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モモタとママと虹の架け橋
第六話 チューチュー会議
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晴れ渡った青空の下、辺り一面に広がる豊かに垂れた稲穂に覆われた田んぼの真ん中を、長い長い一本の道路が一直線に貫いています。
モモタは信号が赤になった時に、太陽の通り道の下から外れて走っていく格好良い4WDの荷台から飛び降りて、村のはずれへとお散歩しながら歩いていきました。
ユラユラとたなびく稲穂にじゃれつきたい気持ちでいっぱいでしたが、まだ水が抜かれていない田んぼに落ちては大変だと、モモタは一生懸命我慢して、田んぼのあぜ道を歩んでいきます。
村の隅っこにやって来た時、懐かしい声が聞こえてきました。
「ややっ、モモタじゃないか!」
モモタがお庭のあるお家に振り向くと、縁側の下からクマネズミのチュウ太が手を振っています。モモタは、トテトテとお庭を駆けていってチュウ太を見ると、チュウ太は、とても艶やかなでクリーミーな黄褐色の毛をしています。とってもおいしそうだなぁ、と思って、思わず唇をなめました。
縁側の下から出てきたチュウ太は、切り株に座ってモモタを出迎えます。
「お、モモタ、さっそく追いかけっこするかい? もし捕まえられたら僕を食べられるぞ」
「ううん、今日は僕、お山に登る予定だから遠慮しておくよ」
「山? いいな。もう秋だから、そろそろ栗が落ちてくるころだろうな。
でもどうしてだい? 来たばかりですぐに山に登るなんて、何か目的があるみたいだな」
チュウ太の鋭い推理に、モモタは笑いながら身を横にして、虹の雫のお話をしてあげました。
それを聞いたチュウ太は、おもむろに腕を組んで目を閉じます。何かを考え込んでいる様子でした。そしてしばらくしてから目を開いて、真剣な面持ちで言いました。
「ようし、分かった。僕も一緒に行くよ」
びっくりしたモモタは、断って言います。
「もうすぐ秋だから、冬に備えておねむの準備をしないといけないんじゃない? それにどこで虹の雫が見つかるか分からないし、もしかしたら見つからないかもしれないよ」
「今までの旅行とは違うだろう? これはもう冒険だよ。冒険には仲間がつきものさ。僕が一緒に行って、モモタを守ってあげるよ」
それを聞いて、モモタは笑いました。
「おかしいの。だって僕の方が強いじゃない」
チュウ太は飛び上がって、ムキムキ手を上に振るって言います。
「そんなことないさ。僕の体は小さいけれど、前歯はモモタに負けないぞ。それに、“窮鼠猫をかむ”ってことわざを知らないのかい? その気になれば、モモタなんてコテンパンさ」
びっくりしたモモタは、起き上がってチュウ太の前歯をマジマジと見ました。確かにとても鋭くて何でもそぎ切ってしまいそうなほどに見えます。
モモタがどうするか悩んでいると、二匹の話を床下で聞いていたクマネズミたちが出てきて、チュウ太のそばに集まりました。出てきた四匹は、チュウ太のお友だちのようです。
まず、チョロ介が口を開きました。
「チュウ太、猫なんかとお出かけするもんじゃないぜ。気を抜いた途端食べられちゃうぞ」
すると、マウ吉とシュウ一が続けます。
「光の柱の話、七色の女の子はどうしたんだよ。死んじゃったんじゃないのか?
