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第六十九話 ついに終局? 結局勝ったの誰でした?
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もうクタクタのローゼやエミリアに対して、まだまだ元気いっぱいの美穂ちゃん。さすがは小学生。
「師匠、わたしが十八歳になったら、女王様の特訓してください」
「良いわよ」と、エルザが答える。
「わたし、立派な女王様になって、わたしを見下した男子を見返してやりたいんです」
「なお良いわ」
「わたし、いつかロベルト君を逆エビ反りに縛り上げてロウソク責めにして、わたしを好きだって言わせてみせます。わたし、一番弟子として師匠を超えますから」
「出来るわ。誰だってあなたのこと『好きだ』って言わせることが出来てよ」
口元に手を添えたエルザ、「ほーほっほっほっほっほっ」と笑い出す。
「ほーほ ほ ほっ」真似して美穂も高笑い。
延々と遠くまで響き渡る。
「あッ! ずるいです! 一番弟子はわたしなんですからね」と叫んだエミリアが美穂に駆け寄ってムキーと怒る。
「言っちゃったよ! 自分であの変態の弟子だって言っちゃったよ!」と、ローゼは置いてけぼりを食う。
お父さん軍人らしいけれど、娘はもう人生足踏み外しているな。軍人になるのは絶対無理だよ。
そうだ、忘れていたけど、今まだ戦闘中。
「今だ!」と隙を突いたローゼが、美穂に刺突の連打を浴びせかける。もちろん刺す気はない。逃げ道を封じるためのジャブ的連撃。
(このままじゃ、親御さんに美穂を返せない。なんとか証拠を隠滅しなきゃ)とローゼ必死。
「うううううー」
壁際に追い詰められた美穂。勝ちを確信したローゼ「ふふん」と鼻で笑う。最後良ければすべてよし。ズボン――じゃなかったブルマを穿かせて、一件落着。トランクスの件はエルザの手柄だけれど、ローゼは美味しいところをかすめ盗る気だ。
でも美穂を追い詰めた壁どこの壁だ? 見たことある外観。ローゼは目だけキョロキョロさせて周りを確認。すると上の方から声がする。見上げると手を振るカトワーズ。ここローゼたちが泊まっているホテルだ。
「ヤッホーみっほー」と声が聞こえて、大建築を見上げる美穂。
「あー、カトワーズ! やっほー」
一瞬にして、アイシャドーとマスカラ塗られて、渦巻きホッペ。何があったのカトワーズ? ローゼが上と下を交互に見やる。二度見三度見繰り返す。美穂ずっと一階にいたはずなのに。
「やっりー」とはしゃぐ美穂。
「超能力が開放されればこんなことにならないのにー」とカトワーズは諦めモード。
「クラゲ野郎を外してくれ」と美穂に言う。
「あははー、やだー」
「外してくれたら力を発揮できるんだ。そうしたら、あんな奴隷女の一匹や二匹に負けないよ。僕が美穂のこと逃がしてあげるよ」
「裏切る気? カトワーズ!」ローゼが叫ぶ。
「奴隷のくせに主人に向かってなんて口のきき方するんだ。どう使われても文句言えずに死肉を晒すのが奴隷冥利に尽きるってものだろ?」
そんな冥利ねーよ。
シュシュシュー、と一瞬の内に触手が解かれる。誰が何やってもほどけなかった触手をいともあっさり。でも美穂が飛び上がった様子一切なし。動き速すぎだろ⁉
すごい霊気を発したカトワーズは、それをサイコエネルギーに変換して、クラゲ船に乗ったまま窓から飛び出した。地に下りると、そのまま一目散に逃げていく。一緒にクラゲに乗って逃げていく美穂、「ばいばいーい」と大きく手を振っている。
「わたしも行くわ」とエルザも便乗(クラゲには乗ってないけど)、走って一緒に逃げていく。「あっ、待って――」とローゼが言いかけた時、「ローゼリッタさん」と後ろから声がした。振り返ると、ワナワナ震えるしげおがいる。
ローゼはバツが悪そうに言った。
「あ、いや、教育は成功したんですよ。――ほら、とりあえず、トランクスはやめる気配ですから…良いですよね?」
「良いわけねーだろ! すぐ行ってふん捕まえてこーい!」
「あのっ、報酬は?」
「連れ戻してこーいっ! こないとびた一文あるわけなぁーい! そればかりか、めちゃくちゃにしやがった家ン中の損害賠償請求してやるー!」
