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第1話 未来の新型キャンピングカー
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「何するんだ!」
テレビの画面が真っ暗になりコンセントを抜いた本人の顔を見上げると激怒して顔を真っ赤にしている母親だ。
「ショウスケ!ゲームばっかりやってたらコミュ障になっちゃうわ。友達ができなきゃ彼女だってできないのよ!!」
そのまま引っ張られてドアの外へ 追い出されドアをしめられてしまった。。
実は父親の仕事がうまくいってないみたいで それで最近は母親までカリカリしているのかもしれない。
いっそこのまま1日くらい家出したほうがいいかもしれない。
いいや 無言で家出は・・ それはまずいだろ。。まてよ・・。
俺はキャンプ道具を取りに家に戻ることにした。
「キャンプ道具あったよな?。俺キャンプ行ってくるわ」
「どうしちゃったの?」
息子のトンチンカンな言葉にドアを開けてくれた母親だったけど キャンプ道具の用意を始めると感心したかのようにタオルなんかを用意してくれた。
でも 俺の目的はちょっと違う。
近所に無料のキャンプ場があって誰にも邪魔をされない自分だけの部屋を作ることができる
「GAMEなんて どこだってできるんだから!ははは」
プシュッ!!
俺はスマートフォン片手に切り株に座り 缶コーヒーを開けて勝利の乾杯をした。
「キャンプ最高だぜ!ヒャッホイ! GAMEの中に俺の友達はいる。そして彼女だって・・ おっとそろそろイベントの時間かな?」
そんなとき 声をかけ来た人がいた。
「大丈夫か? お前のテント潰れてるぞ」
振り返ると 折り紙のように倒れたテントの姿があった。
「えええ!」
見たところ 20代のおじさんだろうか?無精ひげに伸びた髪
品は良さそうなのに 無理してホームレスしてますって感じの人だった。
「おじさん誰?」
「オレの名前はカムイ。テント張りなおすんだろ?手伝ってやるよ」
だけど 俺のテントの部品は足りなかったらしく張りなおすことができなかった。
でもカムイが泊めてくれるという話になった。
夜になって焚火を焚くとオレンジ色が俺たちを照らす。
ドリッパーから滴るしずくが琥珀色の特別なものに見えた。
「これが コーヒーなのか?」
「ああ そうさ これがキャンプコーヒーだ。器が熱いから気を付けて・・」
「アッチ・・アッチ・・ でも 大人の味だね」
「そうだな。確かに大人の味だな。じゃぁ 今度は大人の話をしようか?」
「カムイって大学生くらいだろ?大人の話って・・へへへ」
「こう見えても社会人だ。 それより・・」
大人の話と言っても俺の話ばかりだった。
カムイは 大学生っぽい感じがしたけど 自分の事を話すのは得意じゃないようだ。
「・・・ははは。電源を抜かれたのか?オレも昔やられたことがあるぜ。そうだ キャンプを始めたのも何かの縁だ。コレに行ってみないか?」
一枚のビラを渡された。
「未来のキャンピングカー cabin02のモーターショーだって?」
未来という言葉がGAMEに重なるところがあって ロボットに変形しなくても行ってみる価値があると思った。
・・・・
モーターショーのお姉さんの司会に胸が高まる。
「それでは 未来のキャンピングカー「cabin02」のお披露目です。カーテン オープン!!」
喝采と拍手の中cabin02は姿を現した。
パチパチパチ
「うわ~ これが「cabin02」か すごい すごいよ。カッコいい」
学生の頃はすごいの一言だった。
けど 俺に神が舞い降りた。
そして 手紙を書いた。
「拝啓 cabin02の開発者様。あなたは天才だアインシュタインだ!・・」
だけど 返事が返ってきた。「・・・君ならできるさ。挑戦でうまくいかなくてもそれは失敗じゃない・・」
それから俺はGAMEを全部売った。
・・・・
「そうなんだ カムイ。 GAMEを卒業したんだ俺わ!」
「へぇ~ 思い切ったじゃないか」
「そしたらGAME仲間から 無理だとかコミュ障になるって言われたよ。あと バイトも始めたんだ」
