FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

第二百十六話 みんなの想い

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 調理実習室にいつものメンバーが集まって、九回目の会合を執り行っていた。会合といっても、試作の甘酒を飲みながらおしゃべりをするだけの会である。
 そんな中で一人、重苦しい空気に包まれてうなだれていた奈緒が、神妙な面持ちでみんなに声をかける。
「あの……」
 ワイワイと盛り上がっていた九人が、急にしんと静まり返った。視線を向けてきた彼女たちに、この子が言葉を続ける。
「わたし、絵手紙とか行かないといけないから、もう来れない かも しれない」
 この子の目の前に座っていた榎本花が、見透かしたように目を細める。
「なにか悩んでいることあるの? 言いにくいかもしれないけど、そういうこと言って。相談に乗るから」
 子ぎつね顔の彼女を見やった奈緒が、唇を震わせて言葉を詰まらせる。
「でも、迷惑かかるから」
 同じテーブルの下座に座っていた星野梨花が割って入る。
「そんなに気を使ってくれなくても大丈夫だよ。わたしたちバスケ部はみんな成瀬さんの味方だし。ウィンターカップには出場できなかったけれど、ベスト16に残れたのは、成瀬さんたちの応援があったればこそだもん」
 高橋桃が、何かの合図に使うかの如く、フレームなしのめがねを人差し指の中手指節間関節でくいっと持ち上げた。
「確かに、雷さんとか辻さんとか怖いけど、人心を掌握するのはそんなにうまくないでしょ。わたしたち美術部は、おとなしいから見下されているとは思うけど、こっちから関わらなかったら、なにもしてこれないと思う」
 B組で美術部の彼女がツインテールにしたセミロングを揺らして、D組で同じ部の女子に顔を向け、奥ぶたえの瞳でアイメッセージを送る。
 奈緒と桃に挟まれて座っていた小島理子は、答えるようにひとえの奥で潤いを帯びた黒目を一瞬だけ下にさげてから、右隣りの奈緒に視線を向ける。
「ダンス部が手を出してこないのは助かったね。あそこは人数多いから。そう考えると、もう成瀬さんをいじめる人たちは、大勢を占めていないから、迎合する人も少ないでしょ。みんな日和見なところあるから」言い終えたことを伝えるかのように肩上おかっぱボブを左手の指ですいて、耳にかける。



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