FRIENDS

緒方宗谷

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三年生の一学期

第二百六十一話 学ランと旗の台駅

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 ある日の朝、南と待ち合わせをして登校してきた奈緒が、数日前に麗たちとりんごパイを一緒に食べた話をした。その話をあまりいい顔を見せずに黙って聞いていた彼女が、話が終わると同時に口を開いた。
「わたしは、茅根や栗原と付き合うのは反対だな。ウリをやってる以上、関わったら変なことに巻き込まれかねないし。奈緒みたいな身体障がい者じゃ、逃げ切れないかもしれないじゃない」
 しかめっ面の南の眉間に向かって、奈緒が微笑みかける。
「あの二人は巻き込んできたりはしないよ。大好きな漫画かアニメがなんか活動してないから、グッズを買うお金も必要ないっぽいし、あん まり しないようにするって。それにわたしのことはそういうことにも、合コンにも誘わないようにするって 言ってた」
「じゃあ、これからもまた遊ぶ気なんだ」
「うふふ、もしかして妬いてるの? ナナちゃんが昔言ったこともあながちあってるの かも」
「なんだっけ?」
「南ちゃんは 過保護すぎ。そもそも、もっとすごいお友達 いるじゃ なーい? それに、あの二人だって、悪意があってそういうことしてるわけではな い よ。寂しさとかで心にぽっかり空いた穴を埋めたいんだと思う。体だけだったとしても、必要としてくれる誰かに。
 わたしはあの子たちが本当に堕ちていってしまわないように、普通に 友達で いてあげたい。もしわたしが危なかったら 助けてね」
 南は頷いてから黙りこくって、少し考えこんでいる様子だった。
「あの二人は、いつかのわたしか……。そんなふうに考えたことなかったな。わたしには奈緒やみんながいて、お父さんもいたけど、あの子たちには頼れるだけかはいないってことだよね。確かに考えすぎてたかも。世田ギャン[中学時代の不良組織。世田谷ギャングの略]マフィー[高校の不良組織。世田谷マフィアの略]の連中みたいに、体[てい]のいい資金源にして、ドラッグにつぎ込んだりしてるわけでもないもんね。それに、組織の末端にいた子たちは、好きで売っていたわけではなかったし」

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