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17 中毒の妖怪 ~希望は恍惚を与える得るための麻薬になり得る~
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既に城下町は魔物の巣窟と化していました。生きている者は寄生生物の宿主として神気を吸われ、中には操られて、魔軍のパシリにされていました。
城の敷地は、避難してきた精霊達でごったがいしていて、大混乱です。スズとハルも城壁の丘に出てきて、戦争難民のお世話に追われていました。
そんな中、八岐大蛇の悪魔と共に、結界の中に侵入してきた小さな小さなメクラヘビの妖怪が、スズに話しかけてきました。
「スズちゃん、スズちゃん、私達のために、とても大変なお仕事をしてもらって、申し訳ないですねー」
メクラヘビは、自分が妖怪であることを隠して、スズに近づいたのです。体長は20cm程度と小型で、目鼻立ちは目立ちません。口を閉じてさえいれば、ミミズに見えました。ですから、スズは警戒をしなかったのです。
「何言ってるの? お気になさらなくて良いんですよぅ」
スズはそう言いますが、褒めてもらえてまんざらでもありません。疲れが一気に吹き飛びます。
メクラヘビが言いました。
「いえいえ、私達のためにこんなに一生懸命働いてくれて、とても感謝しているのですよ。
そこで、お礼ではありませんが、スズちゃんが、もっとみんなに褒められることを思いついたので、お伝えしようと思って来たのです」
スズは、興味津々で話を聞きました。
「スズちゃんをはじめとするみんなの援助のおかげで、私達はもう大丈夫です。
これからは、皆さんのご苦労をねぎらわなければならないと思うのです。
まだみんなが気が付いていない今から、その準備を始めれば、スズちゃんは気の利く良い子だとみんなに褒められる事でしょう。
そればかりか、皆に心の安寧を施したと、貴女の主であるバラの神様からも、お褒めの御言葉をいただけること間違いなしです」
興趣満天の試みです。スズは、パァッと満面の笑みを浮かべました。
「わぁ、それはとても素晴らしい事だわ。
わたしは、とても可愛くて、とても心優しい女の子だから、みんなにそう慕われて当然だもの。
さっそく、みんなの事を労いたいわ、どうすれば良いの?」
食いついて来たスズに、メクラヘビの妖怪は言いました。
「ここには、動物や虫の精例も多く非難して来ていますでしょ? 蜜とローズヒップだけでは、みんなお腹が満たされず不満になりますから、今の内に虫のような光をたくさん集めてバラの葉っぱで包み、光る羊かんを作っておくのです。
ローズティーを飲みながら甘味を食せば、元気100倍間違いなしです、ウシシシシ」
スズは、メクラヘビの妖怪に唆されて、虫のような光を集め始めます。
だいぶたまった光を見て、スズはお手伝いが必要だと思いました。ですが、ハルのもとに持っていこうとしたスズに、メクラヘビが言いました。
「こんな少しより、もっとたくさん集めてから持って行った方が、喜んでくれますよ」
スズは配らずに集め続けました。そのせいで、光を食べていた精霊達は食べ物が無くなって困り顔です。ハルは蓄えがあるので大丈夫でしたが、急に不穏な空気が流れ始めました。
額の汗を拭ったスズが、メクラヘビに言いました。
「もう十分じゃないかしら、こんなに集めて羊かんを作って食べたら太っちゃうし、虫歯にだってなっちゃうわ」
それを聞いたメクラヘビがスズに電撃を喰らわすと、スズはまた一心不乱に光を集め始めます。ご飯も食べずにこれでもかこれでもかと集め続けました。もうフラフラでしたが、やめられません。
スズは限界でしたが、光を見つける度に得る興奮がとても快楽的で、もっともっと、と欲してしまうのです。
「ぎゃふん」
突然、大地に穴が開いて、スズは落ちてしまいました。
「何なの一体、こんなところに落とし穴だなんて」
地中の洞窟にお尻から落ちたスズは、文句を言いながら地上に這い出て来ました。
それを見たメクラヘビが驚きます。
「あらら、しぶといですねー、まさか戻って来るとは」
