無職の俺は追放されてもへっちゃらカタログスペック100%があるから ~現実を強引に俺の真実で塗り替える~

喰寝丸太

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魔王決戦編

第85話 王女とデート

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「ちょっとお話があります」

 王女から切羽詰った声でいきなり話し掛けられた。
 なんかストレスたまっているのかな。
 王女だもんな。
 そりゃ色々あるだろう。

「何かな」
「私迷っているのです。エターヤルお兄様にも言われましたけど、このままでいいのかなと」
「何を迷っているんだ」
「政略結婚に応じていいのかなと」

 俺には人生相談に乗れるほどの経験はない。
 月並みな言葉しか返せないがだめだろうか。



「何事も諦めたら駄目なんじゃないかな。諦めたら試合終了って言葉もあるぐらいだしさ」

 うん、思った通りありきたりな言葉しか出てこない。

「私を連れて逃げてもらえませんか」
「悪いが俺は元の世界に戻ると決めている」

 それは譲れない。
 そうでなきゃ今までの行動が無になってしまう。

「逃げたら試合終了なんですね」
「そうだ。逃げられない。それに魔王からは逃げられない気がするんだ」
「それに魔王軍との戦いを決意した人間も見捨てられない」
「そうですか。では一日付き合ってもらえませんか」
「いいよ。それくらい」



 俺は王女と連れ立って街を歩き始めた。
 普段歩き慣れていないのだろう、王女が疲れた様子を見せる。
 俺達はカフェテラスの様な店に入った。

 メニューを見ると珍しい事にアイスクリームがある。
 異世界にもアイスクリームあるんだな。
 ちょっと待て今思いついた。
 ガラスの大きな器にパンケーキやナッツやらドライフルーツ、隙間にアイスを入れる。
 そして、仕上げにアイスと焼き菓子をトッピングしてなんちゃってパフェを作った。

「どうかな。女の子はこういうのが好きだと思ったけど」
「私こんなに食べられません」
「じゃあ二人で食べよう」

 スプーンを二つ注文して、二人で食べ始めた。

「ふふふ」

 王女が笑った。
 ちょっとなれなれしいかな。
 呆れられたのかな。

「どうしたの」
「なんか楽しくなったんです」
「そうだよな。二人で一緒の料理を突くなんてしないだろうから」
「そうですね。行儀悪いですね」

 なんちゃってパフェを食べ終わり、俺達は芝居見物をする事になった。
 芝居は英雄譚だったが恋愛の要素もあり王女も楽しめたようだ。

「私の職業は聖女です」
「そうなんだ。俺はジョブレス。いいや無職だ」
「えっ、あんなに色々できるのに無職なんですか」
「スキルが優秀なんだよ」
「私、神託のスキルを持っているのです」
「知ってるよ。偽魔王を倒した時に言っていただろう」
「それで、芝居を見て思いつきました。神託のお芝居したらどうかなと」
「うん、嘘も方便て言うしな。場合によってはありだろ」
「あなたが魔王を倒した事にすればいいのです」
「それはどうだろう。それじゃ約束するよ。もし魔王を倒す機会があればためらわないと」
「私の為に魔王を倒して下さい」
「うん、任された」

 俺はアイテム鞄から紐を取り出してミサンガを作り始めた。
 戦いの神と狩の神が友情を誓いあった時に作った神器だ。
 どちらか一方が死ぬと相手のミサンガが切れるらしい。
 材料は糸になんと狼の毛。
 理由は分からないが集団で仲が良さそうだからだろうか。
 とにかく作って神話片手に。

「カタログスペック100%」

 王女に友情の証だと渡すと王女はにっこり笑った。
 王女の笑顔が眩しい。
 出来る事はやってやろうという気になった。
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