グッド!スメル【過労が溜まっていたらしく死神が来ちゃったけど、昔何気なく助けた動物に恩返しされて異世界で暮らすことになりました。】

モルモット

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魔女の呪いが解けたとき「エピローグ」

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そして 復興もひと段落して村を出ることにした。
「メェー メェー」
前から約束をしていた通り、ヨーゼンが羊を売りに行くので付いていくことにした。
だけど「羊の数がちょっと多くないか」と思うくらいの数だった。
もしかしてヨーゼンは大農場を経営してたのか?
「いいや これでいいんだ。羊も牛も全部売ることにした。
なあ オーレンス。俺もお前の旅の仲間として連れて行ってくれないか?」

照れ臭そうに首の後ろをかきながら 頼まれたけど、一緒に旅をしてくれるなんて
そんなの願ったり叶ったりだよ。
「いいのか? いいや これからよろしくな、ヨーゼン」
俺たちは熱い握手を交わした。

「オーレンス 見送りに来たわよ」と手を振りながら村長とジェフラが歩いてきた。
「オーレンス殿にはなんとお礼を言えばいいのかわかりません。
銅のジャンバル像が完成した暁には再びこの村を訪ねてください」
見送りに来てくれてありがとう。
「お世話になりました。ヨハンのごはんも美味しかったです」

でも ジェフラはなんかへんだな。
「さっきから お腹をさすってまチュね」
「朝からゲロゲロかも シクシク」
いいや それはないだろう。
ジェフラはスキル「ヒロイン」とか持ってそうな奴だからな
多分そういうもんは出ないようにできてるんだよ。
魔法がない地球でもそういう人はいただろ?
「幻想 ガハハ」

「オーレンスさん」サウレが杖を突きながらゆっくりと歩いてきた。
後ろにはセレネが付いてきている。
でも セレネの顔は暗い顔で目が腫れぼったくなっていた。
ずっと泣いていたのかな?
「オーレンス・・」
セレネは崩れるように俺に抱き着いてきて顔をうずめた。
涙は泣きすぎてもう出ないようだけど 俺の胸に顔を押し当てて泣いているようだった。

サウレが娘を心配する視線を送りながら母親の優しい声で俺に語り掛けてきた。
「オーレンスさん セレネをお願いします。」
「はい セレネにはこの世界の色々なものを見せて体験させてやろうと思っています。
次に帰ってきたときを楽しみにしていてください」
そういうとサウレは微笑んで優しく杖を突き出した。
何をするんだろう?
「セレネ。私に呪いがかけられている話は知っていますね。」
セレネは俺に顔をうずめたままで うなずいていた。
あなたには私と同じような人生の過ちを歩んでほしくないと
若い頃の私は思いました。
そこで実は私はあなたにある魔法をかけていたのです。
ですがオーレンスと出会った今、その心配はなくなり、その呪いも解呪をするときがきました」 

「デゴブメスン!!!」

杖を軽く数回回すと光が現れてセレネの頭が ピカ!と光った。
光っただけで何が起こったのかわからなかったセレネだったが
母に確認しようと後ろを振り返ると見送りに来てくれた人たちから淡い声が漏れた。

「はぁ~ なんてこと」
「なんと なんと 素晴らしい。美しいのだ」
「俺は羊にしか興味がなかったのに 何かの扉が開いちゃいそうだぜ」
「すごい すごいわ セレネ! 私なんかよりもずっと可愛い」

「ええ? 私が可愛いですって?みんな何を言っているの?」

「ええ 見た目はそのままだけど
あなたの魅力は何の個性もない村娘にみえるように魔法をかけていたのよ。
でも これでちゃんと元に戻っているはず。
それでね、セレネ。これを見なさい。
この絵に描かれている女性は小人に滅ぼされた国。
ホコサセレーネの王女さまです。
そして あなたのヒイヒイおばあ様なのですよ。
あなたに そっくりでしょ? 
金貨のモデルになるくらい美しい人だったらしいわ。
あー よかったわ。ずっと あなたに見せたかったのに見せられなかったの。
さあ セレネ、オーレンスさんと行きなさい。
そしてまた 元気な顔を見せに帰って来てね」

「はい お母さん。」

こうして 俺たち3人の旅は始まった。
コーヒーに変わる飲み物を見つけ出し 
ついでに賢者スデーモを見つけ出せたらと思っている。
別に何をやってもいいと思うんだ、なぜなら・・・

「ねえ ヨーゼン。ヨーゼンが羊を売りに行く街ってどんなところなのかしら?」

「街と言っても、のどかなところだ。
でも 夜になると街の中に巨大モンスターが現れるって話だぜ」

「おいおい 大丈夫かよ」

心が満たされることを基準に俺は生きていこうと思うから・・

・・・・・
セレネ、行ってしまったわね。
でも大丈夫よ あなたと私の絆は消えることはないわ。
私たちはすれ違いが多かったけど、、でも私たちに奇跡が起こったのよ。
親友になれたぁ。でも 今度はね セレネ。
子供たちの番なのよ。
いづれあなたは オーレンスと結ばれて子供を産むでしょ?
だから、私も子供を産むの。ふふふ。
私たちの子供はね。絶対に仲良くなれるの!絶対に絶対に仲良しなのよ。

どうしてって?思うでしょ?
安心してセレネ。あの7日間の事は誰にも秘密なんだけど、
私は自分の体に、あなたの子供と私の子供が仲良くなれるように魔法をかけたの。

だぁ~ってぇ~。私たちの子供は血を分けた兄弟なのよ。ね?素敵でしょ?ふふふ。 
いつか、子育ての話をしながら一緒に ココルカを飲みましょうね。
ああ 子供たちが一緒に手をつないで仲良く遊ぶ姿を見るのが、、
ああ、、その日が待ち遠しい・・。

ジェフラはゆっくりとお腹をさすり、笑みを浮かべた。
ジェフラの笑みは、すでに母親の顔の笑みだった。。。
・・・・・

「最後まで読んでくれてありがとうでチュ」
「この物語を最後まで書き進められたのは あなたのおかげゲロ 涙だブシャー」
「感謝 カンゲキ 」
「ぶ~ん ぶ~ん(ありがとう)」
「これからも元気で過ごしてもらえるように お主に捧げるジャンバル踊りじゃ
ジャンバ♪ ジャンバル♪ ジャンバル♪ ホイホイ」
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