18年愛

声を失った青年と、かつてその声に恋をしたはずなのに、心をなくしてしまった女性。

18年前、東京駅で出会ったふたりは、いつしかすれ違い、それぞれ別の道を選んだ。
そして時を経て再び交わるその瞬間、止まっていた運命が静かに動き出す。

失われた言葉。思い出せない記憶。
それでも、胸の奥ではずっと──あの声を待ち続けていた。

音楽、記憶、そして“声”をめぐる物語が始まる。
ここに、記憶に埋もれた愛が、もう一度“声”としてよみがえる。

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