土まみれのスズが、パンパンとお洋服を叩いているところに、メクラヘビがやって来て言いました。
「災難でしたねー、避難民の子供が遊んでいて作ったのでしょうね。
それじゃー、もうひと頑張りしましょうか」
散々スズを褒めそやしたメクラヘビは、今度は避難してきた小鳥達が生んだ卵を集めさせました。
「サプライズで、卵焼きやゆで卵を作ってあげれば、みんなびっくりして喜んでくれますよ。だから、内緒で集めるのです」
メクラヘビに唆されて、スズは休まず卵を集めました。一番はハルの為ですが、みんなのために、見つけた卵はみんな集めました。
その結果、肉食の精霊達は食べ物が無くなって困り顔です。
額の汗を拭ったスズが、メクラヘビに言いました。
「もう十分じゃないかしら、これだけ集めれば、副菜だって出来ちゃうわ」
それを聞いたメクラヘビがスズに電撃を喰らわすと、スズはまた一心不乱に卵を集め始めます。ご飯も食べずにこれでもかこれでもかと集め続けました。もうフラフラでしたが、やめられません。
スズは限界でしたが、卵を見つける度に得る興奮がとても快楽的で、もっともっと、と欲してしまうのです。
「ぎゃふん」
突然足元に大穴があいて、スズは真っ逆さまに落ちて行きました。
「何よぅ、全くもう、ヤになっちゃうわ! せっかくバラ様から頂いたお洋服が台無しよ!!」
地中にあった横穴まで落ちたスズは、何とか縦穴を登って、地上に這い出てきました。
それを見たメクラヘビは、口をあんぐりとさせて愕然とします。
「また出てきやがったのか!? 精のくせしてしぶといヤツだ」
叩いても落ちない泥汚れを残念そうに見るスズの顔は泥まみれです。メクラヘビは、顔を洗いに行こうとするスズを引き留めて、言いました。
「デザートやおやつと、おかずは手に入りましたね。
どうせなら、メインディッシュにお肉も集めましょう」
「そうね、おかずだけじゃ物足りないわ」
そう言ったスズは、心配そうに訊きました。
「でも、フルコースにしても、ご飯を食べるテーブルやイスが無いわ。
どうせなら、クロスを敷いたテーブルにテーブルランナーを走らせて、3本ロウソクの立つ燭台をいくつも用意して、みんなをもてなしたいわね。
どうすれば良いかなぁ?」
「そんなの簡単ですよ、避難民を助けた方々を労うんですから、救済された側に用意させれば良いんです。
なーに、みんなで出し合えば楽なものです。
多く持ち込みすぎた衣服を使って、クロスやテーブルランナーを作れば良いんですよ。
お裁縫は奥様方の得意分野、きっと喜んでしてくれます」
それでもスズは、心配でした。
「お裁縫道具が足りないでしょう? なんせ、避難民はたくさんいるから」
「なら、外で従軍している看護アリ達にお願いしましょう。
彼女達は、包帯を作ったり、シーツを作ったりするのが得意ですから」
「それもそうね」
妖怪の話を真に受けたスズは、1の門のところに行って、シュワワワワーと結界に穴をあげて、外にいたヒアリ達を中に招き入れました。
「お礼にお肉をあげたいので、その分も集めましょうね」スズがみんなに微笑みます。
何度も集めるように促されるスズは、一生懸命お肉を集め始めました。
兵隊さん達の為だけではなく、卵を食べられなかった精霊達の為ですが、集めたお肉を配らず集め続けたので、精霊達は空腹に苦しみました。
額の汗を拭ったスズは、メクラヘビに言いました。
「もう十分じゃないかしら、これだけ集めれば、おわかりだって出来ちゃうわ」
それを聞いたメクラヘビがスズに電撃を喰らわすと、スズはまた一心不乱にお肉を集め始めます。ご飯も食べずにこれでもかこれでもかと集め続けました。もうフラフラでしたが、やめられません。
スズは限界でしたが、お肉を見つける度に得る興奮が、とても快楽的で、もっともっと、と欲してしまうのです。
「ぎゃふん」
またまた、スズは穴に落ちてしまいました。
スズは、良かれと思って頑張ってご飯を集めたのですが、それが配られることはありませんでした。
スズが穴に落ちる度に、集めたご飯はどこかに消えてしまっていたのです。
