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一年生の三学期
🍭
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続いて左側の杏奈が、ふしぎそうにグラタンパンをのぞき込んで訊いてきた。
「味分からないのに、だめなの?」
「うん。玉ねぎと魚は分かるの」
眉間と鼻に皺を寄せてもうひとくち、パンのところだけをかじると、何事も無かったかのように袋に戻して、エコバックに入れる。気を取り直した様子で、別のをまたまた見せびらかす。
「なーに? このパン、杏奈ちゃん、なーに?」
「成瀬さんが買ったパンなんだから知らないけど」
「そうだった。でも忘れたから分かんない。けどいいよね。美味しいやつだから」
「それは分かるのね」
「丸くてふわふわしてるから」
そう言って、一口食べた。
杏奈が、パンの噛み口を見やる。
「カスタードかな? クリームパン?」
「うん」奈緒が頷いて「ぷるぷるしてる。なんか、噛むと、ぷるぷるしてる。ウケる」そう言って、けらけら笑った。
食べ終わると、「口直し」と言って、カフェラテを飲む。
それを見て、南が顔をしかめる。
「甘いの食べたあと、口直しに甘いの飲むってどうなの?」
「いいの、美味しいから」
悪びれる様子も無く、続けてトートバッグをまさぐる。
「メインディッシュに、これ食べまーす」
そう叫んで、透明のプラスチックカップを取り出す。
「豆菓子?」杏奈が訊く。
「さくらのピーナッツ」
そう答えて蓋を開けると一粒食べた。
南が重そうな声で言う。
「それ、完全にお菓子じゃないですか。百歩譲って菓子パンがごはんの代わりになるとしても、それはお菓子でしょ」
「ううん。お豆だからいいの」
「ナッツだよ」
「えーちがいますよぅーだ。お豆ですー」
言い張る奈緒の反撃に意表を突かれた様子の南が、無言で杏奈に助け船を求める。
「成瀬さんが正解。名前にナッツとつくけれど、これは種。だからナッツじゃないのよ」
「なぬ? マジでお豆?」
「知らないけど、そうかもしれない」と杏奈。
何度も頷く奈緒を見て、南は言葉を返してよこせない様子だった。
「味分からないのに、だめなの?」
「うん。玉ねぎと魚は分かるの」
眉間と鼻に皺を寄せてもうひとくち、パンのところだけをかじると、何事も無かったかのように袋に戻して、エコバックに入れる。気を取り直した様子で、別のをまたまた見せびらかす。
「なーに? このパン、杏奈ちゃん、なーに?」
「成瀬さんが買ったパンなんだから知らないけど」
「そうだった。でも忘れたから分かんない。けどいいよね。美味しいやつだから」
「それは分かるのね」
「丸くてふわふわしてるから」
そう言って、一口食べた。
杏奈が、パンの噛み口を見やる。
「カスタードかな? クリームパン?」
「うん」奈緒が頷いて「ぷるぷるしてる。なんか、噛むと、ぷるぷるしてる。ウケる」そう言って、けらけら笑った。
食べ終わると、「口直し」と言って、カフェラテを飲む。
それを見て、南が顔をしかめる。
「甘いの食べたあと、口直しに甘いの飲むってどうなの?」
「いいの、美味しいから」
悪びれる様子も無く、続けてトートバッグをまさぐる。
「メインディッシュに、これ食べまーす」
そう叫んで、透明のプラスチックカップを取り出す。
「豆菓子?」杏奈が訊く。
「さくらのピーナッツ」
そう答えて蓋を開けると一粒食べた。
南が重そうな声で言う。
「それ、完全にお菓子じゃないですか。百歩譲って菓子パンがごはんの代わりになるとしても、それはお菓子でしょ」
「ううん。お豆だからいいの」
「ナッツだよ」
「えーちがいますよぅーだ。お豆ですー」
言い張る奈緒の反撃に意表を突かれた様子の南が、無言で杏奈に助け船を求める。
「成瀬さんが正解。名前にナッツとつくけれど、これは種。だからナッツじゃないのよ」
「なぬ? マジでお豆?」
「知らないけど、そうかもしれない」と杏奈。
何度も頷く奈緒を見て、南は言葉を返してよこせない様子だった。
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