生贄の巫女は祈りを捧げる~輝国禍乱編~

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守国から来た巫女9

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光焔が祈の元を訪れる少し前の事・・・。

光焔がいつものように執務室で仕事をしていると、軽く扉が叩かれたかと思うとすぐに扉が開き大量の書類を持った李桜が入ってきた。

「随分と頑張っておられるようですよ」

書類を近くの机に置くなり李桜はこちらにそう告げてきた。

「巫女殿の事か?」

「ええ。あの諭按さんが褒めていました」

「ははっ、諭按は厳しいからな。あれで今まで何人もの生徒が去っていったしな」

だが、諭按の教え方は上手いし、分かりやすい。輝国の事を学ぶなら諭按より適任の者はいないだろう。

「それと、あなたとは大違いだという伝言ももらってきましたよ」

「オレと?」

「ええ。あなたと違って真面目でこちらが心配になるくらい頑張ってらっしゃるそうですから」

「それは心外だな。オレなりに頑張ってたつもりだけどな。でも、そうか・・・巫女殿は少し根を詰めすぎということだな」

「そうですね。勉強のされつつ空いている時間は舞の稽古に励まれているようですし。ここに来る途中も舞踏場で稽古されているのをお見掛けしましたよ」

「熱心なのはいいことだが・・・」

巫女殿はまだ輝国にきて日が浅い。

こんなに毎日根を詰めた生活を送っていると身が持たないだろう。巫女殿は守国から来てもらっている身だ。丁重に扱わないとな。

万が一の時使えなければ意味がない。

「そう言えば」

オレはその時あることを思い出した。

「李桜。今は祭りの最中だったよな?」

「はい。国中が多くの人で賑わっていますよ」

「・・・」

少し考えた後、勢いよく椅子から立ち上がる。

「巫女殿は舞踏場にいると言ったか?」

「はい。先程は鈴を持たれ稽古されていましたが・・・」

巫女殿の仕事の一つに舞があるというのにオレはまだ巫女殿の舞を見たことがなかったな。

そんなことを考えながら部屋の扉へ向かう。

「国王、どちらへ?」

「少し散歩をな」

「なっ!!これから大事な会議ですよ!!」

「それはお前に任せる!どうせ口うるさい爺さんどもの話し合いだ。オレがいてもいなくても変わらん」

「だからこそ、国王としての威厳を見せるためにですね・・・」

「それなら諭按がいた方が話もすぐに終わるだろう!後は頼んだ!!」

「国王ー!!」

李桜すまん。帰ったら小言くらいはいくらでも聞こう。さすがに長時間の説教は遠慮するが・・・。

制止する李桜の声も聞かず、オレは駆け足で部屋を出て巫女殿元へ向かった。
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