こりゃ、ジェフとステア兄弟の住処だな」
「案内してくれ」
「いいとも」
兄弟の家に案内された。
板を打ち付けて作った小屋みたいな家だ。
「誰かいるか」
少年が一人出て来た。
少年は最初が歓喜の顔で、次第に落胆の顔に、そして険しい表情になった。
「顔役じゃないか。今、忙しいんだ。帰ってくれ」
「白いカラスが鳴く」
「そうか、あんたが。ここではなんだ。入ってくれ」
家に入り話の続きを促す。
「弟が帰って来ないんだ」
「なるほど、探してほしいって訳か」
「無理だな」
顔役が頭から否定した。
「やってみないと分からないだろう」
「スラムで姿を消す奴が何人いると思っている。見つかったなんて話はとんと聞かない。まず無理だ」
「顔役は黙っててくれ。俺は弟をどうしても探したい」
「俺はお呼びじゃないようだ。帰る」
「おう、世話になった」
俺は銀貨を投げ渡した。
「用があればいつでも呼べ。金額に応じてやってやる」
顔役は上機嫌で去って行った。
「手がかりは無いのか」
ジェフはうつむいたまま何も言わなくなった。
「黙っていたら分からない」
「無いんだ。誰に聞いてもさらわれた現場が分からない」
「困ったな」
ヴァンパイヤの能力に頼ってみるか。
まずは匂いだ。
ヴァンパイヤは人間よりは鼻が利く。
「弟の衣類を貸してくれ。匂いを追う」
「今、持ってくる」
持ってこられた衣類は少ない。
そうだよな。
スラム暮らしじゃ着る物は少ない。
衣類の中に俺は血の匂いを嗅ぎ取った。
「これは」
「それは行方不明になる何日か前に、弟が転んでひざを擦りむいた。それでズボンに血の染みができたんだ」
なるほど、行方不明になる原因が殺傷なら、現場が分かるかもな。
「よし、匂いは覚えた。追跡にかかる」
弟のステアの血の匂いが微かにする。
それを俺は追った。
そして道端に汚い布切れが落ちているのを見つけた。
「ステアの手ぬぐいだ。間違いない」
手ぬぐいには血で『助けて』と書かれていた。
「弟は良く字が書けたな」
「俺と弟はレジスタンスの工作員の修行をしてた。さっきは顔役がいたので言えなかった」
「じゃあ、捕まったのはそのせいかな」
「いや、任務はまだやった事がない。俺と弟が工作員だと知っているのはレジスタンスでも一部の人だけだ」
「そうか、偶然か。手がかりはまだ落ちているかもな」
俺は追跡を再開した。
微かな血の匂いは街道に向かっている。
「遠くに連れていかれたらしい」
「どこまでも付き合うよ。弟の為だ」
「よし、このまま痕跡を追って街道を行こう」
俺はスクーターを出した。
「何これ恰好良い」
「乗り物だ。早いぞ。馬車より数段早い」
「ヘルメットだ。被っておけ」
「変な兜。でも丈夫そうだ」
ガソリンの匂いがあっても血の匂いは誤魔化されない。
ヴァンパイヤの血を嗅ぎ分ける能力は半端じゃないな。
この分だとさらった奴に追いつけるかもな。
無事でいると良いが。
あなたにおすすめの小説
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜
あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい!
ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット”
ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで?
異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。
チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。
「────さてと、今日は何を読もうかな」
これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。
◆小説家になろう様でも、公開中◆
◆恋愛要素は、ありません◆
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。
黄玉八重
ファンタジー
水無月宗八は意識を取り戻した。
そこは誰もいない大きい部屋で、どうやら異世界召喚に遭ったようだ。
しかし姫様が「ようこそ!」って出迎えてくれないわ、不審者扱いされるわ、勇者は1ヶ月前に旅立ってらしいし、じゃあ俺は何で召喚されたの?
優しい水の国アスペラルダの方々に触れながら、
冒険者家業で地力を付けながら、
訪れた異世界に潜む問題に自分で飛び込んでいく。
勇者ではありません。
召喚されたのかも迷い込んだのかもわかりません。
でも、優しい異世界への恩返しになれば・・・。