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モモタとママと虹の架け橋
第五十二話 義と徳を振りかざす者と振りかざされる者
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キキは、悪化の一途をたどる事態の原因はカラスにある、と分かっていました。カラスさえ来なければ、ここまで状況が悪くなることは無かったでしょう。ですが、カラスを排することが出来ません。弱り切った自分であっても、数羽のカラスと闘うことくらいは出来るはずですが、そんなことをしてしまったら、もはや山鳩たちは自分を信じてはくれないでしょう。
キキはショックを隠し切れません。本来、ごはんにしてきた山鳩に恐怖を感じることなんてありませんでした。それが今はどうでしょう。山鳩の罵声の重さといったら、耐えられる重さではありません。潰れてしまいそうです。
それでもキキは頑張りました。
「それじゃあ、クジラが死んでしまってもいいって言うの? 困ってるクジラを目の前にして見捨てろって言うの? どうしてそんなひどいことが出来るんだ?」
最初に話しかけてきた老いた声が言いました。
「わしらはそのクジラを存じておらんよ。知らん者のためにわしらが危険な目に遭ういわれなんぞないからの」
「だから、僕は何度も食べないって――」
「そうではない。仮におぬしの言うことが本当だとしても、わしらにはクジラを助ける義理なんぞない。そもそも、冬に入って草葉も枯れ散ってしまった。大地は白銀に覆われて、ただでさえ青紫がかった灰色のわしらは目立ってしまう。
そんなわしらが海まで行ってみい。おぬしらの目であれば、遠くに連なる巍然(ぎぜん)とした山々からでもよく見えるじゃろうな。わしらはたちまちのうちに見つかって食べられてしまう」
「翁の言う通りです」と知的な声。
老いた声が続けます。
「わしらが行ったところで、そのクジラが助かるかも分からぬ。仮に助かったとしても、それでわしらが死んでしまっては元も子もあるまい」
キキが言いました。
「僕が守ります。僕はオオタカですから、何者にも負けません」すんなり敬語で喋れました。
「何を根拠に言っておる。おぬし一羽で守れる山鳩の数なんぞたかが知れておる」
「それでも守ります」
「言うは易しじゃ。肉食の鳥が飛び交い、キツネやタヌキ、イタチが這い回る中で、どうやって守りきる」
「それは――」キキは答えられません。確かに大勢で襲ってこられては、みんなを守りきれません。
「でも――」とキキは続けました。
「クジラは苦しんでいます。鼻を塩で詰まらせて動けなくなっています。早く助けてやらないと、あんなに大きなクジラでさえ凍ってしまいます。山鳩がたくさん来てくれたら、クジラを覆う塩を掘ったり食べたりして、鼻の穴を開けられる。
そうしたら、クジラは助かるし僕も感謝する。僕は君たちを食べないから、君たちも安心できるでしょう? 僕の友達だって喜んでくれる。みんな喜んでくれることなんだよ」
年老いた声が訊きました。
「なぜそこまでしてクジラを助けたがる?」
「それは――」キキは迷いました。虹の雫のことを話せば、それが欲しいだけだと非難されると思ったからです。ですが、キキは隠さずに言いました。当然非難轟々です。
沸き起こる非難の嵐をせき止めて、年老いた声が言いました。
「おぬしが友達の猫を助けたいと思う気持ちはよう分かる。だが、クジラを助けたい気持ちは偽りではないか? もし虹の雫とやらがなかったとしたら、それでもおぬしはクジラを助けるのかのう」
知的山鳩が「そう言うのを偽善と言うのです」と言いました。
キキは黙り込みます。
年老いた声は続けました。
「助けはせんじゃろうな。おぬしにとって、そのクジラは知らぬクジラじゃから。
それにな、猫の願いだって猫のものじゃ。その猫の願いが叶おうともわしらには何の影響もない。確かにおぬしの言うことは徳に適っておるが、それをしないからといって不徳とするのはいかがなものじゃろうな」
キキは、年老いたハトの考えに納得がいかきません。
「どうして? 困っている者を助けるのはどんな動物だっておんなじでしょう?」
「“義見てせざるは勇無きなり”と言うが、それは強者の言うこと。山鳩であるわしらが、オオタカであるおぬしのようにできるとは限らん。結局困っているかどうか、すべきかどうかを決めておるのはおぬしじゃ。わしらではない。それに、わしらが受けているこの災難はどうしてくれる? 勇を見せたとして食われてしまったらどうする? そんなわしらの気持ちを察してくれるのも義ではないかの」
知的鳩が言いました。
「義や徳を振りかざして、実行しなければ不徳と決めつけるほうが不徳でしょう。あなたは、あなたの目的を行わせるために、義や徳を利用しているのです。そんなあなたに義や徳を持って答えてやる必要はありません。義や徳が不徳の者に対してまで無条件に及ぶわけではないのです。不義不徳の者を利する義や徳はありませんから。翁が仰ったとおり、あなたが義や徳を説くのであれば、その義や徳をわたしたちに示して、あなたの望みにわたしたちを利用するのをやめてください」
