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四席と呼ばれる者達1
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「国王様、菊花さんがおっしゃっていた四席とは輝国の役職名の一つですよね?」
王宮への帰り道、私は気になっていたことを隣を歩く国王様に尋ねる。
「ああ、諭按に教わったのか?」
「はい」
四席とは輝国の最高幹部の総称だ。
国王により任命され、国王が代替わりする際に四席もともに替わる仕組みとなっている。
その最高幹部である四席は東席・西席・南席・北席の4人で構成されており、それぞれ青龍・白虎・朱雀・玄武と四神になぞらえてつけられた部隊を率い、自分の得意分野を活かした仕事をしている。
と、輝国の歴史を語るうえでは外せないと諭按さんが教えてくれていた。
「今は四席のうち3人が国外にいるが近々戻ってくると連絡があった。また日を改めて紹介しよう」
「楽しみにしています」
四席・・・一体どんな人達なのか。
最高幹部と言われるぐらだからきっと凄い人達なのだろう。
諭按さんは四席の皆さんの事を”問題児”って言ってたけどどういう意味だろう。
四席について考えていると、あと少しで王宮に入る門の前というところで国王様がおもむろに歩みを止めた。
「して、そろそろ王宮に着くのだが・・・巫女殿、覚悟はできているか?」
「何の覚悟ですか?」
私は何のことだか分からず首を傾げる。
覚悟?ただ王宮に帰るだけなのに?
「それは・・・」
国王様が何か言おうと口を開いたその時だった。
「光焔様」
「げっ!」
いきなり門が開き、中から凄い形相の諭按さんが現れた。
「随分と長い散歩ですね。それも祈様もご一緒とは」
「いや~、散歩は誰かと一緒の方が楽しいだろう?」
「散歩にも限度があります!誰が昼から夕方まで出かけていいと言ったのですか!だいたい、一国の主が会議をすっぽかして散歩に出かけるなど言語道断!」
「ま、まあ、少しくらいはいいだろう?」
鋭い視線を向けてくる諭按さんを少し引きながらも国王様は軽く受け流す。
「貴方様は少しですまないから言っているのです」
「あの!街に行きたいと言い出したのは私です!なので、国王様だけが責められるのは違うと思います」
「巫女殿・・・」
諭按さんは先程のような鋭い目つきではなく落ち着いた表情でこちらを向いた。
「祈様、祭りは楽しめましたか?」
「えっ?あ、はい、とても楽しかったです」
「それはなによりです。祈様にとってもいい息抜きになったみたいですし、今回は目をつむりましょう」
「諭按さん」
優しく微笑んだ諭按さんは改めて国王様の方を向く。
「ですが、以後あまりこのようなことがないように。よろしいですね?」
「ああ、もちろんだ!」
「まったく、返事だけはいいんですから・・・」
溜息をもらしながら王宮に入っていく諭按さんの後ろを着いて行こうとすると国王様が小声で語りかけてきた。
「諭按はああ言いながらいつも許してくれるんだ。しかし、次は諭按に見つからないように行かないとな」
「また行くのですか!?」
驚いて隣を歩いている国王様の顔を見る。
「ああ!まだ巫女殿に見せたいものがたくさんあるからな!」
国王様は満面の笑みを浮かべて言った。
きっと諭按さんは頭を抱えながらも、この愛嬌の良さに毎度許してしまうのだろうな。
短い時間ではあったが今日を通して国王様の博識なも見ることができ新たな一面を知れた気がする。
「巫女殿、今日は楽しんでもらえたか?」
「はい、ありがとうございました」
国王様からの問いに私は大きく頷いて一緒に王宮の中へと入っていった。
王宮への帰り道、私は気になっていたことを隣を歩く国王様に尋ねる。
「ああ、諭按に教わったのか?」
「はい」
四席とは輝国の最高幹部の総称だ。
国王により任命され、国王が代替わりする際に四席もともに替わる仕組みとなっている。
その最高幹部である四席は東席・西席・南席・北席の4人で構成されており、それぞれ青龍・白虎・朱雀・玄武と四神になぞらえてつけられた部隊を率い、自分の得意分野を活かした仕事をしている。
と、輝国の歴史を語るうえでは外せないと諭按さんが教えてくれていた。
「今は四席のうち3人が国外にいるが近々戻ってくると連絡があった。また日を改めて紹介しよう」
「楽しみにしています」
四席・・・一体どんな人達なのか。
最高幹部と言われるぐらだからきっと凄い人達なのだろう。
諭按さんは四席の皆さんの事を”問題児”って言ってたけどどういう意味だろう。
四席について考えていると、あと少しで王宮に入る門の前というところで国王様がおもむろに歩みを止めた。
「して、そろそろ王宮に着くのだが・・・巫女殿、覚悟はできているか?」
「何の覚悟ですか?」
私は何のことだか分からず首を傾げる。
覚悟?ただ王宮に帰るだけなのに?
「それは・・・」
国王様が何か言おうと口を開いたその時だった。
「光焔様」
「げっ!」
いきなり門が開き、中から凄い形相の諭按さんが現れた。
「随分と長い散歩ですね。それも祈様もご一緒とは」
「いや~、散歩は誰かと一緒の方が楽しいだろう?」
「散歩にも限度があります!誰が昼から夕方まで出かけていいと言ったのですか!だいたい、一国の主が会議をすっぽかして散歩に出かけるなど言語道断!」
「ま、まあ、少しくらいはいいだろう?」
鋭い視線を向けてくる諭按さんを少し引きながらも国王様は軽く受け流す。
「貴方様は少しですまないから言っているのです」
「あの!街に行きたいと言い出したのは私です!なので、国王様だけが責められるのは違うと思います」
「巫女殿・・・」
諭按さんは先程のような鋭い目つきではなく落ち着いた表情でこちらを向いた。
「祈様、祭りは楽しめましたか?」
「えっ?あ、はい、とても楽しかったです」
「それはなによりです。祈様にとってもいい息抜きになったみたいですし、今回は目をつむりましょう」
「諭按さん」
優しく微笑んだ諭按さんは改めて国王様の方を向く。
「ですが、以後あまりこのようなことがないように。よろしいですね?」
「ああ、もちろんだ!」
「まったく、返事だけはいいんですから・・・」
溜息をもらしながら王宮に入っていく諭按さんの後ろを着いて行こうとすると国王様が小声で語りかけてきた。
「諭按はああ言いながらいつも許してくれるんだ。しかし、次は諭按に見つからないように行かないとな」
「また行くのですか!?」
驚いて隣を歩いている国王様の顔を見る。
「ああ!まだ巫女殿に見せたいものがたくさんあるからな!」
国王様は満面の笑みを浮かべて言った。
きっと諭按さんは頭を抱えながらも、この愛嬌の良さに毎度許してしまうのだろうな。
短い時間ではあったが今日を通して国王様の博識なも見ることができ新たな一面を知れた気がする。
「巫女殿、今日は楽しんでもらえたか?」
「はい、ありがとうございました」
国王様からの問いに私は大きく頷いて一緒に王宮の中へと入っていった。
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