結果として、1の城門の内側は、暴動が起きる始末です。仲間同士で争いが起き、みんなの心に悪魔が住み着いてしまったのです。
心が荒んでいたがために、普段なら心に住まわせる事が無いほど弱い、物の怪や妖怪にすら心に侵入されてしまった精霊達は略奪をはじめ、力の弱い老人や子供が真っ先に弱っていきました。
城の敷地は、避難してきた精霊達でごったがいしていて、大混乱です。スズとハルも城壁の丘に出てきて、戦争難民のお世話に追われていました。
そんな中、八岐大蛇の悪魔と共に、結界の中に侵入してきた小さな小さなメクラヘビの妖怪が、スズに話しかけてきました。
「スズちゃん、スズちゃん、私達のために、とても大変なお仕事をしてもらって、申し訳ないですねー」
メクラヘビは、自分が妖怪であることを隠して、スズに近づいたのです。体長は20cm程度と小型で、目鼻立ちは目立ちません。口を閉じてさえいれば、ミミズに見えました。ですから、スズは警戒をしなかったのです。
「何言ってるの? お気になさらなくて良いんですよぅ」
スズはそう言いますが、褒めてもらえてまんざらでもありません。疲れが一気に吹き飛びます。
メクラヘビが言いました。
「いえいえ、私達のためにこんなに一生懸命働いてくれて、とても感謝しているのですよ。
そこで、お礼ではありませんが、スズちゃんが、もっとみんなに褒められることを思いついたので、お伝えしようと思って来たのです」
スズは、興味津々で話を聞きました。
「スズちゃんをはじめとするみんなの援助のおかげで、私達はもう大丈夫です。
これからは、皆さんのご苦労をねぎらわなければならないと思うのです。
まだみんなが気が付いていない今から、その準備を始めれば、スズちゃんは気の利く良い子だとみんなに褒められる事でしょう。
そればかりか、皆に心の安寧を施したと、貴女の主であるバラの神様からも、お褒めの御言葉をいただけること間違いなしです」
興趣満天の試みです。スズは、パァッと満面の笑みを浮かべました。
「わぁ、それはとても素晴らしい事だわ。
わたしは、とても可愛くて、とても心優しい女の子だから、みんなにそう慕われて当然だもの。
さっそく、みんなの事を労いたいわ、どうすれば良いの?」
食いついて来たスズに、メクラヘビの妖怪は言いました。
「ここには、動物や虫の精例も多く非難して来ていますでしょ? 蜜とローズヒップだけでは、みんなお腹が満たされず不満になりますから、今の内に虫のような光をたくさん集めてバラの葉っぱで包み、光る羊かんを作っておくのです。
ローズティーを飲みながら甘味を食せば、元気100倍間違いなしです、ウシシシシ」
スズは、メクラヘビの妖怪に唆されて、虫のような光を集め始めます。
だいぶたまった光を見て、スズはお手伝いが必要だと思いました。ですが、ハルのもとに持っていこうとしたスズに、メクラヘビが言いました。
「こんな少しより、もっとたくさん集めてから持って行った方が、喜んでくれますよ」
スズは配らずに集め続けました。そのせいで、光を食べていた精霊達は食べ物が無くなって困り顔です。ハルは蓄えがあるので大丈夫でしたが、急に不穏な空気が流れ始めました。
額の汗を拭ったスズが、メクラヘビに言いました。
「もう十分じゃないかしら、こんなに集めて羊かんを作って食べたら太っちゃうし、虫歯にだってなっちゃうわ」
それを聞いたメクラヘビがスズに電撃を喰らわすと、スズはまた一心不乱に光を集め始めます。ご飯も食べずにこれでもかこれでもかと集め続けました。もうフラフラでしたが、やめられません。
スズは限界でしたが、光を見つける度に得る興奮がとても快楽的で、もっともっと、と欲してしまうのです。
「ぎゃふん」
突然、大地に穴が開いて、スズは落ちてしまいました。
「何なの一体、こんなところに落とし穴だなんて」
地中の洞窟にお尻から落ちたスズは、文句を言いながら地上に這い出て来ました。
それを見たメクラヘビが驚きます。
「あらら、しぶといですねー、まさか戻って来るとは」
土まみれのスズが、パンパンとお洋服を叩いているところに、メクラヘビがやって来て言いました。
「災難でしたねー、避難民の子供が遊んでいて作ったのでしょうね。