知的鳩が言い終わると、拍手喝さいが響き渡ります。
キキの後ろの方角にいたハトが羽を掲げて、みんなを鎮めてから言いました。
「君の友達って猫だって言ったね。猫だって僕たちのことを食べるよ。塩を一生懸命掘っている間に後ろから襲われたら、どうするんだ」
キキは振り向いて答えます。
「モモタはそんなことしないよ。とてもいいやつなんだ」
「山鳩を食べたことない――いや、肉を食べたことない草食の猫だって言うのかい?」
「それは・・・」キキは否定できません。
後ろの声が続けます。
「君のいいやつってどんなやつさ。もしお腹を空かせている君を見かねて山鳩を捕えて持ってきてくれたら、それは君にとってはいいやつなんだろうけど、餌食にされた山鳩にとっては悪逆非道なやつじゃないか」
またまた、抜けや折れやのシュプレヒコールが響き渡りました。
年老いた声が口を開いて、キキに言いました。
「約束は、おぬしが言っているだけのこと。それをその猫が守るいわれはない」
「モモタは守るよ、本当だよ。僕は空の王者だよ。王者は嘘つかないよ。モモタはそんな僕のお友達なんだ。モモタは、僕がした約束を理解して守ってくれる。僕は、王者である自分に誓って約束を守るよ」
知的山鳩が言いました。
「猛禽はみんなそうです。近くの山に何種類もの猛禽が住んでいますが、みんなわたしたちを食べますよ。ですから、あなたが僕たちを食べるのも当然です。猛禽は自らが王者だと豪語しています。自分が絶対で、我々はごはんでしかありません。
あなたは“嘘をつかない”“約束は守る”と言いましたが、何をもって嘘というのです? いつからいつまでが約束できるのですか? 食べない山鳩は誰と誰ですか?」
「それは――・・・、君たちを食べたら嘘になるよ。いつからと言われれば、出てきてくれた時からだよ。 食べない山鳩が誰かなんて分からないよ。姿を見ていないんだから」
すると、勝ち誇ったような声が返ってきました。
「なぜあなたが決めるんです? だから私は言ったのです。猛禽はみな同じだ、と。皆王者だと自負していますから。皆嘘をつきません。当然です。だって真偽を決めるのはそちらですから。いくらでも例外は作れます。いくらでも本当は作れるのです」
キキが言いました。
「どうしてそんなことばかり言って僕を困らせるの? そんなふうにしなくてもいいじゃないか。協力しておくれよ」
「困らせることばかり言っているのは、あなたの方ですよ。あなたは自らの望みを叶えるために色々なことを言っていますが、それを望んでいるのはあなただけでしょう。あなたは決めつけているのです。あなたが望むことは正しくて、わたしたちが間違っている、と。
あなたはあなたの論理で事を話しておいでですが、あなたの論理が唯一無二の論理ではないし、絶対的に正しいと言うわけではないのです。
我々だって死にたくありません。もしかしたらを考えれば、あなたに協力しないという結論があってしかるべきです。誰も強要できません。だってもしもの時があったら、その時は食べられている時ですから、取り返しなんてつけようがありません」
知的山鳩が言いていることはもっともです。キキは答えられませんでした。
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「わしらはそのクジラを存じておらんよ。知らん者のためにわしらが危険な目に遭ういわれなんぞないからの」
「だから、僕は何度も食べないって――」
「そうではない。仮におぬしの言うことが本当だとしても、わしらにはクジラを助ける義理なんぞない。そもそも、冬に入って草葉も枯れ散ってしまった。大地は白銀に覆われて、ただでさえ青紫がかった灰色のわしらは目立ってしまう。
そんなわしらが海まで行ってみい。おぬしらの目であれば、遠くに連なる巍然(ぎぜん)とした山々からでもよく見えるじゃろうな。わしらはたちまちのうちに見つかって食べられてしまう」
「翁の言う通りです」と知的な声。
老いた声が続けます。
「わしらが行ったところで、そのクジラが助かるかも分からぬ。仮に助かったとしても、それでわしらが死んでしまっては元も子もあるまい」
キキが言いました。
「僕が守ります。僕はオオタカですから、何者にも負けません」すんなり敬語で喋れました。
「何を根拠に言っておる。おぬし一羽で守れる山鳩の数なんぞたかが知れておる」
「それでも守ります」
「言うは易しじゃ。肉食の鳥が飛び交い、キツネやタヌキ、イタチが這い回る中で、どうやって守りきる」
「それは――」キキは答えられません。確かに大勢で襲ってこられては、みんなを守りきれません。
「でも――」とキキは続けました。
