FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

🍭

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 孫凛がスレンダーな胸の前で腕を組んで、一筆書きのような切れ長の瞳を務に向ける。
「まさか。もしかして、わたしたちがいじめてるとか言うんじゃないよね。確かに口悪いから、はたから見てたらそう見えるのかもしれないけど、さすがに鳥羽さんみたいなことしないよ。それに一年の時、わたし加担してなかったでしょ。助けなかったのは申し訳ないって思うけど、しょうがないっしょ。助けなかったのもいじめてるのと一緒だとか言う人もいるけど、安全地帯にいるから言えるんだよ。普通言えないって。そこは理解して。でも可哀想だと思ってた。だから今手を差し伸べてる。わるい?」
 鏡花が、より目がちの瞳を務に向けてほくそ笑む。
「そうだよ。変に同情してるって感じで言っちゃったから、少しプライド傷つけたっぽい。ごめん謝る」
 押し付けるように言われた奈緒は、無言で俯いていた。
 何か言おうとした務だったが、別のクラスの男子が呼びに来て、俯く奈緒に心配そうな視線を向けながらも、教室をあとにした。
 彼の背中が教室から出たのを確認した孫凛が奈緒に向かって頭を傾け、「あたしらと仲良くしておいたほうがいいよ」と凄む。
 揺れる右側二本の三つ編みを見やった奈緒だったが、彼女の双眸まで視線を上げられない様子だ。
 そんなこの子の横顔に、鏡花が小声で、それでいてしっかりとした口調で言った。
「一年の時みたいな目にあいたくないでしょ。簡単にできるんだよ。あんたを庇ってくれるやつなんてもういないんだから」
 その言葉を耳にした奈緒の手の届く範囲の空気は一瞬のうちに凍って、トゲトゲのある機雷になって宙を漂い始めた。心臓を包丁でえぐられでもしたように顔を強張らせ、表情を曇らせていく。
 周りを取り囲む女子たちの笑い声に翻弄されるように奈緒は、微かに頭を揺らす。その姿は、一輪の儚い菫が、言葉の暴風を堪え忍んでいるようだった。これを機に、奈緒の孤立感は一層深まっていき、この子と会話してくれるクラスメイトは、更に減っていった。





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