FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

第二百三十二話 舞い降る雪の下で

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「理沙」
 南が痛みを抑えて体を引きずって呼び止めた。ブチャについて出ていく萌音に続こうとした彼女に訴えかける。
「あいつについていってどうなるっていうの? 理沙だって萌音だって来年卒業じゃん。あいつみたいになる気なの? ここで手切れだって。あいつの私物化したパピオンなんて解散しちゃえよ」
 必死に引き留める南に、諦念のこもる声で理沙が言った。
「わたしらバカじゃん」
「一緒にすんなよ」
「くすっ、あんたのほうがバカじゃん」
「ばらすなよ」南も笑う。
 玄関の外で話を引いていた萌音が顔をのぞかせて、涙を堪えるような切ない瞳を南に向ける。
「どうせわたしたち、風俗くらいでしか働けないし。ブ……浜田さんと縁切ったってどうしようもない。浜田さん、ヤクザの幹部とも直接繋がりあるみたいなこと言ってたから。手ぇ回されて店でハブられるの、やなんだよね」
「ハッタリだろ。昔からそうじゃん。マフィア層と半グレすっ飛ばしてそんなこと無理だよ。あいつ、そこまで地位高くないって」
「中学の時から、後輩に売春させて金巻き上げてたんだから、あながちだし」そう言ってブチャを追いかけて、共用廊下の奥へと去っていった。
 その事実を知っているのか、潰れた解凍ブルーベリーみたいに血を滴らせる南は、言葉を失った。会話に開いた穴を、理沙が言葉で埋める。
「住む世界変わったね。やっぱり遅れてきて正解だったよ。南だけでも堕ちなくてよかった」
 そう言って、無理して口角をあげる。葬式で見せる笑顔みたいな顔。
「こんなに追い詰められてんなら、もうすでに組織からは切り捨てられてるんじゃない? なら、全部罪なすりつけられておしまいだよ。あいつは、もう立場ない。今までどんだけ上に貢いできたか知らないけど、どうにもならないと思う」
「仮にもしそうだとしても、裏切ったら底辺にも居場所なくなる。タン壺行き決定。そしたら、卒業するまでそのまんまだし、そのあとだって変わんない」
「そんなことないって。二人ならまたのし上がれる。それに、世田ギャンやマフィー以外にもいくらだって世界はあるでしょ。わたしだって更生できたんだから、転校すればいい」








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