「クジラは苦しんでいます。鼻を塩で詰まらせて動けなくなっています。早く助けてやらないと、あんなに大きなクジラでさえ凍ってしまいます。山鳩がたくさん来てくれたら、クジラを覆う塩を掘ったり食べたりして、鼻の穴を開けられる。
そうしたら、クジラは助かるし僕も感謝する。僕は君たちを食べないから、君たちも安心できるでしょう? 僕の友達だって喜んでくれる。みんな喜んでくれることなんだよ」
年老いた声が訊きました。
「なぜそこまでしてクジラを助けたがる?」
「それは――」キキは迷いました。虹の雫のことを話せば、それが欲しいだけだと非難されると思ったからです。ですが、キキは隠さずに言いました。当然非難轟々です。
沸き起こる非難の嵐をせき止めて、年老いた声が言いました。
「おぬしが友達の猫を助けたいと思う気持ちはよう分かる。だが、クジラを助けたい気持ちは偽りではないか? もし虹の雫とやらがなかったとしたら、それでもおぬしはクジラを助けるのかのう」
知的山鳩が「そう言うのを偽善と言うのです」と言いました。
キキは黙り込みます。
年老いた声は続けました。
「助けはせんじゃろうな。おぬしにとって、そのクジラは知らぬクジラじゃから。
それにな、猫の願いだって猫のものじゃ。その猫の願いが叶おうともわしらには何の影響もない。確かにおぬしの言うことは徳に適っておるが、それをしないからといって不徳とするのはいかがなものじゃろうな」
キキは、年老いたハトの考えに納得がいかきません。
「どうして? 困っている者を助けるのはどんな動物だっておんなじでしょう?」
「“義見てせざるは勇無きなり”と言うが、それは強者の言うこと。山鳩であるわしらが、オオタカであるおぬしのようにできるとは限らん。結局困っているかどうか、すべきかどうかを決めておるのはおぬしじゃ。わしらではない。それに、わしらが受けているこの災難はどうしてくれる? 勇を見せたとして食われてしまったらどうする? そんなわしらの気持ちを察してくれるのも義ではないかの」
知的鳩が言いました。
「義や徳を振りかざして、実行しなければ不徳と決めつけるほうが不徳でしょう。あなたは、あなたの目的を行わせるために、義や徳を利用しているのです。そんなあなたに義や徳を持って答えてやる必要はありません。義や徳が不徳の者に対してまで無条件に及ぶわけではないのです。不義不徳の者を利する義や徳はありませんから。翁が仰ったとおり、あなたが義や徳を説くのであれば、その義や徳をわたしたちに示して、あなたの望みにわたしたちを利用するのをやめてください」
知的鳩が言い終わると、拍手喝さいが響き渡ります。
キキの後ろの方角にいたハトが羽を掲げて、みんなを鎮めてから言いました。
「君の友達って猫だって言ったね。猫だって僕たちのことを食べるよ。塩を一生懸命掘っている間に後ろから襲われたら、どうするんだ」
キキは振り向いて答えます。
「モモタはそんなことしないよ。とてもいいやつなんだ」
「山鳩を食べたことない――いや、肉を食べたことない草食の猫だって言うのかい?」
「それは・・・」キキは否定できません。
後ろの声が続けます。
「君のいいやつってどんなやつさ。もしお腹を空かせている君を見かねて山鳩を捕えて持ってきてくれたら、それは君にとってはいいやつなんだろうけど、餌食にされた山鳩にとっては悪逆非道なやつじゃないか」
またまた、抜けや折れやのシュプレヒコールが響き渡りました。
年老いた声が口を開いて、キキに言いました。
「約束は、おぬしが言っているだけのこと。それをその猫が守るいわれはない」
「モモタは守るよ、本当だよ。僕は空の王者だよ。王者は嘘つかないよ。モモタはそんな僕のお友達なんだ。モモタは、僕がした約束を理解して守ってくれる。僕は、王者である自分に誓って約束を守るよ」
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「猛禽はみんなそうです。近くの山に何種類もの猛禽が住んでいますが、みんなわたしたちを食べますよ。ですから、あなたが僕たちを食べるのも当然です。猛禽は自らが王者だと豪語しています。自分が絶対で、我々はごはんでしかありません。
あなたは“嘘をつかない”“約束は守る”と言いましたが、何をもって嘘というのです? いつからいつまでが約束できるのですか? 食べない山鳩は誰と誰ですか?」
「それは――・・・、君たちを食べたら嘘になるよ。いつからと言われれば、出てきてくれた時からだよ。 食べない山鳩が誰かなんて分からないよ。姿を見ていないんだから」
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「困らせることばかり言っているのは、あなたの方ですよ。あなたは自らの望みを叶えるために色々なことを言っていますが、それを望んでいるのはあなただけでしょう。あなたは決めつけているのです。あなたが望むことは正しくて、わたしたちが間違っている、と。
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