「急にどうしたんだ?すごいじゃないか?それで何を始めたんだ?」
「パン屋さ」
パン屋は学校の近くで 昔は賑わいがあって大きな釜のあるパン屋だったけど
今はお客も少ないし おやじさんも苦労のせいなのか ハゲていた。
「ショウスケ 窯の中を覗いてみろ?ソーセージがカエルに見えるだろ。ははは」
「ソーセージにしか見えませんよ。ははは」
・・・
店番を任されることもあって
「ショウスケくん?私よ 担任のサクラ。働くのは大人になってからで十分よ。それより部活に入らないとぉ コミュ障になっちゃうわよ。聞いてる?」
「イイエ ヒトチガイデス・・」
先生に見つかってしまったりと 色々あったけど卒業の日がやってきてお世話になったパン屋に向かった。
「3年間 お疲れ様。ショウスケにはケーキを作ったぞ」
「これわぁぁぁぁ・・・ cabin02のケーキだ! うわぁぁぁん おやじさん!!」
「がんばれよ。うちも潰れないように頑張るからよ ははは」
男同士で抱き合った。そしてブラック企業で頑張って行こうと決心も付いて意気揚々と家に帰った。
だけど 家の中の様子が明らかにおかしかった。
「ショウスケ・・お父さんの会社潰れちゃったの」
「すまん ショウスケ。生活費の事だが・・」
暗い話だった。
アルバイトで稼いだお金ぐらいじゃ生活費の足しにしかならないだろうけど 両親に通帳を渡した。
家に居づらくなったからキャンプ場にやってくることが増えたそんなある日。
焚火を焚いてコーヒーを飲むことが出来る
オレンジ色の光に揺られながら ドリッパーから一滴 一滴と落ちる液体を見ていると自分の価値感に浸っているような気持になった。
「よう やってるね!」
「カムイじゃないか? コーヒー飲んでいくだろ?」
「ああ でもその前にショウスケ。君に頼みがある」
「改まってどうしたんだ?金はないぜ」
「ははは 安心しろ。駐車場に行くだけさ」
駐車場に着くと キャンピングカーが一台止まっていた。
「これは・・」
「もちろんcabin02さ。 改めましてショウスケ。オレがcabin02の開発者だ」
絶句するしかなかった。
何度もメールを送った開発者がキャンプ仲間のカムイだった。
「実は オレは外国で勉強をやり直そうと考えている。cabin02が出てから03も04も開発されたけど 実は02とほとんど変わらないんだ。」
カムイは コブシを作るとキリリとした顔つきになり急にすごいヤツに見えた。
「だから 私は02を超える車を造るのさ!!応援してくれ」
俺は カムイにcabin02を託された。
詳しくはモニターとして働いてくれと言うことだけど ブログを書いて広告収入を得られるようなキャンプをしろという内容の仕事だった。
俺は カムイに抱き着いた。
男と抱き合うのは2回目だ。
カムイが外国へ行ってから 山や温泉地をめぐってキャンプをしながらブログを始めてみた。
そうだ 今日は海に行って波の音を聞きながら眠ろう。
パソコンを立ち上げて 「海の子守歌で眠ります」と書き込むと
「いいね!」
「俺も行きたい」
とすぐに コメントをくれる人たちも増えてきた。
カムイからも「順調そうで何よりだ」というメールを貰っているけど やっぱり
もう少しだけ 面白いことが起こらないかな?
初対面が苦手な俺には 自分でイベントを企画するなんてことは難しいけど
でも ワクワクする体験はしてみたい。。
思いに更けてから パソコンを閉じて眠りについた。
・・・・
「あははは あははは いやーねぇ~そうなの? 笑わせないでしょ! クシュン!!
あ~あ~ リザリアが悪いんだからねぇ 落っことしちゃったじゃないのよ」
夢か?いい加減な感じの人の声が聞こえるけど・・気のせいか・・。
・・・・
でも 目覚めて開口一番聞こえてきたのは「コケコッコー」の鳥の声、
あれ?カモメってそんな鳴き声だったっけ?
昨日は海にいたはずなのに ニワトリの声がする。
モニターを付ければ済むことなのに そんな事も忘れて車のドアを開けた。
そこには柔らかい日差しが差し込み、海の代わりに草木が生い茂り、土の道があった。
いったい何が起こったんだ?