それじゃー、もうひと頑張りしましょうか」
散々スズを褒めそやしたメクラヘビは、今度は避難してきた小鳥達が生んだ卵を集めさせました。
「サプライズで、卵焼きやゆで卵を作ってあげれば、みんなびっくりして喜んでくれますよ。だから、内緒で集めるのです」
メクラヘビに唆されて、スズは休まず卵を集めました。一番はハルの為ですが、みんなのために、見つけた卵はみんな集めました。
その結果、肉食の精霊達は食べ物が無くなって困り顔です。
額の汗を拭ったスズが、メクラヘビに言いました。
「もう十分じゃないかしら、これだけ集めれば、副菜だって出来ちゃうわ」
それを聞いたメクラヘビがスズに電撃を喰らわすと、スズはまた一心不乱に卵を集め始めます。ご飯も食べずにこれでもかこれでもかと集め続けました。もうフラフラでしたが、やめられません。
スズは限界でしたが、卵を見つける度に得る興奮がとても快楽的で、もっともっと、と欲してしまうのです。
「ぎゃふん」
突然足元に大穴があいて、スズは真っ逆さまに落ちて行きました。
「何よぅ、全くもう、ヤになっちゃうわ! せっかくバラ様から頂いたお洋服が台無しよ!!」
地中にあった横穴まで落ちたスズは、何とか縦穴を登って、地上に這い出てきました。
それを見たメクラヘビは、口をあんぐりとさせて愕然とします。
「また出てきやがったのか!? 精のくせしてしぶといヤツだ」
叩いても落ちない泥汚れを残念そうに見るスズの顔は泥まみれです。メクラヘビは、顔を洗いに行こうとするスズを引き留めて、言いました。
「デザートやおやつと、おかずは手に入りましたね。
どうせなら、メインディッシュにお肉も集めましょう」
「そうね、おかずだけじゃ物足りないわ」
そう言ったスズは、心配そうに訊きました。
「でも、フルコースにしても、ご飯を食べるテーブルやイスが無いわ。
どうせなら、クロスを敷いたテーブルにテーブルランナーを走らせて、3本ロウソクの立つ燭台をいくつも用意して、みんなをもてなしたいわね。
どうすれば良いかなぁ?」
「そんなの簡単ですよ、避難民を助けた方々を労うんですから、救済された側に用意させれば良いんです。
なーに、みんなで出し合えば楽なものです。
多く持ち込みすぎた衣服を使って、クロスやテーブルランナーを作れば良いんですよ。
お裁縫は奥様方の得意分野、きっと喜んでしてくれます」
それでもスズは、心配でした。
「お裁縫道具が足りないでしょう? なんせ、避難民はたくさんいるから」
「なら、外で従軍している看護アリ達にお願いしましょう。
彼女達は、包帯を作ったり、シーツを作ったりするのが得意ですから」
「それもそうね」
妖怪の話を真に受けたスズは、1の門のところに行って、シュワワワワーと結界に穴をあげて、外にいたヒアリ達を中に招き入れました。
「お礼にお肉をあげたいので、その分も集めましょうね」スズがみんなに微笑みます。
何度も集めるように促されるスズは、一生懸命お肉を集め始めました。
兵隊さん達の為だけではなく、卵を食べられなかった精霊達の為ですが、集めたお肉を配らず集め続けたので、精霊達は空腹に苦しみました。
額の汗を拭ったスズは、メクラヘビに言いました。
「もう十分じゃないかしら、これだけ集めれば、おわかりだって出来ちゃうわ」
それを聞いたメクラヘビがスズに電撃を喰らわすと、スズはまた一心不乱にお肉を集め始めます。ご飯も食べずにこれでもかこれでもかと集め続けました。もうフラフラでしたが、やめられません。
スズは限界でしたが、お肉を見つける度に得る興奮が、とても快楽的で、もっともっと、と欲してしまうのです。
「ぎゃふん」
またまた、スズは穴に落ちてしまいました。
スズは、良かれと思って頑張ってご飯を集めたのですが、それが配られることはありませんでした。
スズが穴に落ちる度に、集めたご飯はどこかに消えてしまっていたのです。
結果として、1の城門の内側は、暴動が起きる始末です。仲間同士で争いが起き、みんなの心に悪魔が住み着いてしまったのです。
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