もしそうなら、モモタが光の柱を見られなかったのって、幸せだからじゃなくて、初めっから光が下りてこなかったからってことになるぞ」
「そうだ、そうだ。不幸なものだから、チュウ太を食べて幸せになる気かもしれないぞ」
マウ吉は、モモタが口を開くのを遮ってまくしたてます。
「星の話だってそうさ。結局みんな帰ってきてないんだぞ。残った月に再会できたなんて嘘っぱちだよ。いいように考え過ぎ。だってみんな燃してしまったんだろう? 残っていたなんて信じらんない」
出てきた三匹の後ろで、紅一点ねず子ちゃんが「そうよ、そうよ」とはやしています。
モモタはチュウ太に言いました。
「みんなチュウ太を心配しているよ。僕は大丈夫太だよ。でも心配してくれてありがとう」
みんなの方を向き直ったチュウ太が、お礼を言って気持ちを伝えてから言いました。
「光の柱の話、星の話、もしかしたらみんなの言う通りかもしれない。でもだからこそ僕は、危険な大冒険にモモタ一匹を行かせられないよ。僕は大の仲良しとして手伝ってあげたいんだ」
みんなは納得がいきません。そこでチューチュー会議が開かれました。
「じゃあみんな」と言ったチュウ太が議長役。「――行くの反対って言うネズミは手をあげて」
四匹全員が手をあげました。一対四で行かないの決定?
「いやいやいや」とチュウ太。「多数決で決めるんじゃないよ」
すると、「どうして?」とねず子が言いました。「だってみんなのことはみんなで決めるものでしょう? 大勢の気持ちに応えるべきよ」
「みんなの気持ちは嬉しいけれど、これば僕のことだから、僕の気持ちが尊重されるべきさ。僕は、みんなが僕に行くべきじゃないって理由を訊いて、僕の気持ちを伝えたいんだ」
マウ吉が挙手。
「はい、マウ吉君」とチュウ太が指名。
「もし、モモタが言っていることがやっぱり間違いだったらどうするのさ。何も願いが叶わなくってお終いじゃないか」
チュウ太が答えます。
「正しかったか間違っていたかは関係ないんだ。友を信じることが大事なんだよ。それに、間違っていてもモモタが嘘をついていたわけではないよ。本気で信じていたんだ。僕は、その気持ちを信じたいんだ」
今度は、チョロ介が発言です。
「外には危険がいっぱいだよ。俺たちを食べる猫はたくさんいるし、カラスやタカだって空から狙っているぞ。聞くと、これから山に入るらしいじゃないか。そこにはキツネやタヌキやイタチがいるんだぞ。とてもじゃないけれど、チュウ太じゃ生き延びられないよ。
それに、もっと大きな熊ってのもいるらしいじゃないか。そんなのに出会ったら、モモタだって食べられちゃうさ」
「なればこそ行くのさ。楽ちん旅行についていくだけだったら誰でもできるよ。危険な大冒険だからこそ、僕は行くの。僕の熱い友情は本物だぞ、誰にも負けない一番の大親友なんだぞ、って示せるからね。
冒険を終えた時には更に大きくて強い友情で結ばれているんだ。虹の雫よりも大切なものが手に入るんだ」
そう言ったチュウ太は、「あ、でも虹の雫なんかどうでもいいやってことじゃないんだぞ」と慌ててモモタに言いました。
シュウ一が手を挙げたので、今度はシュウ一の番。
「僕たちは友達じゃないのかい? 太陽は子供たちに、『自分のこと愛していないの』ってひきとめたけれど、僕たちは同じ心境だよ。子供たちは、『自分たちを愛しているのなら送り出して』って迫ったけれど、愛しているから止めるんだよ」
チュウ太は頷きながら答えます。
「確かにシュウ一の言うことも分かる。子供たちが望んでいることはとても危険が伴うからな。太陽のそばに残ることで不幸に感じても、旅立ってもっと不幸になるよりはマシだもんな」