「はっ、はーい! 今すぐに―‼‼」
連れ戻すまでに一週間かかりました。
「師匠、わたしが十八歳になったら、女王様の特訓してください」
「良いわよ」と、エルザが答える。
「わたし、立派な女王様になって、わたしを見下した男子を見返してやりたいんです」
「なお良いわ」
「わたし、いつかロベルト君を逆エビ反りに縛り上げてロウソク責めにして、わたしを好きだって言わせてみせます。わたし、一番弟子として師匠を超えますから」
「出来るわ。誰だってあなたのこと『好きだ』って言わせることが出来てよ」
口元に手を添えたエルザ、「ほーほっほっほっほっほっ」と笑い出す。
「ほーほ ほ ほっ」真似して美穂も高笑い。
延々と遠くまで響き渡る。
「あッ! ずるいです! 一番弟子はわたしなんですからね」と叫んだエミリアが美穂に駆け寄ってムキーと怒る。
「言っちゃったよ! 自分であの変態の弟子だって言っちゃったよ!」と、ローゼは置いてけぼりを食う。
お父さん軍人らしいけれど、娘はもう人生足踏み外しているな。軍人になるのは絶対無理だよ。
そうだ、忘れていたけど、今まだ戦闘中。
「今だ!」と隙を突いたローゼが、美穂に刺突の連打を浴びせかける。もちろん刺す気はない。逃げ道を封じるためのジャブ的連撃。
(このままじゃ、親御さんに美穂を返せない。なんとか証拠を隠滅しなきゃ)とローゼ必死。
「うううううー」
壁際に追い詰められた美穂。勝ちを確信したローゼ「ふふん」と鼻で笑う。最後良ければすべてよし。ズボン――じゃなかったブルマを穿かせて、一件落着。トランクスの件はエルザの手柄だけれど、ローゼは美味しいところをかすめ盗る気だ。
でも美穂を追い詰めた壁どこの壁だ? 見たことある外観。ローゼは目だけキョロキョロさせて周りを確認。すると上の方から声がする。見上げると手を振るカトワーズ。ここローゼたちが泊まっているホテルだ。
「ヤッホーみっほー」と声が聞こえて、大建築を見上げる美穂。
「あー、カトワーズ! やっほー」
一瞬にして、アイシャドーとマスカラ塗られて、渦巻きホッペ。何があったのカトワーズ? ローゼが上と下を交互に見やる。二度見三度見繰り返す。美穂ずっと一階にいたはずなのに。
「やっりー」とはしゃぐ美穂。
「超能力が開放されればこんなことにならないのにー」とカトワーズは諦めモード。
「クラゲ野郎を外してくれ」と美穂に言う。
「あははー、やだー」
「外してくれたら力を発揮できるんだ。そうしたら、あんな奴隷女の一匹や二匹に負けないよ。僕が美穂のこと逃がしてあげるよ」
「裏切る気? カトワーズ!」ローゼが叫ぶ。
「奴隷のくせに主人に向かってなんて口のきき方するんだ。どう使われても文句言えずに死肉を晒すのが奴隷冥利に尽きるってものだろ?」
そんな冥利ねーよ。
シュシュシュー、と一瞬の内に触手が解かれる。誰が何やってもほどけなかった触手をいともあっさり。でも美穂が飛び上がった様子一切なし。動き速すぎだろ⁉
すごい霊気を発したカトワーズは、それをサイコエネルギーに変換して、クラゲ船に乗ったまま窓から飛び出した。地に下りると、そのまま一目散に逃げていく。一緒にクラゲに乗って逃げていく美穂、「ばいばいーい」と大きく手を振っている。
「わたしも行くわ」とエルザも便乗(クラゲには乗ってないけど)、走って一緒に逃げていく。「あっ、待って――」とローゼが言いかけた時、「ローゼリッタさん」と後ろから声がした。振り返ると、ワナワナ震えるしげおがいる。
ローゼはバツが悪そうに言った。
「あ、いや、教育は成功したんですよ。――ほら、とりあえず、トランクスはやめる気配ですから…良いですよね?」
「良いわけねーだろ! すぐ行ってふん捕まえてこーい!」
「あのっ、報酬は?」
「連れ戻してこーいっ! こないとびた一文あるわけなぁーい! そればかりか、めちゃくちゃにしやがった家ン中の損害賠償請求してやるー!」
「はっ、はーい! 今すぐに―‼‼」
連れ戻すまでに一週間かかりました。
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