FRIENDS

緒方宗谷

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三年生の一学期

 黄組に迫られて焦せ焦せ慌てながら、胸と前腕に風船を挟んで割ろうとする奈緒だったがなかなか割れず、鉄パイプで雛壇状になった席に座っていた紅組の心愛を呼んで、風船を割ってもらって駆けてゆく。現在二位の高順位。

 青汁一気飲みは、「まずーい、もうイッパーイ」なんて言ってしまったがために、もういっぱい注がれて、それを飲んでいる間に二人に抜かれる。

 だが、次のけん玉は、机に置いたまま球だけを取って棒に差し込み、一気にごぼう抜きして一位で走る。

 次に、小麦粉が盛られた十枚取サイズのステンレス角バットがのった机に到着。小麦粉に埋まった飴を口だけで探したこの子の可愛い顔が、見る影もなく真っ白にまみれるも、すぐに見つけ出して上半身を起こして噛み砕いてひた走る。

 最後に待ち構えているのは、一列に吊るされた菓子ぱん。
 奈緒は、餌をねだる鯉のように、上を向いて口をぱくぱくさせながら、ぴょんぴょんジャンプ。いくらやっても咥えられず、どんどん抜かれていく。
「やーん」
 堪らず左手で目先のパンをつかもうとするが、それを察したパンを掲げる左右の生徒が、持っていた棒を持ち上げて阻止。奈緒がブーブー文句をたれると、一年生の女子たちが「奈緒ちゃんを助けてあげてぇ」懇願を始める。二年三年にも波及して、手拍子に乗せた奈緒ちゃんコールが発生。三年の男子二人は面目なさげにしゅんとして、持ち上げた棒を下ろした。
「どれにしようかな? どれが美味しいかな? あんぱんどれ ですか?」と、笑顔の奈緒が左右に首を傾げる。
 レース中なのに順位を気にせず選ぶ姿を、みんなが見守る。この子は、もぎ取ったぱんを咥えて、ビリッけつで悠々ゴール。とてもご満悦といった表情で、あんぱんの味を満喫していた。
 一応、四つ巴戦の修羅場なのに、なんかみんなも和やかに眺める始末だった。





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