それでも続けて言いました。
「でも僕は、みんなにとっても一番の大親友だからこそ行くんだよ。それを示すために行くんだ。
今モモタを見捨ててみろよ。そうしたら、もしみんなが大変な旅に行かなくちゃならない時、僕は見捨てるってことだろう? ここで見捨て癖がついちゃったら、かならず見捨てる。あの時よかったんだから、今回もいいよねって。
モモタは、今大冒険に出るんだ。僕は友達として一緒に大冒険をするんだ。みんなに、そんな僕が友達なんだよって自慢させてやりたいんだよ」
チュウ太の話を聞いたシュウ一は納得した様子でしたが、その横で聞いていたねず子ちゃんは納得していない様子でした。
モモタは信号が赤になった時に、太陽の通り道の下から外れて走っていく格好良い4WDの荷台から飛び降りて、村のはずれへとお散歩しながら歩いていきました。
ユラユラとたなびく稲穂にじゃれつきたい気持ちでいっぱいでしたが、まだ水が抜かれていない田んぼに落ちては大変だと、モモタは一生懸命我慢して、田んぼのあぜ道を歩んでいきます。
村の隅っこにやって来た時、懐かしい声が聞こえてきました。
「ややっ、モモタじゃないか!」
モモタがお庭のあるお家に振り向くと、縁側の下からクマネズミのチュウ太が手を振っています。モモタは、トテトテとお庭を駆けていってチュウ太を見ると、チュウ太は、とても艶やかなでクリーミーな黄褐色の毛をしています。とってもおいしそうだなぁ、と思って、思わず唇をなめました。
縁側の下から出てきたチュウ太は、切り株に座ってモモタを出迎えます。
「お、モモタ、さっそく追いかけっこするかい? もし捕まえられたら僕を食べられるぞ」
「ううん、今日は僕、お山に登る予定だから遠慮しておくよ」
「山? いいな。もう秋だから、そろそろ栗が落ちてくるころだろうな。
でもどうしてだい? 来たばかりですぐに山に登るなんて、何か目的があるみたいだな」
チュウ太の鋭い推理に、モモタは笑いながら身を横にして、虹の雫のお話をしてあげました。
それを聞いたチュウ太は、おもむろに腕を組んで目を閉じます。何かを考え込んでいる様子でした。そしてしばらくしてから目を開いて、真剣な面持ちで言いました。
「ようし、分かった。僕も一緒に行くよ」
びっくりしたモモタは、断って言います。
「もうすぐ秋だから、冬に備えておねむの準備をしないといけないんじゃない? それにどこで虹の雫が見つかるか分からないし、もしかしたら見つからないかもしれないよ」
「今までの旅行とは違うだろう? これはもう冒険だよ。冒険には仲間がつきものさ。僕が一緒に行って、モモタを守ってあげるよ」
それを聞いて、モモタは笑いました。
「おかしいの。だって僕の方が強いじゃない」
チュウ太は飛び上がって、ムキムキ手を上に振るって言います。
「そんなことないさ。僕の体は小さいけれど、前歯はモモタに負けないぞ。それに、“窮鼠猫をかむ”ってことわざを知らないのかい? その気になれば、モモタなんてコテンパンさ」
びっくりしたモモタは、起き上がってチュウ太の前歯をマジマジと見ました。確かにとても鋭くて何でもそぎ切ってしまいそうなほどに見えます。
モモタがどうするか悩んでいると、二匹の話を床下で聞いていたクマネズミたちが出てきて、チュウ太のそばに集まりました。出てきた四匹は、チュウ太のお友だちのようです。
まず、チョロ介が口を開きました。
「チュウ太、猫なんかとお出かけするもんじゃないぜ。気を抜いた途端食べられちゃうぞ」
すると、マウ吉とシュウ一が続けます。
「光の柱の話、七色の女の子はどうしたんだよ。死んじゃったんじゃないのか?