テレビの画面が真っ暗になりコンセントを抜いた本人の顔を見上げると激怒して顔を真っ赤にしている母親だ。
「ショウスケ!ゲームばっかりやってたらコミュ障になっちゃうわ。友達ができなきゃ彼女だってできないのよ!!」
そのまま引っ張られてドアの外へ 追い出されドアをしめられてしまった。。
実は父親の仕事がうまくいってないみたいで それで最近は母親までカリカリしているのかもしれない。
いっそこのまま1日くらい家出したほうがいいかもしれない。
いいや 無言で家出は・・ それはまずいだろ。。まてよ・・。
俺はキャンプ道具を取りに家に戻ることにした。
「キャンプ道具あったよな?。俺キャンプ行ってくるわ」
「どうしちゃったの?」
息子のトンチンカンな言葉にドアを開けてくれた母親だったけど キャンプ道具の用意を始めると感心したかのようにタオルなんかを用意してくれた。
でも 俺の目的はちょっと違う。
近所に無料のキャンプ場があって誰にも邪魔をされない自分だけの部屋を作ることができる
「GAMEなんて どこだってできるんだから!ははは」
プシュッ!!
俺はスマートフォン片手に切り株に座り 缶コーヒーを開けて勝利の乾杯をした。
「キャンプ最高だぜ!ヒャッホイ! GAMEの中に俺の友達はいる。そして彼女だって・・ おっとそろそろイベントの時間かな?」
そんなとき 声をかけ来た人がいた。
「大丈夫か? お前のテント潰れてるぞ」
振り返ると 折り紙のように倒れたテントの姿があった。
「えええ!」
見たところ 20代のおじさんだろうか?無精ひげに伸びた髪
品は良さそうなのに 無理してホームレスしてますって感じの人だった。
「おじさん誰?」
「オレの名前はカムイ。テント張りなおすんだろ?手伝ってやるよ」
だけど 俺のテントの部品は足りなかったらしく張りなおすことができなかった。
でもカムイが泊めてくれるという話になった。
夜になって焚火を焚くとオレンジ色が俺たちを照らす。
ドリッパーから滴るしずくが琥珀色の特別なものに見えた。
「これが コーヒーなのか?」
「ああ そうさ これがキャンプコーヒーだ。器が熱いから気を付けて・・」
「アッチ・・アッチ・・ でも 大人の味だね」
「そうだな。確かに大人の味だな。じゃぁ 今度は大人の話をしようか?」
「カムイって大学生くらいだろ?大人の話って・・へへへ」
「こう見えても社会人だ。 それより・・」
大人の話と言っても俺の話ばかりだった。
カムイは 大学生っぽい感じがしたけど 自分の事を話すのは得意じゃないようだ。
「・・・ははは。電源を抜かれたのか?オレも昔やられたことがあるぜ。そうだ キャンプを始めたのも何かの縁だ。コレに行ってみないか?」
一枚のビラを渡された。
「未来のキャンピングカー cabin02のモーターショーだって?」
未来という言葉がGAMEに重なるところがあって ロボットに変形しなくても行ってみる価値があると思った。
・・・・
モーターショーのお姉さんの司会に胸が高まる。
「それでは 未来のキャンピングカー「cabin02」のお披露目です。カーテン オープン!!」
喝采と拍手の中cabin02は姿を現した。
パチパチパチ
「うわ~ これが「cabin02」か すごい すごいよ。カッコいい」
学生の頃はすごいの一言だった。
けど 俺に神が舞い降りた。
そして 手紙を書いた。
「拝啓 cabin02の開発者様。あなたは天才だアインシュタインだ!・・」
だけど 返事が返ってきた。「・・・君ならできるさ。挑戦でうまくいかなくてもそれは失敗じゃない・・」
それから俺はGAMEを全部売った。
・・・・
「そうなんだ カムイ。 GAMEを卒業したんだ俺わ!」
「へぇ~ 思い切ったじゃないか」
「そしたらGAME仲間から 無理だとかコミュ障になるって言われたよ。あと バイトも始めたんだ」
「急にどうしたんだ?すごいじゃないか?それで何を始めたんだ?」
「パン屋さ」
