絆のゲーム: 生き残りの誓い

ゲームの前の静けさ

渚の歌声が静まりかえった廃墟にこだまする。しかしその直後、凶悪犯の一人が渚の頭を強打した。

「クズがうるさくて仕方ねぇんだよ!このド生活が嫌ならさっさと死んでしまえ!!」

渚は泣きだし、竜宮たちが必死になだめる。凶悪犯は嘲笑い、この状況から生きてる希望などないと口走る。

涙を流す渚を火村が抱きしめる。「俺が守るからな!泣くな!!」。竜宮も励ました。「俺たちがある限り大丈夫だ」

そのとき、メイド服を着た男が現れ感動の涙を流した。「みなさんの絆の素晴らしさに胸を打たれました」。驚くニートたちに、男は自分がニートで隠し事をしていたと告白するのだった。

「食料が底をついた。この先まともに栄養摂取できない」
月島が焦りを隠せない様子で竜宮に訴えかける。防犯カメラの映像解析で脱出の糸口を見出そうと必死である。

「あいつらぁ!許せねぇ...我慢の限界だ!!」
火村が怒り心頭に発し、周囲の器物を蹴散らした。竜宮が腕を抱えてぐっすり眠らせる。

渚の優しい歌声が、絶望的状況下でこころを慰める。苦痛を抱えながらも諦めない竜宮たちの姿がそこにはあった。

数時間後、月島の目が覚めた。防犯カメラの映像解析が脱出の可能性を示唆したのだ。知性が開花し、竜宮たちを導くのだった――。

月島の警告通り、食料争奪戦は一転手ごわいものとなった。凶器としての金属パイプや細工したガラス片が跡形なく姿を消す。

「俺たちの食い物じゃないのか!許せねぇ!!」
凶悪犯グループが必要以上に奪い合い、追い詰める。餓死する姿が次々と現れ了。

竜宮と火村がある一角で缶詰を分配しようとすると、杉山が現れ卑劣な面持ちを見せる。直観した竜宮が月島に連絡をとろうとするが、背後から襲われた。

杉山の裏切りは竜宮達チームの劣勢を招き、危機的状況が訪れようとしていた・・・。

極限状態にあっても仲間への想いを捨てない竜宮が、命からがら缶詰を捜し回り、我先にと奪い合う参加者を決死で鎮めていく。渚らの容体が思わしくないことに焦りを隠せない月島。「頼む、倒れるな!」。困難な状況下でも、結束こそがこの場から脱出する唯一の手掛かりだと信じる他なかった。

防犯カメラの映像を確かな手付きで解析していく月島に、遂に生還の希望の光が差した。船着き場裏口からの脱出ルートである。竜宮も打って変わって明るい表情になり、早速複数の選択肢を検討し始める。冷静な判断が、絶体絶命かと思われた窮地から一縷の生きる望みを見出だしたのだ。

月島の解析をベースに脱出計画が練られ始めた。竜宮と推敲を重ね、大まかな行動框を組み立てる。その筋書きで大丈夫か、竜宮が仲間に諮ると、渚も火村も否定せず、むしろ期待に満ちた表情で作戦遂行を誓った。こうして具体的脱出への道筋が見えはじめたのだった。