もしそうなら、モモタが光の柱を見られなかったのって、幸せだからじゃなくて、初めっから光が下りてこなかったからってことになるぞ」
「そうだ、そうだ。不幸なものだから、チュウ太を食べて幸せになる気かもしれないぞ」
マウ吉は、モモタが口を開くのを遮ってまくしたてます。
「星の話だってそうさ。結局みんな帰ってきてないんだぞ。残った月に再会できたなんて嘘っぱちだよ。いいように考え過ぎ。だってみんな燃してしまったんだろう? 残っていたなんて信じらんない」
出てきた三匹の後ろで、紅一点ねず子ちゃんが「そうよ、そうよ」とはやしています。
モモタはチュウ太に言いました。
「みんなチュウ太を心配しているよ。僕は大丈夫太だよ。でも心配してくれてありがとう」
みんなの方を向き直ったチュウ太が、お礼を言って気持ちを伝えてから言いました。
「光の柱の話、星の話、もしかしたらみんなの言う通りかもしれない。でもだからこそ僕は、危険な大冒険にモモタ一匹を行かせられないよ。僕は大の仲良しとして手伝ってあげたいんだ」
みんなは納得がいきません。そこでチューチュー会議が開かれました。
「じゃあみんな」と言ったチュウ太が議長役。「――行くの反対って言うネズミは手をあげて」
四匹全員が手をあげました。一対四で行かないの決定?
「いやいやいや」とチュウ太。「多数決で決めるんじゃないよ」
すると、「どうして?」とねず子が言いました。「だってみんなのことはみんなで決めるものでしょう? 大勢の気持ちに応えるべきよ」
「みんなの気持ちは嬉しいけれど、これば僕のことだから、僕の気持ちが尊重されるべきさ。僕は、みんなが僕に行くべきじゃないって理由を訊いて、僕の気持ちを伝えたいんだ」
マウ吉が挙手。
「はい、マウ吉君」とチュウ太が指名。
「もし、モモタが言っていることがやっぱり間違いだったらどうするのさ。何も願いが叶わなくってお終いじゃないか」
チュウ太が答えます。
「正しかったか間違っていたかは関係ないんだ。友を信じることが大事なんだよ。それに、間違っていてもモモタが嘘をついていたわけではないよ。本気で信じていたんだ。僕は、その気持ちを信じたいんだ」
今度は、チョロ介が発言です。
「外には危険がいっぱいだよ。俺たちを食べる猫はたくさんいるし、カラスやタカだって空から狙っているぞ。聞くと、これから山に入るらしいじゃないか。そこにはキツネやタヌキやイタチがいるんだぞ。とてもじゃないけれど、チュウ太じゃ生き延びられないよ。
それに、もっと大きな熊ってのもいるらしいじゃないか。そんなのに出会ったら、モモタだって食べられちゃうさ」
「なればこそ行くのさ。楽ちん旅行についていくだけだったら誰でもできるよ。危険な大冒険だからこそ、僕は行くの。僕の熱い友情は本物だぞ、誰にも負けない一番の大親友なんだぞ、って示せるからね。
冒険を終えた時には更に大きくて強い友情で結ばれているんだ。虹の雫よりも大切なものが手に入るんだ」
そう言ったチュウ太は、「あ、でも虹の雫なんかどうでもいいやってことじゃないんだぞ」と慌ててモモタに言いました。
シュウ一が手を挙げたので、今度はシュウ一の番。
「僕たちは友達じゃないのかい? 太陽は子供たちに、『自分のこと愛していないの』ってひきとめたけれど、僕たちは同じ心境だよ。子供たちは、『自分たちを愛しているのなら送り出して』って迫ったけれど、愛しているから止めるんだよ」
チュウ太は頷きながら答えます。
「確かにシュウ一の言うことも分かる。子供たちが望んでいることはとても危険が伴うからな。太陽のそばに残ることで不幸に感じても、旅立ってもっと不幸になるよりはマシだもんな」
それでも続けて言いました。
「でも僕は、みんなにとっても一番の大親友だからこそ行くんだよ。それを示すために行くんだ。
今モモタを見捨ててみろよ。そうしたら、もしみんなが大変な旅に行かなくちゃならない時、僕は見捨てるってことだろう? ここで見捨て癖がついちゃったら、かならず見捨てる。あの時よかったんだから、今回もいいよねって。
モモタは、今大冒険に出るんだ。僕は友達として一緒に大冒険をするんだ。みんなに、そんな僕が友達なんだよって自慢させてやりたいんだよ」
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