パン屋は学校の近くで 昔は賑わいがあって大きな釜のあるパン屋だったけど
今はお客も少ないし おやじさんも苦労のせいなのか ハゲていた。
「ショウスケ 窯の中を覗いてみろ?ソーセージがカエルに見えるだろ。ははは」
「ソーセージにしか見えませんよ。ははは」
・・・
店番を任されることもあって
「ショウスケくん?私よ 担任のサクラ。働くのは大人になってからで十分よ。それより部活に入らないとぉ コミュ障になっちゃうわよ。聞いてる?」
「イイエ ヒトチガイデス・・」
先生に見つかってしまったりと 色々あったけど卒業の日がやってきてお世話になったパン屋に向かった。
「3年間 お疲れ様。ショウスケにはケーキを作ったぞ」
「これわぁぁぁぁ・・・ cabin02のケーキだ! うわぁぁぁん おやじさん!!」
「がんばれよ。うちも潰れないように頑張るからよ ははは」
男同士で抱き合った。そしてブラック企業で頑張って行こうと決心も付いて意気揚々と家に帰った。
だけど 家の中の様子が明らかにおかしかった。
「ショウスケ・・お父さんの会社潰れちゃったの」
「すまん ショウスケ。生活費の事だが・・」
暗い話だった。
アルバイトで稼いだお金ぐらいじゃ生活費の足しにしかならないだろうけど 両親に通帳を渡した。
家に居づらくなったからキャンプ場にやってくることが増えたそんなある日。
焚火を焚いてコーヒーを飲むことが出来る
オレンジ色の光に揺られながら ドリッパーから一滴 一滴と落ちる液体を見ていると自分の価値感に浸っているような気持になった。
「よう やってるね!」
「カムイじゃないか? コーヒー飲んでいくだろ?」
「ああ でもその前にショウスケ。君に頼みがある」
「改まってどうしたんだ?金はないぜ」
「ははは 安心しろ。駐車場に行くだけさ」
駐車場に着くと キャンピングカーが一台止まっていた。
「これは・・」
「もちろんcabin02さ。 改めましてショウスケ。オレがcabin02の開発者だ」
絶句するしかなかった。
何度もメールを送った開発者がキャンプ仲間のカムイだった。
「実は オレは外国で勉強をやり直そうと考えている。cabin02が出てから03も04も開発されたけど 実は02とほとんど変わらないんだ。」
カムイは コブシを作るとキリリとした顔つきになり急にすごいヤツに見えた。
「だから 私は02を超える車を造るのさ!!応援してくれ」
俺は カムイにcabin02を託された。
詳しくはモニターとして働いてくれと言うことだけど ブログを書いて広告収入を得られるようなキャンプをしろという内容の仕事だった。
俺は カムイに抱き着いた。
男と抱き合うのは2回目だ。
カムイが外国へ行ってから 山や温泉地をめぐってキャンプをしながらブログを始めてみた。
そうだ 今日は海に行って波の音を聞きながら眠ろう。
パソコンを立ち上げて 「海の子守歌で眠ります」と書き込むと
「いいね!」
「俺も行きたい」
とすぐに コメントをくれる人たちも増えてきた。
カムイからも「順調そうで何よりだ」というメールを貰っているけど やっぱり
もう少しだけ 面白いことが起こらないかな?
初対面が苦手な俺には 自分でイベントを企画するなんてことは難しいけど
でも ワクワクする体験はしてみたい。。
思いに更けてから パソコンを閉じて眠りについた。
・・・・
「あははは あははは いやーねぇ~そうなの? 笑わせないでしょ! クシュン!!
あ~あ~ リザリアが悪いんだからねぇ 落っことしちゃったじゃないのよ」
夢か?いい加減な感じの人の声が聞こえるけど・・気のせいか・・。
・・・・
でも 目覚めて開口一番聞こえてきたのは「コケコッコー」の鳥の声、
あれ?カモメってそんな鳴き声だったっけ?
昨日は海にいたはずなのに ニワトリの声がする。
モニターを付ければ済むことなのに そんな事も忘れて車のドアを開けた。
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