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モモタとママと虹の架け橋
第十五話 なぞなぞウォーキング
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森と河原の境にいた鳥たちが、細長い石ころだらけの河原へと出てきて、考え込むモモタたちの周りに集まってきました。
「体じゃないの?」とアゲハちゃん。「一羽だったり三羽だったりしてたじゃない」
みんなは、最初に見つけたミゾゴイのみちる君の体をくまなく探します。
「ぎゃぎゃぎゃっ、くすぐったい」
面白おかしく身をよじるみちる君は持っていません。なにも見つからなかったので、モモタたちは、他のミゾゴイたちの体も探し始めます。
みんな、「ぎゃっぎゃ、ぎゃっぎゃ、グゲグゲ、グゲグゲ」大笑いです。「おいらにもやってー、おいらにもやって―」と群がってきました。
もみくしゃにされたモモタたちは、大群の中からなんとか這い出します。
「モモちゃん大丈夫?」
ミゾゴイたちをひらりとかわして見守っていたアゲハちゃんが、訊きました。
みんなで逃げようとしますが、ミゾゴイたちは諦めません。「おいらにもやってー、おいらにもやって―」と迫ってきて、おしくらまんじゅう状態です。
我慢できなくて、モモタとキキが、「ふにゃ~」「ヒューイ」と鳴いて威嚇しました。
動かなくなったミゾゴイたちに、モモタが「今なぞなぞを考えているから待っててよ」と、お願いします。
すると、ミゾゴイたちは大人しく見守ります。
今度は、チュウ太に答えが思い浮かびました。
「カラーだ。色のことだよ。“体”が転じて“カラーだ”なんじゃないか?」
「チュウ太のくせにあったまイイー♡」
アゲハちゃんが舞い飛んで褒めちぎります。
「“くせには”よけいだよ、“くせに”は」
「あはっ、ごめーん」
それでみんなで珍しい色を探します。
確かに、アゲハちゃんやキキが住んでいた山とは、緑の色も土の色も違うのですが、緑は緑だし、茶色は茶色です。珍しいというほどの色の違いではありません。
モモタが、木々を見渡しながら言いました。
「そういえば、木の幹は珍しい感じだね。幹の灰色のことを言ってるのかな?」
木々はツルツルした灰色の樹皮で、所々に横線が入っています。エノキという木でした。
アゲハちゃんたちが住んでいた森の木は、茶色と灰色のまだら模様で縦に裂け目のある樹皮の椎の木と、鱗片状の樹皮の松が多かったので、モモタは珍しく思いました。
アゲハちゃんが言いました。
「お家の近くにうるしがあったわ。灰色のツルツルした感じの木肌よ」
すると、「うるし?」とキキ「あの木うるしって言うのか」
「うん、春に山に遊びに来た人が、そう言っていたわ。芽を天ぷらにして食べるんだって」
「天ぷらって何?」とチュウ太が訊きます。
「しらなーい」とアゲハちゃんが言ったので、モモタが教えてあげました。
「てん…ぷらぷらぷらぷらぷらー、て作るんだよ」
「何それ?」とアゲハちゃんがはてな、と首を傾げます。
「そんなふうに音が出るから、天ぷらって言うの」
みんなが「ふーん」と分かったような分からなかったような返事をしました。
その後も、ゾロゾロとついてくるミゾゴイたちを引き連れて辺りの森を探索しますが、何も見つかりませんでした。そこで、キキが上空から森を見渡し、アゲハちゃんが梢の中を飛び回って探し、モモタとチュウ太が地上から探します。ですが、やはり見つかりません。
あることに気がついて戻ってきたキキが、言いました。
「そう言えばたくさん巣があって、それぞれに住んでいる鳥がいるのに、あの巣だけいないね」
それを聞いたみんなで、その巣がある山桜の木の根元までやってきて巣を見上げます。
「そうか」とモモタが言いました。「“体”じゃなくて、“カラーだ”でもなくて、“空(カラ)”だ、なんだ」
モモタが、空っぽの巣がある桜の木に登って、巣をくまなく探すけれど、なにもありません。
チュウ太が言いました。
「もしかしたら、この巣の主が、持っていっちゃったのかな?」
そう言い終わって、枝を組んだお皿形の巣の裏側を探し始めました。
でもやっぱりありません。
あまりに賑やかにやっていたので、薄茶色のハツカネズミが地面に掘ったお家から顔を出して言いました。
「なんだい、こんなに集まっちゃって。昼間に寝ているお友達だっているんだから、ちょっと考えておくれよ。
それに、タカに猫にミゾゴイたくさんだなんて、怖くて夢に出てきそうだよ」
「ごめんなさいね」とアゲハちゃんが謝ると、すかさずチュウ太が訊きました。
「この巣のミゾゴイってどこ行ったの?」
「んー?」と、ハツカネズミが巣を見上げて答えました。
「結構前に向こうの小川をピョンピョン飛び跳ねて、下って行ったよ」
モモタたちは、もう一度小川に戻りました。ですが、匂いの痕跡も残っていません。
ちょうど、“夜更かし”の逆の“朝更かし”をしていたフクロウおばさんがいたので、訊いてみました。
「ああ、あの坊やか。以前ここいらでよくサワガニや魚を取って食べていたよ。
そういえば、最後に見たのはいつだったかねぇ。たしか、わたしのお友達が『迷子になった様子で、夜ウロウロしていた』と言っていたね。『ボォーボォー、ブーブー』て鳴きながら川を下っていったらしいけれど、まだ帰っていないのかい?」
