FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の三学期

第二百四十一話 香川の新型

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 三学期が始まって一カ月余りが過ぎた頃。しばらく休んでいた細川壱成が登校してきた。
「おーい、お前らお土産買ってきたぞ」
 大声で仲間を呼ぶ声にお喋りをとめた奈緒が見ると、縦・横・奥行五十センチくらいの段ボール箱を3つ重ねて抱えている。
 集まってきた男子を前にして、机に箱を置いた彼が一息ついた。
「昨日まで、おじいちゃんのお葬式で香川に行ったんだけどさ、そこで面白いもの見つけたから買ってきた」
 窓際二列目に座っていた同じ防災部の上野がやって来て、段ボールの中を覗く。
「うどんじゃん、うどん県の土産がうどんて普通じゃんか」
「ばか、これ特殊技術で乾燥させたうどんなんだよ。ゆで時間がずんげー短いんだ。すぐだぜすぐ。普通の乾麺は8分とか10分と茹でんだろ? これ数分。カップ麺並。非常食になるんじゃないかと思って試しに買ってみた」
 細川は自慢げに語るが、絶叫する防災部部員の上野以外に、クラス中誰もピンときた様子がない。それを察した彼が言う。
「お前ら、これ持って家族で飛行機に乗るのがどんだけ大変か知らねーだろ。俺はお前らのために、これ持って帰ってきてやったんだぞ。みんなに美味しい香川うどんを食べさせてやりたいって気持ちを無下にしないでくれ」
 左斜め後ろに座って真後ろの奈緒と話していた原口アンジェリカ沙織が、この子の机に右ひじをついた姿勢のまま声をかける。
「それ持って飛行機に乗ったの? 機内持ち込み? 家族総出で?」
「あの大きさなら持ち込めるでしょ?」前に座る美奈子が補足した。
「そうだけど、郵送するとか考えなかったのかな? 国内線なんてすごく狭いよ。 どこ置いといたのかな? 棚の上? 膝の上? 足の下?」
 窓際から三列目の最後尾三席のうち中央の席で、そうごにょごにょ言ったアンジェリカは笑いながら席を立って、奈緒と美奈子と自分のうどんをもらいに行った。
 戻ってきたアンジェリカがスライムみたいに笑って、薄い小麦色の肌に映える白い歯を奈緒に向ける。
「そういえばわたしさ、高一の時、始めて貯めたバイト代で旅行しようって決めてたの。それで半年みっちりバイトして、四回旅行に行ったんだ」
「へぇ、どこに行ったの?」奈緒が訊く。
「香川と香川と沖縄と北海道」







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