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第六十八話 衝撃暴露? エミリアの野望
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長々と追い回して、ようやく騎馬の人たちが力尽きた。
「こいつら使えなーい」と言った美穂、有刺鉄線で縛り上げて歩道の木に括って吊るす。
「何とか追いつめたわね」と言うローゼめがけて、窮鼠猫を嚙むとばかりに美穂が突進してくる。だが、ローゼの適応力はだてじゃない。
「何度もおんなじ攻撃受けますかっ」
生着替えされる直前を見きって、サッと避ける。ぴょー、と駆け抜けた美穂は止まれずに、勢い余って大建築に突っ込み、石造りの五階建てを崩壊させた。
がれきから這い出してきた美穂、今度はエミリアめがけて突っ込んでくる。もちろんエミリアの適応力だってだてじゃない。
「何度もおんなじ攻撃受けますかっ」
生着替えされる直前を見きって、サッと避ける。瞬間カクッと美穂方向転換、エミリアと大クラッシュ。瞬時にみのむしに衣替え。「あ、ぐるぐる丸眼鏡――」とローゼぽつり。
「何でわたしにだけー」と嘆くエミリア。手と足だけが出た変な姿。裸足。体育祭の仮装でいそう。火葬場貸そう。よく燃えそう。
「もう、死ぬしかないのね、わたし~」フラフラしてから「よよよー」と泣き崩れる。エミリア、美穂に惨敗。戦意喪失。本人も負けを認めた様子だ。
「わたし、めがねっ子目指します」
立ち直りはえーな。でも無理だぜ、その眼鏡じゃ。
「わたしめがね取ったら可愛いんです」
スチャッ、と眼鏡を取るエミリア。なんか超ド近眼風になってるよ? マンガみたいなやつ。口も一緒だ。
「ええ?」と驚いて、何度も着脱するエミリア。やるたんびに違う目になる。おたふく、能面、般若、黒目が♡。眉毛なくなってる。片っぽまつ毛なし。めっちゃ劇画タッチ。激細一重に―――‼‼⁉ 何それ? 黒目めっちゃたくさん蠢いてる‼ 伝説の魔王でも宿しているんですかッッッ⁉
ローゼ美穂を見やって「巫術? いや呪術か? ――あの子人間か?」
エルザが「生着替えさせた時に、相手の秘めた願望を呼び起こすのよ」と教えてやる。
どんな願望だよ。火あぶりに処したほうが良いんじゃないか? エミリア憑代にして降魔なんてあったら大惨事だぞ。
すると恐れていたことが。突如としてエミリアが咆哮する。
「ぐわはははははー。わらわが人間界を支配した暁には、この世の巨乳をみんなわたしより小さくしてやるー」
なんか恐怖が萎んだよ。あの蠢く黒目、見ていないふりして胸見てる男の目と同じだったのか? それが具現化しただけなのか? 相当羨んで見ていた様子。心底気にしていたんだろーなー。
ローゼを襲うエミリア、なんか色っぽいながらも軽快な音楽が鳴り響く。迎え撃つローゼ「あれ? わたしの腰マントがない?」レイピアもだ。
見ると新しい人間騎馬の上で美穂が持って右に左にステップしている。超軽やか。人間騎馬器用に動けるものなのね。
じゃららららららららーん、とドラムロール。
合図と共にエミリアを覆う腰マント(頭にだけ)。グサッ。じゃっじゃじゃーん。
マントが剥がされ「刺さってなーい」と叫ぶエミリア、足開いて両手を掲げる。
お腹にめっちゃ刺さってますけど? 貫通してますけど? そもそもマント関係なくない?
「いえ、わたしには刺さっていないんですよ」エミリアが言う。
レイピアを抜くと、確かに血はついていない。よけれる隙間ねーだろ。
「剥いて見ましょう」と美穂サッソク。
剥がされたミノの内側にはエミリアのお腹がない。「マジっすか?」と驚くローゼ。なんか黒紫色の異空間が広がっている。もはや地獄か?
