FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の二学期

第五十二話 たこ焼き

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 体育館で行われるプログラムは全て終了したが、校庭の一角では、屋台B級グルメグランプリが開催されていた。
 生徒会の任務がある二人と別れた菜緒たちが次の目的地にたどり着くと、既にそこは大混雑状態。いつもはなにもない人工芝の校庭が、あたかも市が開かれたかのような賑わいぶりだ。
 それを眺めながら、春樹が言った。
「食いに来てる生徒は半分しかいないとしても三百人くらいいるか? 市民の人合わせて四、五百人は超えるよな」
 エプロンをつけた制服やジャージ姿の生徒たちが営む屋台は、どこも大盛況。
 突如、奈緒が叫んだ。
「うわぁ、“ちょろろ”“ありゅよ”、“ちょろちょ”。食べに行こう」
「お昼食べたじゃん」
「じゃあ、あっちのたこ焼き屋さんで、 た べ る。それから“ち りょ りょ” 食べる」
 人混みでごった返す中をクラスメイトの小島が走って来た。なにやら慌てた様子ですり抜けるように走る彼のそばを歩く奈緒を、南が止める。
 この子は、険しい顔を彼女に向けた。
「失敗した。こんなことなら、サンドウィッチ買ってこなければよかった。なんで教えてくれなかったの、こんなに 色々あるん じゃ、食べ ない わけには いかないのに」
「行程表にあったじゃん。みんなで知ってるよ」
「言うのが遅い。食べ終わってから、あとで屋台見に行こうだなんてひどすぎる。ねえ、春樹君もそう思う でしょ?」
「思う」と、彼即答。
 南は、春樹を蹴飛ばそうとしてよけられてから、続けて横蹴りを入れるもそれもすかされた。
「思わないよ、もし思うにしても、あんた同罪」
「わーった、わーった[わかった、わかった]。じゃー、援護射撃。先生にたこ焼きおごってもらえるんだから、なにも今素人が作ったたこ焼きに金出して食べなくてもいいだろ」
「それもそうか」奈緒は、克己するような険しい表情で頷いてからそう呟き、辺りを見渡して、「じゃああれ食べたい。なにあれ、ばくどん。ばくどん……なに?」と叫ぶ。
「ばくだん焼き」
 春樹にそう教えられた奈緒がすぐさま駆けて行くと、追いかけてきた南が、後ろから呼び止める。
「あんな大きいの食べられないでしょ」
「そんなことない。食べたことある」
「さっき、知らなかったじゃん」
「見たら知ってた」



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