フクロウおばさんにそう教えてもらったモモタたちは、小川伝いに山を下りていきました。
「体じゃないの?」とアゲハちゃん。「一羽だったり三羽だったりしてたじゃない」
みんなは、最初に見つけたミゾゴイのみちる君の体をくまなく探します。
「ぎゃぎゃぎゃっ、くすぐったい」
面白おかしく身をよじるみちる君は持っていません。なにも見つからなかったので、モモタたちは、他のミゾゴイたちの体も探し始めます。
みんな、「ぎゃっぎゃ、ぎゃっぎゃ、グゲグゲ、グゲグゲ」大笑いです。「おいらにもやってー、おいらにもやって―」と群がってきました。
もみくしゃにされたモモタたちは、大群の中からなんとか這い出します。
「モモちゃん大丈夫?」
ミゾゴイたちをひらりとかわして見守っていたアゲハちゃんが、訊きました。
みんなで逃げようとしますが、ミゾゴイたちは諦めません。「おいらにもやってー、おいらにもやって―」と迫ってきて、おしくらまんじゅう状態です。
我慢できなくて、モモタとキキが、「ふにゃ~」「ヒューイ」と鳴いて威嚇しました。
動かなくなったミゾゴイたちに、モモタが「今なぞなぞを考えているから待っててよ」と、お願いします。
すると、ミゾゴイたちは大人しく見守ります。
今度は、チュウ太に答えが思い浮かびました。
「カラーだ。色のことだよ。“体”が転じて“カラーだ”なんじゃないか?」
「チュウ太のくせにあったまイイー♡」
アゲハちゃんが舞い飛んで褒めちぎります。
「“くせには”よけいだよ、“くせに”は」
「あはっ、ごめーん」
それでみんなで珍しい色を探します。
確かに、アゲハちゃんやキキが住んでいた山とは、緑の色も土の色も違うのですが、緑は緑だし、茶色は茶色です。珍しいというほどの色の違いではありません。
モモタが、木々を見渡しながら言いました。
「そういえば、木の幹は珍しい感じだね。幹の灰色のことを言ってるのかな?」
木々はツルツルした灰色の樹皮で、所々に横線が入っています。エノキという木でした。
アゲハちゃんたちが住んでいた森の木は、茶色と灰色のまだら模様で縦に裂け目のある樹皮の椎の木と、鱗片状の樹皮の松が多かったので、モモタは珍しく思いました。
アゲハちゃんが言いました。
「お家の近くにうるしがあったわ。灰色のツルツルした感じの木肌よ」
すると、「うるし?」とキキ「あの木うるしって言うのか」
「うん、春に山に遊びに来た人が、そう言っていたわ。芽を天ぷらにして食べるんだって」
「天ぷらって何?」とチュウ太が訊きます。
「しらなーい」とアゲハちゃんが言ったので、モモタが教えてあげました。
「てん…ぷらぷらぷらぷらぷらー、て作るんだよ」
「何それ?」とアゲハちゃんがはてな、と首を傾げます。
「そんなふうに音が出るから、天ぷらって言うの」
みんなが「ふーん」と分かったような分からなかったような返事をしました。
その後も、ゾロゾロとついてくるミゾゴイたちを引き連れて辺りの森を探索しますが、何も見つかりませんでした。そこで、キキが上空から森を見渡し、アゲハちゃんが梢の中を飛び回って探し、モモタとチュウ太が地上から探します。ですが、やはり見つかりません。
あることに気がついて戻ってきたキキが、言いました。
「そう言えばたくさん巣があって、それぞれに住んでいる鳥がいるのに、あの巣だけいないね」
それを聞いたみんなで、その巣がある山桜の木の根元までやってきて巣を見上げます。
「そうか」とモモタが言いました。「“体”じゃなくて、“カラーだ”でもなくて、“空(カラ)”だ、なんだ」
モモタが、空っぽの巣がある桜の木に登って、巣をくまなく探すけれど、なにもありません。
チュウ太が言いました。
「もしかしたら、この巣の主が、持っていっちゃったのかな?」
そう言い終わって、枝を組んだお皿形の巣の裏側を探し始めました。
でもやっぱりありません。
あまりに賑やかにやっていたので、薄茶色のハツカネズミが地面に掘ったお家から顔を出して言いました。
「なんだい、こんなに集まっちゃって。昼間に寝ているお友達だっているんだから、ちょっと考えておくれよ。
それに、タカに猫にミゾゴイたくさんだなんて、怖くて夢に出てきそうだよ」
「ごめんなさいね」とアゲハちゃんが謝ると、すかさずチュウ太が訊きました。
「この巣のミゾゴイってどこ行ったの?」
「んー?」と、ハツカネズミが巣を見上げて答えました。
「結構前に向こうの小川をピョンピョン飛び跳ねて、下って行ったよ」
モモタたちは、もう一度小川に戻りました。ですが、匂いの痕跡も残っていません。
ちょうど、“夜更かし”の逆の“朝更かし”をしていたフクロウおばさんがいたので、訊いてみました。
「ああ、あの坊やか。以前ここいらでよくサワガニや魚を取って食べていたよ。
そういえば、最後に見たのはいつだったかねぇ。たしか、わたしのお友達が『迷子になった様子で、夜ウロウロしていた』と言っていたね。『ボォーボォー、ブーブー』て鳴きながら川を下っていったらしいけれど、まだ帰っていないのかい?」
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