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17.尾行
1.浮気性
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夏休みも終わろうというある日、柚奈と萌愛は、買い物に出かける道で陸を見つけた。最初に見つけた柚奈が「上条君だ」と言うと、萌愛が不機嫌そうに言った。
「私、上条君のこと嫌いなんだよね」
「そうなの?」
アイスキャンディを舐めながら、柚奈は(ああやっぱり)と思った。里美が陸といるのを少しムスッとして見ていたことに気が付いていたからだ。
聞いてもいないのに、萌愛が話し始める。
「上条君て、女たらしだと思うよ」
まあ、好都合だ。柚奈は言葉を放置した。
「村上さんと仲がいいくせに渡辺さんとも仲良くしているしさ、里美にも手を出してるなんて三股だよ」
「まさか、だって、村上さんと渡辺さんは友達だし、里美とはクラスが違うだけだよ。いくらなんでも三股掛けたらバレるでしょ?」
「いつも村上さんのこと見てるじゃん? それなのに里美とデートとかしてるんだよ、おかしいよ」
確かにそうとも言える。現段階では女友達と遊んでいる程度だ。しかし、里美、加奈子、有紀子の誰といても、きっかけがあればキスしてもおかしくないくらい仲良さげに見える。
でもピンとこない。有紀子なら、断れずになし崩し的にキスをされるところを想像できるが、里美と加奈子がキスされるだろうか? ほわほわほわ、と柚奈の脳裏に浮かぶ想像には、陸が怒られているところばかりしかない。ギャグ漫画のオチって感じで。
(あれ? でも…)と柚奈は思う。里美が陸を好きなのは間違いない。なら、強引なキスは無いよね。同意のキスだ。でもやっぱり、この3人で三股はない。柚奈は大笑いだ。
「いや、いや、いや、やっぱりないでしょ?」柚奈、思わず心の声が口から出た。
「何で? 上条君格好良いし、モテるでしょ?」
「それね」
「柚奈、上条君好きでしょ?」
「(笑)」
柚奈は陸に恋愛感情をいだいている、というわけではない。“ああいう格好良い顔立ちの男の子が好き”程度だ。だが、もし里美が陸を好きではない状態なら、キスするくらい仲良くなりたい、と柚奈は思った。
「私、上条君のこと嫌いなんだよね」
「そうなの?」
アイスキャンディを舐めながら、柚奈は(ああやっぱり)と思った。里美が陸といるのを少しムスッとして見ていたことに気が付いていたからだ。
聞いてもいないのに、萌愛が話し始める。
「上条君て、女たらしだと思うよ」
まあ、好都合だ。柚奈は言葉を放置した。
「村上さんと仲がいいくせに渡辺さんとも仲良くしているしさ、里美にも手を出してるなんて三股だよ」
「まさか、だって、村上さんと渡辺さんは友達だし、里美とはクラスが違うだけだよ。いくらなんでも三股掛けたらバレるでしょ?」
「いつも村上さんのこと見てるじゃん? それなのに里美とデートとかしてるんだよ、おかしいよ」
確かにそうとも言える。現段階では女友達と遊んでいる程度だ。しかし、里美、加奈子、有紀子の誰といても、きっかけがあればキスしてもおかしくないくらい仲良さげに見える。
でもピンとこない。有紀子なら、断れずになし崩し的にキスをされるところを想像できるが、里美と加奈子がキスされるだろうか? ほわほわほわ、と柚奈の脳裏に浮かぶ想像には、陸が怒られているところばかりしかない。ギャグ漫画のオチって感じで。
(あれ? でも…)と柚奈は思う。里美が陸を好きなのは間違いない。なら、強引なキスは無いよね。同意のキスだ。でもやっぱり、この3人で三股はない。柚奈は大笑いだ。
「いや、いや、いや、やっぱりないでしょ?」柚奈、思わず心の声が口から出た。
「何で? 上条君格好良いし、モテるでしょ?」
「それね」
「柚奈、上条君好きでしょ?」
「(笑)」
柚奈は陸に恋愛感情をいだいている、というわけではない。“ああいう格好良い顔立ちの男の子が好き”程度だ。だが、もし里美が陸を好きではない状態なら、キスするくらい仲良くなりたい、と柚奈は思った。
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