「え? え?」と気になる様子のエミリア。「わたしにも見せてくださーい」
「見ないほうが良いと思うわよ、すんごいから」ローゼ無理に笑顔を作る。
「ええー? 見たーい」
笑っていられる今が幸せ。
「美穂」とエルザが話しかけた。「ムチに興味があるみたいだけれど、あなたには向かないわ。だから別の武器を教えてあげる」と言って、がれきの中からロウソクを取り上げる。「これをたらすのよ」
ボヤにかざして火をつけると、それを美穂に渡した。
「あれ? 渡したの何本あったの?」ローゼが訊く。
一本受け取ったはずなのに、受け取ったそばから、ひい、ふう、みい……十本に増えてるー。
エルザ、微妙な微笑み「……」。
その視線の先の美穂、サーカスみたいにくるくる投げまわしながら、小太りの背中に炎をあてる。いや、使うの溶けたロウの方ですから。
「いやっ! それじゃつまんない」
美穂は、咎めるローゼの言うことを聞かず、「危ないよ/子供の火遊び/大全焼ー」
そんな標語知っていてやんのかよ。学校教育が負けるなんてー。
「なかなかやるわね」とエルザ。「焦げる脂の匂いが堪らないわ」更に「でもね――」と真剣に言った。
何を続ける気だ?
「――トランクスはいただけないわね」
「え?」とたじろぐ美穂。
「美穂はまだ色気がないから十八歳まではわたしみたいな格好は解禁できないけれど、せめてブルマーにしときなさい」
「でっ でもっ――」と食い下がる美穂。「捲し上げれば良いよ」
「だめよ」とエルザが一喝。「何か田舎の肌着とステテコで街歩いてるおじいちゃんみたいよ」
美穂は「うううー」と唸る。納得がいかない様子だが、最後は「分かった」頷いた。
マジか? 美穂が人の言うこと聞くなんて信じられない。
ローゼが感心してエルザを見やる。ゆっさゆっさと揺れる胸。なんかこれ見よがしに揺らして見せつけている。
「これで黙らせたのか」と納得するローゼ。「――この子の人生――――」美穂に視線を戻しながら「エロい方向(能動的方向で)で相当だわ……」と呟いた。
「こいつら使えなーい」と言った美穂、有刺鉄線で縛り上げて歩道の木に括って吊るす。
「何とか追いつめたわね」と言うローゼめがけて、窮鼠猫を嚙むとばかりに美穂が突進してくる。だが、ローゼの適応力はだてじゃない。
「何度もおんなじ攻撃受けますかっ」
生着替えされる直前を見きって、サッと避ける。ぴょー、と駆け抜けた美穂は止まれずに、勢い余って大建築に突っ込み、石造りの五階建てを崩壊させた。
がれきから這い出してきた美穂、今度はエミリアめがけて突っ込んでくる。もちろんエミリアの適応力だってだてじゃない。
「何度もおんなじ攻撃受けますかっ」
生着替えされる直前を見きって、サッと避ける。瞬間カクッと美穂方向転換、エミリアと大クラッシュ。瞬時にみのむしに衣替え。「あ、ぐるぐる丸眼鏡――」とローゼぽつり。
「何でわたしにだけー」と嘆くエミリア。手と足だけが出た変な姿。裸足。体育祭の仮装でいそう。火葬場貸そう。よく燃えそう。
「もう、死ぬしかないのね、わたし~」フラフラしてから「よよよー」と泣き崩れる。エミリア、美穂に惨敗。戦意喪失。本人も負けを認めた様子だ。
「わたし、めがねっ子目指します」
立ち直りはえーな。でも無理だぜ、その眼鏡じゃ。
「わたしめがね取ったら可愛いんです」
スチャッ、と眼鏡を取るエミリア。なんか超ド近眼風になってるよ? マンガみたいなやつ。口も一緒だ。
「ええ?」と驚いて、何度も着脱するエミリア。やるたんびに違う目になる。おたふく、能面、般若、黒目が♡。眉毛なくなってる。片っぽまつ毛なし。めっちゃ劇画タッチ。激細一重に―――‼‼⁉ 何それ? 黒目めっちゃたくさん蠢いてる‼ 伝説の魔王でも宿しているんですかッッッ⁉
