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モモタとママと虹の架け橋
第百四十七話 エピローグ
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炎と薪が奏でる心地よい破裂音が聞こえてきました。ゆらゆらと揺れる揺り椅子に座る岬のおばあちゃんのお膝の上で、モモタはおねんねをしていました。
暖炉という名の劇場から流れてくる美しいメロディーが静寂の中に溶けていきます。体の芯まで温めてくれる茜色の炎の光を浴びながら、モモタは夢の余韻に微睡んでいました。目覚めてしまうのがもったいないくらいの気持ち良いひと時です。
おばあちゃんの息遣いや温もりが安らぎを与えてくれている中、モモタはふと目が覚めました。ですがまだ夢心地。つむるまぶたの裏に広がる世界が現実なのか、それともまぶたを開けると見える暖炉が現実なのか分かりません。長い長い夢を見ていたかのような気持ちです。
暖炉が放つオレンジめいた赤い光が、どことなく虹色のきらめきを帯びているように見えました。
モモタは思いました。
(あれ? これは夢なのかな?・・・ああ…そうか、これは夢だったんだな。・・・ママと会えたのもきっと夢だったんだ・・・・・)
モモタは急に悲しくなって、震えながら深く息を吸いこんで飲み込みます。同時に瞳の奥がじーんとなって、涙が滲みました。おばあちゃんの膝の上で丸くなっていたモモタは、身を強張らせて更に小さく丸まります。
(やっぱり僕は一匹ぽっちだったんだ)
モモタは嗚咽を殺しました。
本当にそうなのでしょうか。みんな夢だったのでしょうか。いいえ違います。大きく吸い込んだ空気には、夢の中のママとおんなじ香りが溶け込んでいたからです。色々な香りに交じった本当に仄かな香りでした。
モモタはもう一度まぶたを開けて、薪ストーブを見ました。こちらが現実なのでしょう。モモタは、やっぱり一匹ぽっちなんだと薄々思いながら、瞳を泳がせました。悲しみに任せるままに。
ですがモモタは、そのような悲しみに混ざり合う幸せの気持ちも感じていました。夢も幻もありません。全てが現実だったのです。まぎれもなく現実だったのです。全ての不安が取り除かれて、至福だけが心をいっぱいに満たしていきます。
視線を落とすと、おばあちゃんの足元には、静かにモモタを見上げてほほ笑むママが、モモタの目覚めを出迎えてくれていました。
おしまい
暖炉という名の劇場から流れてくる美しいメロディーが静寂の中に溶けていきます。体の芯まで温めてくれる茜色の炎の光を浴びながら、モモタは夢の余韻に微睡んでいました。目覚めてしまうのがもったいないくらいの気持ち良いひと時です。
おばあちゃんの息遣いや温もりが安らぎを与えてくれている中、モモタはふと目が覚めました。ですがまだ夢心地。つむるまぶたの裏に広がる世界が現実なのか、それともまぶたを開けると見える暖炉が現実なのか分かりません。長い長い夢を見ていたかのような気持ちです。
暖炉が放つオレンジめいた赤い光が、どことなく虹色のきらめきを帯びているように見えました。
モモタは思いました。
(あれ? これは夢なのかな?・・・ああ…そうか、これは夢だったんだな。・・・ママと会えたのもきっと夢だったんだ・・・・・)
モモタは急に悲しくなって、震えながら深く息を吸いこんで飲み込みます。同時に瞳の奥がじーんとなって、涙が滲みました。おばあちゃんの膝の上で丸くなっていたモモタは、身を強張らせて更に小さく丸まります。
(やっぱり僕は一匹ぽっちだったんだ)
モモタは嗚咽を殺しました。
本当にそうなのでしょうか。みんな夢だったのでしょうか。いいえ違います。大きく吸い込んだ空気には、夢の中のママとおんなじ香りが溶け込んでいたからです。色々な香りに交じった本当に仄かな香りでした。
モモタはもう一度まぶたを開けて、薪ストーブを見ました。こちらが現実なのでしょう。モモタは、やっぱり一匹ぽっちなんだと薄々思いながら、瞳を泳がせました。悲しみに任せるままに。
ですがモモタは、そのような悲しみに混ざり合う幸せの気持ちも感じていました。夢も幻もありません。全てが現実だったのです。まぎれもなく現実だったのです。全ての不安が取り除かれて、至福だけが心をいっぱいに満たしていきます。
視線を落とすと、おばあちゃんの足元には、静かにモモタを見上げてほほ笑むママが、モモタの目覚めを出迎えてくれていました。
おしまい
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