ローゼ美穂を見やって「巫術? いや呪術か? ――あの子人間か?」
エルザが「生着替えさせた時に、相手の秘めた願望を呼び起こすのよ」と教えてやる。
どんな願望だよ。火あぶりに処したほうが良いんじゃないか? エミリア憑代にして降魔なんてあったら大惨事だぞ。
すると恐れていたことが。突如としてエミリアが咆哮する。
「ぐわはははははー。わらわが人間界を支配した暁には、この世の巨乳をみんなわたしより小さくしてやるー」
なんか恐怖が萎んだよ。あの蠢く黒目、見ていないふりして胸見てる男の目と同じだったのか? それが具現化しただけなのか? 相当羨んで見ていた様子。心底気にしていたんだろーなー。
ローゼを襲うエミリア、なんか色っぽいながらも軽快な音楽が鳴り響く。迎え撃つローゼ「あれ? わたしの腰マントがない?」レイピアもだ。
見ると新しい人間騎馬の上で美穂が持って右に左にステップしている。超軽やか。人間騎馬器用に動けるものなのね。
じゃららららららららーん、とドラムロール。
合図と共にエミリアを覆う腰マント(頭にだけ)。グサッ。じゃっじゃじゃーん。
マントが剥がされ「刺さってなーい」と叫ぶエミリア、足開いて両手を掲げる。
お腹にめっちゃ刺さってますけど? 貫通してますけど? そもそもマント関係なくない?
「いえ、わたしには刺さっていないんですよ」エミリアが言う。
レイピアを抜くと、確かに血はついていない。よけれる隙間ねーだろ。
「剥いて見ましょう」と美穂サッソク。
剥がされたミノの内側にはエミリアのお腹がない。「マジっすか?」と驚くローゼ。なんか黒紫色の異空間が広がっている。もはや地獄か?
「え? え?」と気になる様子のエミリア。「わたしにも見せてくださーい」
「見ないほうが良いと思うわよ、すんごいから」ローゼ無理に笑顔を作る。
「ええー? 見たーい」
笑っていられる今が幸せ。
「美穂」とエルザが話しかけた。「ムチに興味があるみたいだけれど、あなたには向かないわ。だから別の武器を教えてあげる」と言って、がれきの中からロウソクを取り上げる。「これをたらすのよ」
ボヤにかざして火をつけると、それを美穂に渡した。
「あれ? 渡したの何本あったの?」ローゼが訊く。
一本受け取ったはずなのに、受け取ったそばから、ひい、ふう、みい……十本に増えてるー。
エルザ、微妙な微笑み「……」。
その視線の先の美穂、サーカスみたいにくるくる投げまわしながら、小太りの背中に炎をあてる。いや、使うの溶けたロウの方ですから。
「いやっ! それじゃつまんない」
美穂は、咎めるローゼの言うことを聞かず、「危ないよ/子供の火遊び/大全焼ー」
そんな標語知っていてやんのかよ。学校教育が負けるなんてー。
「なかなかやるわね」とエルザ。「焦げる脂の匂いが堪らないわ」更に「でもね――」と真剣に言った。
何を続ける気だ?
「――トランクスはいただけないわね」
「え?」とたじろぐ美穂。
「美穂はまだ色気がないから十八歳まではわたしみたいな格好は解禁できないけれど、せめてブルマーにしときなさい」
「でっ でもっ――」と食い下がる美穂。「捲し上げれば良いよ」
「だめよ」とエルザが一喝。「何か田舎の肌着とステテコで街歩いてるおじいちゃんみたいよ」
美穂は「うううー」と唸る。納得がいかない様子だが、最後は「分かった」頷いた。
マジか? 美穂が人の言うこと聞くなんて信じられない。
ローゼが感心してエルザを見やる。ゆっさゆっさと揺れる胸。なんかこれ見よがしに揺らして見せつけている。
「これで黙らせたのか」と納得するローゼ。「――この子の人生――――」美穂に視線を戻しながら「エロい方向(能動的方向で)で相当だわ……」と呟いた。
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